「襖絵」ってなんと読む?どんな絵?

明日・11月30日『絵本の日』。日付けは、近代絵本のさきがけとなる考え方を示した瀬田貞二の『絵本論』(福音館)の初版が発行された1985年の11月30日にちなんでいます。そして、この日には「作家、出版社、書店、読者とともに絵本の魅力を伝え、絵本をとおしてこどもたちの感性を育て、個人と社会を結び、その教育的、文化的、社会的な活動を広めていく」ことが目的に掲げられています。

みなさま、今でもお持ちの絵本はあるでしょうか? 絵本は、大人になって読み返しても味わい深いような、普遍的な物語もあれば、昨今の子どもたちに内容を訴求しやすい、まさに「いまどき」な感覚を表現したものもございます。書店や図書館で改めて手に取ってみると、意外な発見があるかもしれません。

本日は「絵」という字の入った日本語クイズをお送りします。

【問題1】「襖絵」ってなんと読む?

「襖絵」という日本語の正しい読み方をお答えください。

ヒント:和室でおなじみのあるものに描かれた絵のことです。

<使用例>

「今年、年越しを過ごした老舗旅館のお部屋の襖絵が見事で、思わず写真を撮ったのよ」

読み仮名4文字です。
読み仮名4文字です。

…さて、正解は?

※「?」画像をスクロールすると、正解が出てまいります。

正解は↓に‼
正解は↓に‼

正解は… 襖絵(ふすまえ)です。

「襖(ふすま)」、読めたでしょうか?
「襖(ふすま)」、読めたでしょうか?

「襖(ふすま)」は皆さまご存じの通り、和室の、引き戸状の建具です。ここに描かれた絵、一般の賃貸物件などですと、入居者が変われば襖紙(ふすまがみ)ごと張り替えする…という軽いイメージがございますが、古くからの重厚な日本建築ですと、襖に描かれた絵そのものが芸術品として成立していることもしばしばです。例えば、京都・大徳寺の聚光院では、46面ある「襖絵(ふすまえ)」の全てが国宝に指定されています。年末年始は、日本建築に触れる機会も出てきそうですので、「襖絵(ふすまえ)」という独立した日本語が存在していることを含めておさらいしてみました。

では2問目にまいりましょう。

【問題2】「濃絵」ってなんと読む?

「濃絵」という日本語の正しい読み方をお答えください。

ヒント:日本画の画法のひとつです。

<使用例>

「私は日本画の中でも、重厚な濃絵が好きなの」

読み仮名3文字です。
読み仮名3文字です。

…さて、正解は?

※「?」画像をスクロールすると、正解が出てまいります。

正解は↓に‼
正解は↓に‼

正解は… 濃絵(だみえ)です。

「彩絵(だみえ)」「淡絵(だみえ)」とも表記します。

「濃絵(だみえ)」と呼ばれる日本画は、

近代では「天然の鉱物を細粉して作られる岩絵具を厚めに重ねて描かれた濃彩画」を指しますが、特に「安土桃山時代に見られる金色や銀色などの極彩色が用いられた豪華絢爛な金碧障壁画」を指す場合もあります。美術館や料亭、旅館などで「濃絵/彩絵/淡絵」という表記を見かけた場合は、「だみえ」という読み方、ぜひ思い出してくださいね。

*** 

本日は、11月30日『絵本の日』にちなんで、「絵」という字の入った日本語から、 

・襖絵(ふすまえ)

・濃絵(だみえ)

についておさらいいたしました。

この記事の執筆者
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Precious.jp編集部 
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参考資料:『精選版日本国語大辞典』『デジタル大辞泉』『日本大百科全書(ニッポニカ)』(株式会社小学館)/『ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典』(ブリタニカ・ジャパン株式会社)/一般社団法人日本記念日協会ウェブサイト/Japaaanウェブサイト/鍋島藩窯百撰ウェブサイト
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ILLUSTRATION :
小出 真朱