「若干」ってどういう意味?意外と誤用の多い言葉です!
明日・7月30日は、『梅干の日』です。
その年に収穫した梅で梅干をつくるための土用干(どようぼし)が終わり、新物の梅干しが食べられるころであることと、古来から健康食品と言われる梅干を食べると「難が去る」と言われることから、7(なん)が30(さる)、の語呂合わせで、日付が選ばれたそう。
また、古来から、7月30日の卯の刻(午前6~8時)に、その年の恵方(えほう)=吉方位に向かって梅干をいただくと、精気がみなぎると言い伝えられてもいます。
明日の朝食の食卓にいかがでしょうか?
本日は「梅干」と同じ「干」の字が入った「若干」という言葉をピックアップし、クイズをお送りします。
【問題1】「若干」ってなんと読む?
「若干」という日本語の正しい読み方をお答えください。
ヒント:「若」という字の音読みは?
…さて、正解は?
※「?」画像をスクロールすると、正解が出てまいります。
正解は… 若干(じゃっかん)です。
※一部の辞書では、「若干(じゃっかん)」と並び、「そこばく」「そくば」「そくばく」などの読み方も掲載しています。
読み方の正解をつきとめたところで、実はカン違いの多いこの言葉の意味に関して、2問目のクイズにまいります。
【問題2】「若干」ってどういう意味?
「若干」の意味として正しいものを、以下の選択肢の中から選んでください。
1:年齢が若いさま
2:さほど多くない数量
3:乾ききっていない状態
…さて、正解は?
※「?」画像をスクロールすると、正解が出てまいります。
正解は… 2:さほど多くない数量 です。
比較的、年齢が若い事を表現する際に「じゃっかん20歳の…」という言い回しがございますが、この場合は「若干(じゃっかん)」ではなく「弱冠(じゃっかん)」です。
「弱冠(じゃっかん)」は、もともと、古代中国の「成人の儀式として冠をかぶる」ことを意味した「男性の20歳」を意味する言葉です。ここから転じ、昨今では「あることをするのに、比較的、年が若いこと。」という意味でも使用されるようになっています。
年齢の「若さ」を表現する言葉なので、「若干(じゃっかん)」と混同されがちですが、まったく別の言葉です。
「若干(じゃっかん)」は、「あまり多くはない程度の数量」で、まだ正確には定まっていないようなときに使用します。「干」という字を分解すると「一」「十」に見えるので、「一の若く(ごとく)十の若し(ごとし)」を表す言葉なのです。
「弱冠(じゃっかん)」と「若干(じゃっかん)」、大人の会話や文書のやりとりに登場しそうな言葉ですので、混同なさらないよう、くれぐれもお気をつけください。
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本日は、7月30日『梅干の日』のトリビアと、
・若干(じゃっかん)
・弱冠(じゃっかん)
…混同されやすいふたつの言葉についておさらいいたしました。
- TEXT :
- Precious.jp編集部
- BY :
- 参考資料:『精選版日本国語大辞典』『デジタル大辞泉』(株式会社小学館)/『漢字ペディア』(公益財団法人日本漢字能力検定協会)/一般社団法人日本記念日協会ウェブサイト/『五代庵』ウェブサイト(株式会社東農園)
- ILLUSTRATION :
- 小出 真朱