「三位一体」ってなんと読む?「さんいいったい」と誤読していませんか?
明日・9月17日から、2週間続けて、週末が3連休になりますね。みなさま、楽しみなご予定がおありなのではないでしょうか?
本日は「三」という字の入った日本語のクイズをお送りします。
【問題1】「三位一体」ってなんと読む?
「三位一体」という日本語の正しい読み方をお答えください。
ヒント:「三つのものがひとつになること」「三者が本質的にまったく同一であるということ」「キリスト教で、父(神)・子(キリスト)・聖霊の三位(さんみ)は、唯一の神が3つの姿となって現れたもので、本来は一体であるとする教理」などの意味をもつ言葉です。
<使用例>
「こちらのお料理、ふたつの素材とソースのお味が、三位一体となった絶妙なハーモニーね!」
…さて、正解は?
※「?」画像をスクロールすると、正解が出てまいります。
正解は… 三位一体(さんみいったい)です。
「三位一体(さんみいったい)」、比較的よく使用される四字熟語ですので、誤読にはご注意ください。この場合の「三位」は「さんい」とは読みません。「さんみ」です。
さて、2問目にまいりましょう。
【問題2】「三竦み」ってなんと読む?
「三竦み」という日本語の正しい読み方をお答えください。
ヒント:「三者が互いにけん制しあって、それぞれが自由に動けない状態」という意味をもつ言葉です。
<使用例>
「この3つの国は、この時代、まさに『三竦み』の状態だったのです」
…さて、正解は?
※「?」画像をスクロールすると、正解が出てまいります。
正解は… 三竦み(さんすくみ) です。
「三竦み(さんすくみ)」は、「三者が互いにけん制しあって、それぞれが自由に動けない状態」を表す言葉ですが、もとは「蛇はなめくじをおそれ、なめくじは蛙をおそれ、蛙は蛇をおそれること」というイメージから転じてできた言葉です。「蛇と蛙はともかく、なぜ、なめくじが入るの?」という疑問をよく耳にしますが、この言葉が広く根づいた背景には、江戸時代後期に大流行し、歌舞伎・浄瑠璃の題材にもなった長編の物語『児雷也豪傑譚(じらいやごうけつたん)』がありました。
これは、蝦蟇(がま=カエル類)の妖術を授かった主人公・児雷也が、悪賊・大蛇丸(おろちまる)と戦う物語で、そこに児雷也の妻で、蛞蝓(かつゆ=なめくじ)の妖術の使い手・綱手(つなで)がからみ、まさに「三竦み(さんすくみ)」の妖術乱闘劇…というスタイルで、当時の人々をとりこにしたのです。なめくじの妖術の使い手…というと、どんな女性なのか?と、現代では不思議に思ってしまいそうですが、綱手(つなで)は大変な美女、という設定です(笑)。
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本日は、「三」という字の入った日本語から、
・三位一体(さんみいったい)
・三竦み(さんすくみ)
などの読み方、言葉の背景についておさらいいたしました。
- TEXT :
- Precious.jp編集部
- BY :
- 参考資料:『精選版日本国語大辞典』『デジタル大辞泉』『日本大百科全書(ニッポニカ)』(株式会社小学館)/『漢字ペディア』(公益財団法人日本漢字能力検定協会)
- ILLUSTRATION :
- 小出 真朱