「オノマトペ」という単語をご存じでしょうか? 聞き慣れないという人も、それが意味するものを日常生活でもビジネスシーンでもよく使っているはずです。今回はこの単語について、ビジネスシーンでの活用効果を中心に解説します。

【目次】

カタカナ語も、毎日ひとつずつ、コツコツと学びましょう!
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【「オノマトペ」って何? 「意味」と「語源」

■「オノマトペ」は何を表す単語?

「オノマトペ」とは、“なんらかの音や状態などを言語化したもの”を指す名詞です。下記のように分けて考えるとわかりやすいでしょう。

1.擬声語としての「オノマトペ」:人や動物が発する音を言語化したもの。「ゲラゲラ(笑う)」「ワンワン(犬の鳴き声)」など。

2.擬音語としての「オノマトペ」:事物や事象の音を言語化したもの。「ざあざあ(雨が降る)」「ガラガラ(戸を開ける)」「ジョキジョキ(はさみで切る)」「ガチャン(割れる)」など。

3.擬態語としての「オノマトペ」:事物の状態や、身ぶり・行動などの様子を例えて言語化したもの。「ドキドキ」「スベスベ」「ジロジロ」「モチモチ」「キラキラ」「てきぱき」など。

このように、多くは同じ2文字をくり返して4文字で表します。

■聞き慣れないのは英語じゃないから?語源と由来

使い慣れているのに名称としては聞き慣れない、という人もいるでしょうか。これはフランス語の「オノマトペ」からくる外来語で、英語では「オノマトペア(オノマトピーア)[onomatopoeia]」となります。その「オノマトペ」は、「音を模倣した単語」を意味する古代ギリシャ語「オノマトポイーア」に由来しているのだとか。

■日本語に多いのはなぜ?

ほかの言語に比べ、日本語には「オノマトペ」が多いとされています。その理由のひとつが、微妙な違いを言い表す言語・表現能力の高さ。感性が豊かともいえますね。また、オノマトペが欠かせない“漫画文化”の発達も一因でしょう。

では、なぜ漫画にオノマトペが多いのでしょうか? 「オノマトペ」がもたらす効果について見てみましょう。


【ビジネスで使うことで生まれる「オノマトペ効果」】

会話や文章の中で「オノマトペ」を使う理由は、伝えたい内容をより詳細に、リアルに表現したいから。「オノマトペ」によって“視覚化”や“体験化”できるわけです。「雨に濡れた」という表現も、「ざあざあ振りの雨に濡れた」のと、「しとしと降った雨に濡れた」のでは、状況はまったく違うことがわかるでしょう。

商品広告では訴求したいポイントを、より伝わりやすく表現するために使用されます。「ふわふわの肌触り」「パリパリ食感」「キンキンに冷えた」と見たり聞いたりすると、グッとリアルに感じて購買意欲も上がるというもの。「オノマトペ」を広告に使うと訴求力が上がるといわれています。

また、プレゼンで使えば興味や関心が得られやすかったり、オリジナリティを評価されるなど、その効果はばかにできません。ビジネスシーンで「オノマトペ」がもたらす効果をまとめてみましょう。

■脳が活性化されるので効率や意欲がUP!

自動車を「ブーブー」、星を「キラキラ」と表現するように、「オノマトペ」は幼児教育の現場で使われてきました。ところが、「オノマトペ」が脳にダイレクトに働きかけてイメージを喚起させやすいという特長を利用して、大人も使うように。例えば、仕事を始める際に「お昼までに下調べをサクサク片付けて、午後は資料づくりをバンバン進め、定時にさっさと帰ろう」と口に出したり書いたりすることで、脳が活性化されて効果的なのだそう。

■リアルにイメージできるので訴求力がUP!

「オノマトペ」が用いられた商品広告や商品パッケージ、商品名などは、感触や温度、味わいなどがリアルにイメージできるため、それを好む消費者への訴求力がアップします。

■オリジナリティがUP!

他者との差別化を図りたいときや、その部分の印象を強めたいときにも「オノマトペ」を。漫画で使用する際には強調した描き方をしたりしますが、文章の中でも、ひらがなやカタカナの「オノマトペ」は目につきますね。また、「ぐんぐん」「のびのび」「メキメキ」などの「オノマトペ」は肯定感を高めるので、相手を褒めるときに使うと効果的です。


【ビジネスでも効果を上げるための「オノマトペ一覧」】

ビジネスシーンでも使える「オノマトペ」を紹介しましょう。

■「ポジティブさ」を表現できるオノマトペ

「モリモリ」「ガンガン」「グングン」「メキメキ」「こつこつ」

例:私の長所はどんなことも根気強く、こつこつと確実にこなしていくことです。

■「おいしそうな食べ物」を表すオノマトペ

「ツルツル」「ふわふわ」「もちもち」「とろとろ」「サクサク」「カリカリ」「パリパリ」「プルプル」「冷え冷え」「熱々」    

例:今夏はツルツルよりプルプル食感がウケている。

■「心情」を表すオノマトペ

「キュンキュン」「ドキドキ」「わくわく」「ザワザワ」「しくしく」「めそめそ」「イライラ」 

例:消費者はわくわくできる体験を求めている。

■「動き」や「状態」を表すオノマトペ 

「ガンガン」「ゴシゴシ」「ピカピカ」「さらさら」「カチカチ」「ガリガリ」「すいすい」

例:さっとひと拭きでピカピカに! 

■「音」を表現するオノマトペ

「リンリン」「ジージー」「キャーキャー」「ドンドン」「バリバリ」「ジャージャー」「キーキー」「ガラガラ」「バキバキ」

例:遠くからドンドンという太鼓の音が聞こえてきます。

 

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ビジネスシーンでも日常会話でも、「オノマトペ」を使用せずにコミュニケーションをとるのは大変難しいもの。音や状況をわずか4文字でよりリアルに伝える魔法のような「オノマトペ」、上手に活用したいものですね。

この記事の執筆者
Precious.jp編集部は、使える実用的なラグジュアリー情報をお届けするデジタル&エディトリアル集団です。ファッション、美容、お出かけ、ライフスタイル、カルチャー、ブランドなどの厳選された情報を、ていねいな解説と上質で美しいビジュアルでお伝えします。
参考資料:『日本国語大辞典』(小学館)/『日本大百科全書』(小学館)/『情報・知識imdas』(集英社)/『すっきりわかる! 超訳「カタカナ語」事典』(PHP文庫) :