お米ってこんなに美味しかったっけ…? ほかほかで艶やか、噛み締めればじんわり甘い。プロの料理人の手による「ごはん」は、今や、食通がそれ目当てで通うほど、メインともいうべきひと品。

炊き立て土鍋ごはんから、薪焼きごはん、リゾット、お弁当まで、お米の可能性は進化中です。

そこで『Precious』11月号では、特集「本当に美味しい『ごはん』が食べたい!」を展開。ジャンルを超えた「ごはん」の名店のこだわりを、ほかほかのビジュアルと共にご案内します。

今回は、そのなかから「慈華」のフカヒレ白湯煮込みと土鍋ごはんをご紹介します。

【「慈華」のフカヒレ白湯煮込みと土鍋ごはん】あくまでも主役はフカヒレ、炊き立てごはんは究極の立て役者

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濃厚スープに炊き立てごはんを絡める至福

日本の豊かな食材を生かしきる、繊細な味わいと美しいひと皿。2019年のオープン後、1周年を待たずしてミシュラン一つ星を獲得。シェフ自らが足を運び選び抜いた日本の素材を、卓越した中国料理の技法で調理した料理はまさに引き算の美学ともいうべきシンプルさです。

コース中盤に登場のスペシャリテ・フカヒレ煮込みは、気仙沼産毛鹿鮫のフカヒレを鶏ベースの白湯でクタクタに煮込んだ濃厚なスープ。まずはスープだけで堪能したら、絶妙なタイミングで炊き立ての白米が土鍋で登場。各自のフカヒレ皿にふんわりと、ふた口分ほど添えてくれたごはんをスープに絡めていただく美味しさったら!

「シメは別にありますから、これはあくまでフカヒレをより楽しんでいただくためのもの。中国では花巻(蒸しパン)やおこげと絡めるのが一般的ですが、やはり日本では白米で。南魚沼産のコシヒカリは、程よい粘りと固さで濃厚スープとよく絡みます」とシェフ。

フカヒレはもちろん「スープに絡めた白ごはんが最高!」と店を後にする人が絶えないのもうなずける逸品です。

〈ごはんDATA〉

【米】新潟県南魚沼「あらやしき農園」の自家製コシヒカリを使用。

【炊き方】
浸水は1時間ほど。短時間で簡単に抜群に美味しく炊けるとシェフが太鼓判を押す、二重蓋構造の「安楽窯」の土鍋を使用。2合炊きなら中火で10分、沸騰したら火を止め6、7分。蒸らしは5分ほど。客席ごとに炊く。

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少し固めに炊かれたごはんは、空気をいっぱい含ませるように、ふんわりと立たせるように皿に置く。そうすることで、濃厚スープに粒がしっかりと絡みやすくなるとか。
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内観

※外出時には新型コロナウイルスの感染対策を十分に講じ、最新情報は公式HPなどでご確認ください。また、料理は季節によって変わる場合があります。
※掲載の価格は、すべて税込みです。(サービス料は別)

問い合わせ先

  • 慈華
  • 営業時間/昼11:30~15:00(ラスト入店13:00)、夜18:00~23:00(ラスト入店20:30)※要予約
  • 定休日/月曜休、不定休
  • メニュー/[昼]コース¥11,000、[夜]コース¥16,500、¥25,300、¥33,000(約8品)
  • TEL:03-3796-7835
  • 住所/東京都港区南青山2-14-15 五十嵐ビル2F

PHOTO :
篠原宏明、ハリー中西
EDIT :
田中美保、安村 徹(Precious)
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