「留処」ってなんと読む?「りゅうしょ」ではありませんよ!
明日・11月12日は『留学の日』という記念日に制定されています。1871(明治4)年のこの日、山川捨松、津田梅子など、日本初の女性の国費留学生5人が、岩倉使節団とともに留学先のアメリカへ出発したことにちなんで、一般社団法人海外留学協議会が制定した記念日になります。歴史的には、長い間、男尊女卑の感覚が根強かった日本で、男性だけでなく女性にも機会が与えられたこの日を、同協議会は「留学が本格的に日本人に開放された象徴的な日」としています。
本日は「留」という字の入った日本語クイズをお送りします。
【問題1】「留処」ってなんと読む?
「留処」という日本語の正しい読み方をお答えください。
ヒント:「とどめるところ。終わり。限り。際限」などの意味をもつ言葉です。
<使用例>
「昨年亡くなった猫ちゃんのことを考えると、今でも涙の留処がなくなってしまうの」
…さて、正解は?
※「?」画像をスクロールすると、正解が出てまいります。
正解は… 留処(とめど) です。
「留処(とめど)ない」「留処(とめど)なく」など、あとに否定の言葉がつく形だと、正解をイメージしやすかったかもしれませんね。「留」という字は「とまる」「とどまる」「とめる」「とどめる」などの意味を持っています。
さて、2問目にまいりましょう。
【問題2】「留男」ってなんと読む?
「留男」という日本語の正しい読み方をお答えください。
ヒント:「(芝居などで)けんかの仲裁に入る男性」、または、昔の「宿屋の客引きをする男性」などの意味を持つ言葉です。
<使用例>
「あの屈強なふたりの留男をするには、悪いけど彼では役不足じゃない?」
…さて、正解は?
※「?」画像をスクロールすると、正解が出てまいります。
正解は… 留男(とめおとこ)です。
「留男(とめおとこ)」…読み方も「そのままじゃない!」と言いたくなってしまいそうですし(笑)、このような日本語があること自体、おもしろいですね。「火事とけんかは江戸の華」という言葉があるように、「けんか」は、昔の市井では、「このけんかのゆくえはどうなるの?」「どんな方向に落ち着くの?」など、興味をそそられる、娯楽的な一面もあったのかもしれません。その仲裁役をする人には、それなりの腕っぷしの強さや、機転が期待されたのかもしれませんね。ちなみに性別を限定しない「けんかの仲裁をする人」という意味の言葉で「留役(とめやく)」というのもございます。
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本日は、11月12日『留学の日』のトリビアと、「留」という字の入った日本語から、
・留処(とめど)
・留男(とめおとこ)
の読み方をおさらいいたしました。
- TEXT :
- Precious.jp編集部
- BY :
- 参考資料:『精選版日本国語大辞典』『デジタル大辞泉』(株式会社小学館)/一般社団法人日本記念日協会ウェブサイト/『漢字ペディア』(公益財団法人日本漢字能力検定協会)/一般社団法人海外留学協議会ウェブサイト
- ILLUSTRATION :
- 小出 真朱