メールや手紙の最後、文章を締めくくろうとして、しっくりくる言葉が見つからない…と悩んでしまったことのある人は多いはず。今回は、ビジネスメールにもマッチする、季節ごとの「結びの挨拶」をご紹介します。相手への気遣いを伝えることで、心の交流が深まるビジネスメールの実例を、ぜひ参考になさってください。

【目次】

「結びの挨拶」でメールの読後を爽やかに。
「結びの挨拶」でメールの読後を爽やかに。

【知っておきたい! メールに生かせる「手紙」の「基本」】

■メールにも、手紙の伝統を取り入れて

ビジネスでは、電話よりもメールでのやり取りが中心になりつつあります。ビジネスメールの文章は、簡潔にわかりやすく、が基本ではありますが、文章の「書き出し」と「結びの言葉」に日本語独特の美しい言葉を添えることで、味気ないビジネスメールを知的で印象的なものにすることが可能です。

■手紙の基本は「書き出し(前文)」+「主文」+「結びの挨拶(末文)」

「書き出し」とは、文章の最初に記す「こんにちは」の挨拶です。折々の季節の移ろいに触れた「時候の挨拶」が一般的。

「結びの挨拶」とは、文章の最後に記す「さようなら」の挨拶です。相手の健康を気遣い無事を願う言葉や、用件を総括する言葉を選ぶとしっくりまとまります。

メールの本題となる「主文」をはさんで、「書き出し」と「結びの言葉」があることで、一方的になりがちなメールの文章に温かみを添えることができるのです。


【「基本」の「結びの挨拶」】

メール自体の用件は、依頼であったり謝罪であったり、またはお礼であったりとさまざまです。いずれの案件であっても、最後には相手の気持ちを和らげたり、心地よい読後感を残すことができるような「結びの挨拶」を選びたいものです。

■「今後ともよろしくお願いいたします」
■「以上、用件のみにて失礼いたします」
■「取り急ぎメールにてご報告申し上げます」
■「引き続きご愛顧のほどよろしくお願い申し上げます」


【「健康や繁栄を願う」ビジネスメールの「結びの挨拶」】

相手の健康を気遣う言葉や、ますますの繁栄や活躍を祈る言葉で結ぶことにより、思いやりの気持ちを添えます。

■「時節柄くれぐれもご自愛くださいませ」
■「○○様のいっそうのご健勝をお祈り申し上げます」
■「ご自愛のほどお祈りいたしております」
■「お健やかにお過ごしくださいませ」
■「ますますのご発展をお祈り申し上げます」
■「ご隆盛をご祈念申し上げます」


【依頼するときの「結びの挨拶」】

相手に何かを依頼するメールのほか、「伝言」「返信」など、相手に頼み事があるときの「結びの挨拶」をご紹介します。

■「ご多用中恐縮ではございますが、折り返しご返事くださいますようお願い申し上げます」
■「恐れ入りますが、○○様にもよろしくご伝言のほどお願い申し上げます」
■「ご理解のほど、伏してお願い申し上げます」
■「何卒、ご検討くださいますようお願い申し上げます」
■「ご了承くださいますよう、切にお願い申し上げます」


【「季節・月ごと」の結びの挨拶】

■春(3月、4月、5月)

<3月>
・「春まだ浅い季節、ご自愛くださいますようお祈り申し上げます」
・「春の訪れと共にますますのご活躍をお祈りしております」

<4月>
・「年度始めは何かとお忙しいと存じますが、ご無理をなさいませんように」
・「花冷えの折、くれぐれもご自愛くださいませ」

<5月>
・「新緑がまぶしい季節、ますますのご発展をお祈り申し上げます」
・「薫風の候、健康にご留意なさってください」

■夏(6月、7月、8月)

<6月>
・「思わぬ梅雨寒が続いております。お風邪など召されませぬようお気を付けください」
・「例年になく早い夏が到来しています。ご健勝にお過ごしください」

<7月>
・「盛夏のみぎり、無理をせずお過ごしください」
・「お健やかに夏を乗り切れますよう、心よりお祈り申し上げます」

<8月>
・「残暑厳しき折、お疲れが出ませんようお祈り申し上げます」
・「秋の到来を心待ちに残暑を乗り切りたいものです」

■秋(9月、10月、11月)

<9月>
・「夏の疲れは秋に出やすいとも聞きます。どうぞお体おいといください」
・「爽やかな時節です。秋を満喫し、充実した日を過ごされますように」

<10月>
・「外はすっかり秋の装い。美しい季節を穏やかにお過ごしくださいませ」
・「たわわな秋の実りのように、ますますのご活躍をお祈り申し上げます」

<11月>
・「寒さに向かう折、どうぞこれまで以上にご自愛くださいませ」
・「木枯らしに冬の到来を感じます。お元気でお過ごしください」

■冬(12月、1月、2月)

<12月>
・「忘年会シーズンですね。お体に気を付けてお過ごしください」
・「慌ただしい師走ですが、よき春を迎えられますようお祈り申し上げます」

<1月>
・「厳寒の折、お体を大切にお過ごしください」
・「まだまだ寒さが続きます。お風邪など召しませぬようお気を付けください」

<2月>
・「折しも向春の季節、ご壮健にてお過ごしください」
・「三寒四温と申します。お体に十分ご留意ください」

***

スピードを要求されることが多いメールでは、ついつい用件のみの文章になってしまいがちです。だからこそ、季節感を盛り込んだり、相手を気遣うひと言が読後の印象を爽やかなものへとしてくれるのでは。日本ならではの季節を感じとる美意識を生かしていきたいですね。

この記事の執筆者
Precious.jp編集部は、使える実用的なラグジュアリー情報をお届けするデジタル&エディトリアル集団です。ファッション、美容、お出かけ、ライフスタイル、カルチャー、ブランドなどの厳選された情報を、ていねいな解説と上質で美しいビジュアルでお伝えします。
参考資料:/『大人の語彙力ノート』(SB Creative) /『大切な人へ贈る 手紙に添える季節の言葉365日』(朝日新聞出版) /『心が通じる 手紙の美しい言葉づかい ひとこと文例集』(池田書店) :