雑誌『Precious』では「My Action for SDGs 続ける未来のために、私がしていること」と題して、持続可能なよりよい世界を目指す人たちの活動に注目し、連載しています。

今回は、「Kanatta」代表取締役社長 井口 恵さんの活動をご紹介します。

井口 恵さん
「Kanatta」代表取締役社長
(いぐち めぐみ)公認会計士やファッション業界でのキャリア形成時に、管理職に女性が少ないことに疑問を覚え起業。ドローンや宇宙事業での女性活躍を後押しするために多岐にわたり活動中。

ドローンや宇宙…新たな分野で活躍する女性を増やしたい

SDGsが国連サミットで定められた翌年の'16年、井口さんは「ジェンダー平等の実現」をビジョンに掲げ、満を持して創業した。

これまでのキャリアを生かしての独立ではなく、自らもゼロから学び直した小型無人機=ドローンを使っての事業だ。ドローンは、今後マーケットの成長も見込めること、かつ男性パイロットが多くを占めるため、女性従事者を増やしたいと考えたことがきっかけだった。

「ドローン業界で働く人は8割が男性。ところが操縦はスマホひとつででき、女性に不利な体力仕事でもない。この分野なら女性活躍を促進できると思ったんです」

井口さんの会社では、女性パイロットを育成、ドローンの魅力を発信する「ドローンジョプラス」を主宰し、ドローンに触れるイベントなども開催。彼女たちは現場の調査や屋根の修理の際の点検など、建物の空撮、農薬散布や物流の実験を行うなど仕事は多岐にわたる。

女性活躍を推進する企業からのオファーが多いことも強みで、「ドローンジョプラス」はこの数年で業界内では名の知れた存在になった。

そして一昨年からはドローンに加え、今後多くの民間事業が参入し成長が予想できる、宇宙に関連する仕事にも着目。コミュニティ「コスモ女子」を結成し、関連企業とのコラボ活動も精力的に行う。

「私は、ドローンにも宇宙にもいわば素人同然です(笑)。ですが、活動の規模が大きくなりクライアントが増えることは、当社の理念であるジェンダー平等の達成に近づいている証。そこにやりがいを感じます。近い将来、海外進出も考えています。ジェンダー問題は世界の課題でもありますから」

【SDGsの現場から】

●子供たちが楽しみながらできるプログラミング教室

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ドローンは今後自動操縦になることを見越し、子供向けプログラミング教室も開催している。

●コスモ女子が集結!「宇宙を身近な存在」をテーマに活動

インタビュー_2,サステナブル_2,社会貢献_2
専門家を招いた勉強会やイベントを開催。来年度には、人工衛星打ち上げのプロジェクトも。

※ドローン事業とは…ビジネス分野での活用が期待されているドロ ーン事業。政府の取り組みをまとめた「空の産業革命に向けたロードマップ2022」も策定。

PHOTO :
篠原宏明
EDIT :
正木 爽(HATSU)、喜多容子(Precious)
取材・文 :
大庭典子