以前は新聞やテレビが主なニュース源でしたが、今やインターネットにさえつながれば、世界中の情報を瞬時に受け取ることができ、また自らも発信できる時代です。そんな21世紀に重要なキーワードが、今回解説する「インタラクティブ」。しっかりとその意味や使い方を確認しましょう。

【目次】

コミュニケーションは「インタラクティブ」で成り立っています
コミュニケーションは「インタラクティブ」で成り立っています。

【「インタラクティブ」を解説します】 

■「インタラクティブ」はゲームソフトのこと?

英語の「インタラクティブ[interactive]」は、双方向に情報のやりとりができることを指す形容詞。

「間をつなぐ」という意味のインター[inter]と、活発な状態を意味するアクティブ[active]による複合語で、インターネットやゲームソフトなどが相当します。また、お互いに作用しあうさま」や「相互作用の」という意味も。

■最近よく聞く「インタラクティブテレビ」って?

「インタラクティブテレビ」はものすごく高度な性能を備えた製品のように感じるかもしれませんが、リモコンに「dボタン」があれば、それはインタラクティブテレビ。「d」はデータ放送を示し、データ放送を利用してテレビの画面上で、買い物やクイズに応募する、アンケートに答えるなどの操作ができます。テレビ局や番組、スポンサーなどと視聴者との、双方向コミュニケーションが取れるテレビというわけです。

■インターネットでの検索も「インタラクティブ」です

検索エンジンにキーワードを入力して情報を探し出す、いわゆる“ググる”という行為はインタラクティブの典型例。インターネット側が一方的に情報を与えるだけでなく、ユーザー側が「今欲しい情報」をインターネット側に与えているという、双方向性をもつ仕組みだからです。

■仕事の現場での「インタラクティブ」とは?

単語としての意味を超訳すると「双方向」となりますが、ビジネスシーンで「インタラクティブ」はどのように使われるのでしょう。

ビジネスでは、一方的ではないコミュニケーションに「インタラクティブ」を用います。上司が一方的に指示するだけの会議や、部下からの報告を聞くだけといった一方的な会議はインタラクティブとはいえません。誰もが発言でき、議論を戦わせることができる場合は、相互コミュニケーションが可能なので「インタラクティブな会議」だといえます。

■「IT業界」など、ビジネスシーンで使われる際の意味

ビジネスでは、消費者やユーザーと双方向にやり取りする形態を「インタラクティブ」、あるいは「インタラクティブコミュニケーション」と表現します。これらはビジネス用語でもありますが、特に情報処理や通信の分野では頻繁に使われるワードです。

インタラクティブ化を加速させる技術のひとつとしてAIがあります。身近な例では冷蔵庫。収納(保存)頻度が高いものをAIが認識して「〇〇がありません」とユーザーに情報を提供する、なんてことが可能な世の中なのです。IT業界にとって「インタラクティブ」という発想は金脈でもあります。


【ビジネスでの使い方がわかる「例文」「類語」「反対語」】

■例文1:「これからは広告も、情報を発信するだけでなく、ユーザーの意見や希望をダイレクトに受け取れるインタラクティブ広告が主流になるだろう」

■例文2:「商品のファンを増やしていくには、SNSで“書き込み”や“シェア”、“いいね!”といった消費者からの声が届くインタラクティブな施策が欠かせません」

■例文3:「視聴者も消費者も、インタラクティブコミュニケーションを望む時代になった」

■類語

対話」「関連」「双方向」「相関」「コミュニケーション」

■対義語

「一方的」「一方通行」「ノンインタラクティブ」


【「インタラクティブ」の「関連用語」】

「インタラクティブ」を理解して、ビジネスシーンで正しく活用するために、関連用語も覚えておきましょう。

■インタラクティブ広告 

「インタラクティブ広告」とは、ユーザーが操作してシステムが反応する双方向型の広告のこと。見たり聞いたりするだけでなく、触るなど能動的に体験することで、訴求内容の理解が深まり、興味関心をもちやすくなります。また、利用率や定着率が高く、顧客の動向をつかみやすいというメリットも。

■インタラクティブ動画

動画広告のひとつで、閲覧者による捜操作が可能。動画をクリックすることで好みの動画やクイズの答えを選択したり、商品やサービスについてより詳しい情報を得ることができます。

■インタラクティブシステム

手を振る、歩く、飛び上がるなど、人の動きに合わせて映像が変化する投影技術のこと。静止画の投影では表現できなかった躍動感に加え、驚きや楽しさも演出します。床や壁面、小さなテーブルの上など大きさを限定せずに活用できるため、広告・宣伝の目的のほか、装飾やエンターテイメントの演出効果としても。ウエディングの演出にも使われています。

■インタラクティブアート

双方向芸術のこと。制作者と観客がデジタル技術を用いて共同で制作する芸術作品の総称。

 

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IT業界やビジネスシーンのみならず、エンターテインメントや一般家庭にまで活躍の場を広げている「インタラクティブ」。もはや携帯電話やインターネットがない生活は考えられませんが、そろそろ「インタラクティブ」もその領域に入りそうな予感も…。乗り遅れないよう、しっかり「インタラクティブ」を活用していきましょう。

この記事の執筆者
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参考資料:『日本国語大辞典』(小学館)/『デジタル大辞泉』(小学館)『すっきりわかる! 超訳「カタカナ語」事典』(PHP文庫)/『情報・知識imdas』(集英社) :