雑誌『Precious』12月号では、【新「ウェルネス・ビューティ」な京都美容旅】と題し、ビューティ エディターの安倍佐和子さん取材による特集をお届けしています。

今回はそのなかから「身土不二」の精神が宿る名店にフォーカス。京都市内でも貴重な天然水を使用した京懐石が味わえる「木山(キヤマ)」についてご紹介していきます。

「身土不二」。土と水にこだわる京の恵みを食し、美しく整う

真のウェルネスへと導いてくれる「身土不二」の教えは、食の都、京都においてはけっして新しいものではありません。むしろ、古来より大切に受け継がれてきたもの。京野菜や京料理など、先人たちの健やかに生きる知恵は、日々の暮らしのなかに深く根付いています。

地産地消を尊ぶ人をLOCAVORE(ロカヴォア)と呼びますが、リトリートのフィナーレは、「身土不二」の精神が宿る名店の数々で、LOCAVORE体験を。地元で収穫した新鮮な旬の食材を、シンプルかつ最大限にうま味を引き出す薪火料理や発酵、そして日本が誇る京のだし文化を陰で支える地下水にもこだわって。

生きる糧である「食」を通して、肌と心に健やかな調和をもたらすウェルネスの真価に触れ、しなやかな美しさを取り戻すひとときを。

安倍 佐和子さん
ビューティ エディター
(あべ さわこ)化粧品会社、出版社勤務を経て独立。女性誌、広告、化粧品マーケティング等で幅広く活躍。認定ホメオパスの資格を有し、フィトテラピーアドバイザーのスキルも。著書に『人と比べない美人力の磨き方』(講談社)がある。

木山(キヤマ)|だし文化を育む京の名水でマインドフルネスを味わう

京都の「木山」店内
日本の伝統美さえ感じる、店主の木山義朗氏自らが鰹節を削る姿。鰹節もまた日本が誇る発酵食品のひとつ。「木山」では下ごしらえされた荒節、本枯れ節など3種をブレンドしてだしをとる。店内には掛け軸や生花など、四季を感じさせるエスプリがすみずみまで。

主役はだしと言いきるほど、京の水にこだわる「木山」。硬度わずか26mg/L、ご縁が繋がり、店の庭に井戸を採掘。京都市内でも貴重な天然水の恩恵にあずかれる「木山」の京懐石は、最初に白湯、メインディッシュがお椀、最後にお抹茶という「水で始まり、水で終わる」コースです。

京都の「木山」で使われる鰹節
左/鰹節の削りは匠の業。上手に削れるようになるまで数年かかるとも。右/一度で削る鰹節は7〜8人前、想像以上の量!

厳選された鰹節をブレンドしながらゲストの目の前で削り上げ、井戸水でとるだしは、細胞にしみ渡るような美味しさ。誰しも身心がほっとゆるみ、洗い清められるかのようなマインドフルネスを体感できます。

京都の「木山」で使われる鰹節
左/一番だしをとる作業も芸術的。瞬間に立ち上る芳しいだしの香りに、惹きつけられてしまう。右/秋から冬にかけてのコースのメイン、れんこんと蟹饅頭のみぞれ碗はお椀の中に小さな宇宙が広がっているかのよう。
京都の「木山」で提供される伊勢海老の幽庵焼き
伊勢海老の幽庵焼きは香茸のあんの香りが食欲をそそります。●ランチ¥14,520〜、ディナー¥30,250〜

「木山」の井戸水は年2回の検査を受け、水質も確か。水が育む食文化からウェルネスの本質を探る、特別なひとときが約束されています。


問い合わせ先

  • 木山
  • 食文化を左右する水と、節にこだわる京懐石の名店。庭に良質な地下水をもち、白湯や椀、ゲストの前で削る鰹節による上質なだし料理がシグネチャー。
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  • 営業時間/12:00~15:00(LO13:00)、18:00~22:00(LO19:00) 
    休日/不定休
  • TEL:075-256-4460
  • 住所/京都府京都市中京区絹屋町136 ヴェルドール御所1F

PHOTO :
小池紀行(CASK)
EDIT :
五十嵐享子(Precious)
取材・文 :
安倍佐和子(ビューティ エディター)
コーディネート :
天野準子