同じ仕事をするのなら、「なるべく速くこなせるようになりたい」と思いますよね? 仕事の効率を上げれば、目の前の仕事に追われることなく、もっと心の余裕が生まれるはず! 実際、デキる女性は、ほとんど無駄な動きがありません。

けれども実際には、電話やメール、同僚とのやりとり、急な案件への対応など、さまざまなことに振り回され、自分の本来の仕事をする時間の確保すら難しい、現状を変えるなんて無理……と思ってしまうもの。

しかし、そこであきらめる必要はありません。実は、時間を上手く使うスキルを高め、時間管理を徹底していくと、ひとつひとつの作業にかかる時間をぐんと短縮できる可能性があります。意識や行動を少し変えるだけで、無駄のない時間の使い方ができるようになるのです!

今回は、メールのコミュニケーション効率化や時間短縮など、業務改善のコンサルティングを手がける平野友朗さんに、仕事を効率化する習慣を伺いました。いずれも、すぐにできることばかり。今日から取り入れて作業のスピードアップを図りましょう。

■1:「衝動の反応」をゼロにする

スマホの通知音はオフにしておく

スマホの通知音が気になってしまう、カレンダーを見てしまう、ネットで検索をしているときに違うページを見てしまう。ある刺激が引き金になり、そのたびに思考が飛び、今考えなくていいことを考え、しなくてもいいことをしてしまう。

こうした「ちょっとくらい」の思考の寄り道(=衝動の反応)が積み重なっていくと、日々、想像以上の時間のロスが生じることになります。やるべきことに集中できないために効率が悪くなり、予定通りに仕事が進まなくなってしまうのです。

「衝動の反応は、日常生活の至るところに潜んでいます。しかも、自覚していないことが多く、無意識に時間の無駄遣いをしていることが大半です」(平野さん)

対策のひとつめは、スマホや卓上カレンダー、付箋など「思考が飛ぶきっかけになるものを、近くに置かない」。衝動の反応をしてしまったときには、「今、衝動の反応をしているな」と意識し、意識できたら「なぜ反応してしまうのか」と原因を探るのです。そして、それらの原因とは距離を置くようにつとめます。

平野さんのデスク写真。CONFIDENTIAL Copyrightⓒ2007-2018 I-communication Inc. All Rights Reserved.

ふたつめは、「無理なく集中できる最小単位を基準に予定を立てる」。例えば、1回に集中できる時間が1時間だとしたら、50分の作業と10分の休憩をセットにします。そして、その時間中はダラダラと作業せず、集中して一気に作業する。そうすることで、能率が格段に上がるといいます。時間を意識するために、タイマーを使うのもよいそうです。

■2:「ウィルパワー」の無駄遣いをしない

「今日はどの服を着ようか」「部下をどう指導するか」―。小さなことから大きなものまで、人は何かを考え、決定するたびに「ウィルパワー(意志力)」を消費しています。

ウィルパワーの消費は、1日のなかでどんどん進みます。すると夕方には判断力が落ちたり、ストレスを感じたり、場合によっては重大な場面で誤った決断を下したりする恐れも。そのため、いかに日々、ウィルパワーの浪費を抑えるかが重要になります。

「ここぞというときに全力を注げるよう、『考える・決めること』と『考えない・決めないこと』を整理しておき、ルール化しましょう。あとはその自分が決めたマイルールに従うだけです」(平野さん)

平野さんは、重大な意思決定は午前中にすると決めているそう。また、日常生活におけるひとつひとつの小さな選択を、極力減らすことでウィルパワーの消費を少なくし、重要な場面で力を発揮できるよう備えているといいます。

例えば、「靴下は1種類にする」「日用品は毎回同じものを買う」「いつも同じメーカーのパソコンを買う」など。選択対象を減らすためのルールを決め、考えたり悩んだり、判断したりする無駄な時間を減らす。そうした工夫がウィルパワーの温存につながり、仕事の成果を上げることにもつながるそうです。

■3:金曜日に動き出さない

何かを始めるときは曜日も意識しよう

平日勤務の方にとっては、金曜日が終われば、土日はお休み。金曜日に動き出すと、次のアクションは月曜日になります。催促をしたくても、「土日は休みだから月曜日に…」となると、間が空くぶんだけ動きが遅くなります。

仕事のスピードを落とすことなく、流れに乗るためには、次のアクション、催促のタイミングも視野に入れるのがポイント。動き出すなら、週の前半がオススメです。

「求める結果がある場合、相手に望むのではなく、その結果に到達できるよう、自分の行動を変えるのがコツ。原因と結果はセット。高速化の足を引っ張っているのは、自分かもしれません」(平野さん)

期限を設けるときも、金曜日は避けましょう。締め切りを超えたときの催促は、間髪をいれずに行うのが効果的。しかし、約束の金曜日に連絡がこなかった場合には、その催促が月曜日になってしまいます。

間が空くと、緊張が弱まります。木曜日を期限にすれば翌日には催促できるので、仕事のスピードを落とさずにすみ、「期限を重視している」という姿勢も示しやすくなります。

■4:波に乗れる時間帯を知る

人によって、1日のうちで最も集中できる時間帯はさまざま。平野さんの場合は、原稿作成などの仕事は夕方より朝のほうが集中できるため、午前中に済ませるそうです。自分に合う時間の使い方を見つけることで、より仕事を効率化できるといいます。

「無駄な行動、重複している行動を減らすには、一気に仕上げるのがポイント。波に乗れる時間帯や場所など、集中力が高まる環境に身を置くのは自分だけにしかできません。ゴールデンタイムをうまく使っていきましょう」(平野さん)

さらに仕事のパフォーマンスを上げるために、あらかじめ予定していた作業の順番や時間を、そのときどきで柔軟に変更し、最も効率よく物事が進められるよう調整していくのだそう。

例えば、作業をしていても気分が乗らないときは、今している作業の後にする予定だった”頭を使わない仕事”に切り替えてみる。逆に、その作業にうまく集中でき、予定より早く進んでいるときは、勢いに乗って先の予定を前倒しして進めてしまう。そうした微調整により、ひとつの仕事を最短で進められるようにするのです。

また、パフォーマンスが落ちているなと思ったら、休憩を取ったり、早めに仕事を切り上げるという判断も大切。気分の波や時間帯による集中力の変化を見極めながら、自分の勝ちパターンを探っていくことが、時間短縮への近道になります。

■5:型にのっとったメールを書く

いちいちメールの構成を考えない

毎日何十通ものメールを読み、返信するという作業には、多くの時間と労力が必要とされます。しかし、メールには決まった「型」があり、構成要素は「宛名」「挨拶」「名乗り」「要旨」「詳細」「結びの挨拶」「署名」の7つのみ。そのため、このパーツを使って機械的にメールを書けば、悩んだり、考えたりする余計な時間を減らすことができます。

「型を身につけることが応用への近道で、高速化の条件。メールが多い、作成に時間がかかるといったメールの問題も、自分のメールの使い方が変わることで解決できることも少なくありません」(平野さん)

社外に送るメールの「宛名」の基本は、「会社名、部署名、フルネーム+様」。相手との距離を見定めながら、「フルネーム+様」を使っていきます。「挨拶」は、「お世話になっております。」「いつも大変お世話になっております。」などを書き分けます。「名乗り」の「〇〇の〇〇です(と申します)」と一緒に単語登録しておくと便利だそう。

「結びの挨拶」は「よろしくお願いいたします。」のほか、「ご検討よろしく~」「ご確認よろしく~」「引き続きよろしく~」「今後ともよろしく~」とパターンを変更。「署名」には、名刺と同程度の情報を自動挿入します。ここまでは、定型文だけで処理できるので、テンプレートをつくっておくのがおすすめ。

イメージはこんな感じです

考える必要があるのは、「要旨」と「詳細」。「要旨」には、これから伝えようとしていること、例えば「打ち合わせの日程についてご連絡いたしました。」「〇〇についてご相談がありご連絡いたしました。」など、要件を簡潔に書きます。「詳細」は、6W3Hなどすべての情報を網羅するようにします。抜けをなくせば、情報不足による相手からの質問を抑えることができ、やりとりの回数を減らせます。

仕事の効率を高めるには、いかに決まった作業をパターン化し、目の前の仕事に集中できる体制を整えるか、というところにヒントがありそうです。ぜひこれらの習慣を取り入れて、時間管理のスキルアップを目指していきましょう。

平野 友朗さん
アイ・コミュニケーション代表取締役
(ひらの ともあき)一般社団法人日本ビジネスメール協会代表理事。ビジネス実践塾主宰。筑波大学卒業後、広告代理店勤務を経て独立。メディア掲載1000回以上、著書26冊のビジネスメール教育の第一人者。メールのマナー、営業力アップ、効率化を中心に官公庁や企業などでのコンサルティングや講演・研修は年間120回を超える。ビジネス実践塾を主宰し、小規模事業者にマーケティングやブランディングのノウハウを提供している。メールマガジン『平野友朗の思考・実践メルマガ【毎日0.1%の成長】』を発行。
仕事を高速化する「時間割」の作り方 平野友朗・著 プレジデント社刊
この記事の執筆者
Precious.jp編集部は、使える実用的なラグジュアリー情報をお届けするデジタル&エディトリアル集団です。ファッション、美容、お出かけ、ライフスタイル、カルチャー、ブランドなどの厳選された情報を、ていねいな解説と上質で美しいビジュアルでお伝えします。
WRITING :
小野寺るりこ
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