「夏安居」ってなんと読む?「なつあんきょ」ではありません!
明日・8月19日は『俳句記念日』です。
819(はいく)の語呂合わせで、俳句作家主催の団体が制定した記念日です。俳句の楽しさ、奥深さ、季節感の大切さなどを知ってほしい…という願いが込められ、句会などのイベントが企画されているそう。
本日はまず、この時期の季語から、難読クイズをお送りします。
【問題1】「解夏」ってなんと読む?
「解夏」という日本語の正しい読み方をお答えください。
ヒント:「僧侶が世俗を離れ、夏の間90日間こもって修行する『安居』の終わり」を意味した言葉で、陰暦7月15日(2022年は8月12日)になります。
<使用例>
「『解夏』という映画のタイトルは、仏教と関連していたのね。」
…さて、正解は?
※「?」画像をスクロールすると、正解が出てまいります。
正解は… 解夏(げげ)です。
「夏至(げし)」という言葉があるように、「夏」の音読みには「ゲ」が、また、「解」という字の音読みにも「ゲ」がありますので、「解夏(げげ)」と読みます。小説から、映画やドラマなど、メディアミックスされた作品のタイトルにもなっておりますので、大人の教養として「解夏(げげ)」と、正しく読めるに越したことはございません。
「夏」という字が入っていますが、「解夏(げげ)」は、二十四節気の「立秋」(今年は8月7日)以降に来ることから、「初秋」の季語となっています。
さて、2問目にまいりましょう。
【問題2】「夏安居」ってなんと読む?
「夏安居」という日本語の正しい読み方をお答えください。
ヒント:1問目のヒントで解説したとおり、「僧侶が夏の間90日間こもって修行すること。」を意味する言葉です。
<使用例>
「『夏安居』って、もとは、インドの雨期に関係していたのね。」
…さて、正解は?
※「?」画像をスクロールすると、正解が出てまいります。
正解は… 夏安居(げあんご)です。
1問目の「解夏(げげ)」は、夏季の90日間の修行の終わりを意味する言葉なので初秋の季語ですが、その修行そのものを表す言葉「夏安居(げあんご)」「安居(あんご)」は、初夏、仲夏、晩夏を通す、三夏の季語になります。「夏安居(げあんご)」は仏教と関わる言葉ですが、「夏の間、こもって修行する」という形は、もともと、インドの雨期を避けた修行の形態、と言われています。インドの風土と関連する行動が、現代も日本に残る季語と関わっている…歴史的なロマンを感じますね。
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本日は、8月19日『俳句記念日』のトリビアと、季語に関連する日本語から、
・解夏(げげ)
・安居(あんご)
などについておさらいいたしました。
- TEXT :
- Precious.jp編集部
- BY :
- 参考資料:『精選版日本国語大辞典』『デジタル大辞泉』『日本大百科全書(ニッポニカ)』(株式会社小学館)/一般社団法人日本記念日協会ウェブサイト
- ILLUSTRATION :
- 小出 真朱