雑誌『Precious』では「My Action for SDGs 続ける未来のために、私がしていること」と題して、持続可能なよりよい世界を目指す人たちの活動に注目し、連載しています。

今回は「AWorld」広報・マーケティングマネージャー アンジェラ・ブルゾーネさんの活動をご紹介します。

アンジェラ・ブルゾーネさん
「AWorld」広報・マーケティングマネージャー
イタリア最大の港町ジェノヴァに生まれ、海の大切さを感じながら育つ。大学時代は「従来とは異なる交通手段」と題した論文でエコロジー部門の賞を受賞。明るく社交的で、「周囲の人たちとつながることが私の能力」と語る。

サステイナブルなアクションをゲームで実践するアプリが話題

イタリアの若者の間で人気の「AWorld」。国連の気候変動対策キャンペーン(※)を支援するべく、サステイナブルな行動をゲーム化したアプリだ。

広報(の肩書きで実際はあらゆる仕事)を担当するアンジェラさんによると、「簡単に説明すると、気候変動に対する国連の目標と、世界の人々が持続可能な行動をとるための活動を絡み合わせたものです。アプリの中には、『マイボトルを持って外出する』『シャワー時間を5分短縮』『1日1食はベジタリアンに』『車を運転しない日をつくる』といった、さまざまな習慣チェックやチャレンジコーナーがあって、その項目をクリアすると、光熱費やCO2をどのくらい削減できたかといったことが、具体的にわかるようになっています」

’20年、コロナ禍でのロックダウン期間中に創業したスタートアップ企業は、現在開発者5名、社員20名。拠点はイタリアだが、メンバーはロンドン、N.Y.、バンクーバーに分散している。4言語に対応しており、新たな言語、新たな国での新規採用も開始している。

「『AWorld』を自身のアプリに取り入れる企業や自治体も増えています。サステイナブルといっても、それぞれの立場によって、視点や展望は異なりますよね。従業員と顧客との関係性を向上させる目的で使用したい、とか、社内教育の一環として、といった、導入先の要望に合わせてカスタマイズできることが、『AWorld』の大きな特徴です。人、企業、機関を確実に結びつけることで、アクションの効果を高めます」

「AWorld」とは、「地球には代案がない」という意味を込めた。

「プランAがダメならBで、とはならない。失敗はできないのです」

【SDGsの現場から】

●「AWorld」立ち上げ1周年を記念したパーティを開催

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1周年記念パーティには一般の人も参加。サステイナブルなアクティビティも企画された。

●さまざまなゲームでSDGsを楽しくわかりやすく

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アンジェラさんが企画して好評だった「SDGs版タブーゲーム」など、多様なコンテンツが。

※国連の気候変動対策キャンペーンとは…’19年に国連が呼びかけた、気候変動対策のための行動へのグローバルコール。「ActNow」という名で、個人の教育を目標としている。

PHOTO :
Francesco Dolfo
WRITING :
剣持亜弥(HATSU)
EDIT&WRITING :
大庭典子、喜多容子(Precious)
取材 :
Yuki Katagiri