日も短くなり、秋めく過ごしやすい日も増えてきましたね。気候もよい秋は、活動的になる季節でもあります。お出かけしようと考えている人は、“芸術の秋”にちなんで、日本の美術品に触れ、感性を磨いてみるのはいかがでしょうか?
90年以上の伝統を受け継ぎ、2,500点もの日本画や美術工芸品を観賞できる、唯一無二のミュージアムホテルである「ホテル雅叙園東京」。こちらのホテルでは、芸術の秋にふさわしい企画が開催されています。
「線は、僕を描くat百段階段〜色彩空間で観る水墨画の世界〜」が開催!
2022年11月27日(日)までの期間限定で、映画『線は、僕を描く』とのタイアップ企画が、「ホテル雅叙園東京」館内にある東京都指定有形文化財「百段階段」で開催されています。
映画『線は、僕を描く』の原作となるのは、2020 年「本屋大賞」3位、2019年TBS「王様のブランチ」BOOK 大賞を受賞した青春芸術小説「線は、僕を描く」(砥上裕將著/講談社文庫)。
深い喪失のなかにあった大学生の青山霜介が、巨匠・篠田湖山と出会い、水墨画の道を歩み始めるというストーリーの本作が、横浜流星さん主演で映画化。水墨画に戸惑いながらもその世界に魅了されていく姿に心打たれる作品になっています。
映画の公開日である10月21日(金)に合わせ、東京都指定有形文化財「百段階段」では「線は、僕を描くat百段階段〜色彩空間で観る水墨画の世界〜」と題し、水墨画の技法や映画で登場するさまざまな作品を鑑賞できるようになっています。
1935(昭和10)年に建築された文化財「百段階段」の空間でこそ際立つ、白と黒で描かれる水墨画の世界にどっぷり浸れる展示を詳しくご紹介します。
展示の見どころを3つ紹介!
■1:色彩空間で観る水墨画の世界
エントランスホールでは、主人公の師である水墨画の巨匠・篠田湖山が劇中で描いた幅4mにもおよぶ大作がお出迎え。原作者の砥上裕將氏による水墨画とともに原作に関連する展示を鑑賞できる会場など、映画ファン垂涎の空間も用意されています。
墨の濃淡や、かすれ、滲みだけで表現された“無彩色”の水墨画。それを際立たせるのが、階段廊下に連なる7つの会場です。それぞれ異なる芸術家が手掛けた“極彩色”の空間は、贅を極めた色鮮やかな空間になっています。水墨画の単色と会場の多色との対比に圧巻されますよ。
■2:水墨画の魅力に迫る
水墨画の歴史や技法、道具など、水墨画を学ぶときに必ず手本となる画材“四君子”にまつわる内容も紹介されています。ふだん水墨画に触れる機会がないという方にもわかりやすいように紹介されていますので、この機会に学んでみてはいかがでしょうか。
狩野芳崖や橋本雅邦、下山観山といった先人の作品が並ぶ館内。原作者である砥上裕將氏の作品や映画の水墨画の監修を担った小林東雲氏の作品展示など、さまざまな作品を一挙に鑑賞できるまたとない機会になっています。
■3:映画のシーンを再現した空間展示
映画に登場する作品の特別展示のみならず、主人公が水墨画に魅了され練習に励むアトリエが再現されているところも魅力です。
臨場感あふれる展示は一見の価値あり。映画を観る前なら映画への期待感がアップし、映画鑑賞後なら、感動がよみがえること間違いなしです。
また、水墨画の基本であり、映画にも登場する四君子の作品や、墨のアロマが漂う中に配した幅5m、高さ2mもの圧巻の大型作品など、劇中のまざまな作品を展示。
ほかにも、映画紹介の大型パネルや、水墨画の道具がずらりと並んだアトリエのインスタレーション、短冊に自身のなりたい像を綴り展示できる参加型スポットなど、さまざまな仕掛けで映画の世界観に没入できる内容になっています。
映画の世界観と水墨画の奥深さを感じることのできる特別な展示は、2022年11月27日(日)までの期間限定。ぜひお早めに足を運んでみてくださいね。
問い合わせ先
- ホテル雅叙園東京 東京都指定有形文化財「百段階段」
- 「線は、僕を描くat百段階段〜色彩空間で観る水墨画の世界〜」
開催期間/~2022年11月27日(日)※会期中無休 - 開催時間/11:00〜18:00(最終入館17:30)
- TEL:03-5434-3140(ホテル雅叙園東京 イベント企画 10:00〜18:00)
- 住所/ 東京都目黒区下目黒1-8-1
映画情報
- 「線は、僕を描く」
- 2022年10月21日(金)全国東宝系にて公開
©砥上 裕將/講談社 ©2022映画「線は、僕を描く」製作委員会
- TEXT :
- Precious.jp編集部