「鯊」って何と読む?「しゃぎょ」ではなく…秋の季語にもなっているお魚ですよ!
明日・9月23日は、令和4年の国民の祝日『秋分の日』です。『秋分の日』の日付は固定されたものではなく、天文学で導き出す、その年の「秋分」と重なる日、となっています。「秋分」は、秋の時分に、昼と夜の長さがほぼ等しくなる時点を指す、「四季」を分ける起点の一つとなる、重要な日です。今年は暦(こよみ)が秋に入っても猛暑が続きましたが、そろそろ、秋らしい涼しさが到来しそうですね。
本日は「秋の季語」から、日本語クイズをお送りします。
【問題1】「鯊」ってなんと読む?
「鯊」という日本語の正しい読み方をお答えください。
ヒント:スズキ目の魚で、淡水・海水の海底に生息します。左右の腹びれが合わさり吸盤状となって、岩などに吸い付きます。
<使用例>
「鯊が釣れたので、天ぷらにしていただきましょう!」
…さて、正解は?
※「?」画像をスクロールすると、正解が出てまいります。
正解は… 鯊(はぜ)です。
「鯊(はぜ)」は、秋から冬にかけ、海に下って産卵する頃が美味なため、秋の季語となっています。焼干しを、お正月のお雑煮のだしに使う地域もあるようです。
【問題2】「烏賊干す」って何と読む?
秋の季語「烏賊干す」の正しい読み方をお答えください。
ヒント:ある魚介類を干し、おなじみの海産物加工品をつくる光景を指しています。
<使用例>
「そろそろ、烏賊干す季節が巡ってくるわね」
…さて、正解は?
※「?」画像をスクロールすると、正解が出てまいります。
正解は… 烏賊干す(いかほす) です。
「烏賊干す(いかほす)」は、イカを干した加工品・通称「するめ」をつくる光景を表現した季語になります。スルメイカは九州西岸などで孵化し、餌を求めて、夏に北海道沿岸へ北上しますので、北海道のスルメイカ漁は秋が本番となります。烏賊(いか)という表記は、「烏(からす※鳥(とり)ではありません)」に「賊(ぞく)」と書きます。…改めて考えると、意外ですね。実は、中国の故事に「烏(からす)が、海面にぷかぷかと浮かんでいるイカをがつつくと、イカは死んだふりをしていただけで、突然腕を伸ばしてカラスを絡めとり、海中に引きずり込んだ」というエピソードがあり、ここから「烏(からす)を襲う賊(ぞく)=烏賊(いか)」の字があてられたようです。
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本日は、9月23日『秋分の日』にちなんだトリビアと、秋の季語から、
・鯊(はぜ)
・烏賊干す(いかほす)
という言葉の読み方や、背景についておさらいいたしました。
- TEXT :
- Precious.jp編集部
- BY :
- 参考資料:『精選版日本国語大辞典』『デジタル大辞泉』(株式会社小学館)/内閣府ウェブサイト/水産庁ウェブサイト/『きごさい歳時記』ウェブサイト(NPO法人季語と歳時記の会)
- ILLUSTRATION :
- 小出 真朱