「苛苛」ってなんと読む?「かか」ではありませんよ!
明日・9月28日は『いじめ防止対策を考える日』です。日付けは、「いじめ防止対策推進法」が施行された日が2013年の同日にちなんでいます。「いじめ問題の解決のためには産官学を含めた多くの関係者が一丸となって取り組む必要があることから、いじめ防止対策について多くの人が考えるきっかけをつくること」が目的に掲げられています。学校や職場など人が集まるあらゆる場において起こり得る「いじめ」。能動的にいじめたつもりはなくとも、見過ごすことや、消極的に加害者に合わせてしまうことも、「いじめ」の助長につながります。「おかしいな?」と感じたら、早急に監督者等に相談し、いじめ被害が拡大しないよう協力したいですね。
本日は「人間の感情」に関連する日本語クイズをお送りします。
【問題1】「苛苛」ってなんと読む?
「苛苛」という日本語の正しい読み方をお答えください。
ヒント:思い通りにならないとき等に起こる感情です。
<使用例>
「今朝は大事な会議があるのに、電車が遅れてて苛苛してしまったわ」
…さて、正解は?
※「?」画像をスクロールすると、正解が出てまいります。
正解は… 苛苛(いらいら)です。
「苛烈(かれつ)」などの熟語に使用する「苛」という字は、常用漢字ですが、音読みの「苛(カ)」のみが常用漢字の範囲内の読み仮名になっています。常用漢字の範囲外の読み方になりますが、「苛立つ(いらだつ)」や「苛つく(いらつく)」などの表記にも使われます。この字は、「むごい」「わずらわしい」「いらだつ」「さいなむ」など、ネガティブな感情を意味し、これがふたつ重なると「苛苛(いらいら)」という言葉になります。「イライラする」は日常でもよく使われる言葉ですが、漢字表記をご存じなかった方も多いのではないでしょうか?
さて、2問目にまいりましょう。
【問題2】「蔑ろ」ってなんと読む?
「蔑ろ」という日本語の正しい読み方をお答えください。
ヒント:「あってもないもののように軽んじること」「しまりのないさま」などの意味をもつ言葉です。
<使用例>
「あんな風に彼女を蔑ろにするのは、『いじめ』のようにもとれますよ」
…さて、正解は?
※「?」画像をスクロールすると、正解が出てまいります。
正解は… 蔑ろ(ないがしろ)です。
「蔑」という字は「軽蔑(けいべつ)」「蔑視(べっし)」などの熟語に使用される「蔑(ベツ)」という字です。こちらも常用漢字ですが、常用漢字の範囲内の読み方は、音読みの「蔑(ベツ)」と訓読みの「蔑む(さげすむ)」、ふた通りです。しかし「蔑ろ(ないがしろ)」という読み方も、常用漢字の範囲外でありながら、大人の文書にはしばしば登場します。覚えておいたほうが無難でしょう。
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本日は、9月28日『いじめ防止対策を考える日』にちなんで、「人間の感情」に関連する日本語から、
・苛苛(いらいら)
・蔑ろ(ないがしろ)
などについておさらいいたしました。
- TEXT :
- Precious.jp編集部
- BY :
- 参考資料:『精選版日本国語大辞典』『デジタル大辞泉』(株式会社小学館)/一般社団法人日本記念日協会ウェブサイト/『漢字ペディア』(公益財団法人日本漢字能力検定協会)
- ILLUSTRATION :
- 小出 真朱