「貴社の製品に関心があります」「新プロジェクトに興味があります」など、ビジネスシーンでは「その件についてとても興味がある」ということの意思表示はとても大切です。「興味津々」であることをアピールするのは、新たなビジネスチャンスやスキルアップにつながるかも! 今回はこの「興味津々」という四字熟語について解説します。
【目次】
【「興味津々」と「 興味深々」どっちが正解? 】
■正解は「興味津々」です
「きょうみしんしん」の漢字表記は「興味津々」です。「興味津津」と書いても正解ですが、一般的には「興味津々」が使われています。
■「津々」とは
『日本国語大辞典』によると、「津々(津津)」は「溢れ出るさま、絶えず湧き出るさま」を表す単語。
■「深々」とは
「深々(深深)」も「しんしん」と読みますが、「奥深く静寂なさま、ひっそりと静まりかえっているさま、寒さや痛みなどが身に深く沁みとおるさま」を表す別の言葉です。「夜は深々とふけ渡る」「雪が深々と降る」などと使い、「興味深々」という熟語はありません。
【「興味津々」の意味と由来】
■意味
「興味津々」は「非常に興味が感じられるさま」「興味が絶えず湧き出て尽きないさま」という意味。ビッグマウス的にも感じますが、「その話、興味津々です! もっと聞かせてください」と言われて悪い気はしないでしょう。
■由来
「津」という漢字は、もともと「船着き場」を表します。また、「銀河」、交通や軍事の「要所」などのほか、「しみ出る」という意味も。その漢字を重ねて「津々」として「溢れ出るさま」「湧き出るさま」を表しています。
■漢字の覚え方
「興味津々」を「興味深々」と間違えないようにするには、「興味が湧き出る→興味という水が湧き出る→水のイメージ→津々」と連想すると、覚えやすのではないでしょうか。
【「興味津々」はこんなふうに使う!「例文」3選】
■1:「来月赴任する新しい部長に、みんな興味津々だ」
■2:「前評判のいい新製品発表会に、興味津々で出かけた」
■3:「興味津々の野次馬が押し寄せて、一時騒然となった」
【ビジネスユースの「類語」や「言い換え」】
「興味津々」は漢字を間違えやすい四字熟語と解説しましたが、ビジネスシーンで「興味津々です」のように使う機会は多くないのでは? “大人の語彙力”を磨いている皆さんには、少々稚拙な表現かもしれませんね。
しかし、相手に「その話、興味あります!」と表現することは大切です。そこで、“デキる大人の表現”として、類語や言い換えをご紹介しましょう。
■「興味津々」の類語
・興味が尽きない ・興味深い ・好奇心旺盛 ・好奇心が強い
■「そのお話に興味津々です」の言い換え例文
・「そのお話に大変(非常に/とても)興味があります」
・「そのお話、詳しく(もっと)聞かせてください」
・「そのお話、改めてお時間いただきうかがわせてください」
【ほかにも!漢字を間違えやすい四字熟語】
「興味津々」同様、同じ漢字を重ねて使う四字熟語はいろいろありますが…間違っていないか確認してみてください。
・いきようよう→ 〇意気揚々 ×意気洋々
・ぜんとようよう→ 〇前途洋々 ×前途揚々
・わきあいあい→ 〇和気藹々 ×和気会々 ※「和気あいあい」と表記されることが多い。
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手書きの機会は少なくなりましたが、キーボードの漢字変換によるミスは起こりがち。特に熟語は間違えやすいのでご注意を。意気揚々と使った四字熟語の漢字が間違っていた…は、恥ずかしいものです。
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- Precious.jp編集部
- 参考資料:『日本国語大辞典』(小学館)/『新選漢和辞典 Web版』小学館/『今日から役に立つ! 使える「語彙力」2726』(西東社)/『決定版 すぐに使える! 教養の「語彙力」3240』(西東社) :