イタリア・フランチャコルタ協会日本事務局主催のプロフェッショナル向けのイベント「Franciacorta Day 2022」が2022年11月開催されました。

イタリアのロンバルディア州の中央部に位置する地域で生産されるフランチャコルタ。氷河に削り取られた岩石などが土手のように堆積したこの地域は、豊富なミネラルを含みブドウ栽培に古くから最適な地とされています。ローマ時代から既に栽培されていたこの地域のブドウは、20世紀に本格的なフランチャコルタに。産地として、瓶内二次発酵方式で造られるイタリアワインとして、有名になりました。

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駐日イタリア大使:ジャンルイジ・ベネデッティ氏(左)と「カ・デル・ボスコ」社長兼フランチャコルタ協会副会長:マウリツィオ・ザネッラ氏(右)も来日。

コロナ禍で長らく開催が難しかった本イベント。会場には数多くの ワイナリーからのフランチャコルタが集結。本記事では、それぞれの特徴に合わせたお勧めの一杯をご案内します。

フランチャコルタデーで出会った…2023年マークしたいワインは

■1「カ・デル・ボスコ」

 

マウリツィオ・ザネッラ氏率いるフランチャコルタのトップランナー「カ・デル・ボスコ」。言わずと知れた東京の数々の名イタリアンレストランでもおなじみの銘品。
今回は右のCuvée Prestige Edizione 45と左のVintage Collection Dosage Zéro R.S.2008 が会場に。

Cuvée Prestige Edizione 45は「カ・デル・ボスコ」を代表する1本。麦わら色の美しいイエローできらきらとした輝きと泡が特徴。「Precious」でおなじみのイタリアラグジュアリーブランドでもパーティの席でも出会う銘柄です。ミラノのサッカーチームACミランが優勝時に祝杯用にも使われたとか。
このCuvée Prestige Edizione 45 はきらめきがより際立つボトルに遮光のためのオレンジ色のUVカットシートに包まれています。
一方のVintage Collection Dosage Zéro R.S.2008 はその名の通り“Dosage Zéro (製造工程にて加糖なし)”の辛口。またR.S.(R.S. = Recentemente Sboccato)が示すように、“最近デゴルジュマン(瓶内の澱抜き)した”という意味。フレッシュさと共に機敏さ、キリリとした輪郭で冬の食卓にも合いそうです。

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■2:「ミラベッラ」

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近年では、そのリーズナブルな価格とカジュアルさで、成城石井をはじめとするスーパーマーケットでも見受けられるフランチャコルタ「ミラベッラ」。ブルーのエチケットは、 Franciacorta satèn Brut。サテンとはシャルドネやピノ・ビアンコなどの白ぶどうのみで作られる、シャンパーニュでいうブラン・ド・ブラン。フランチャコルタにしかないカテゴリーで、5気圧未満のガス圧で作られるため、口当たりの良いサテン地のようなスムーズな味わいが特徴です。蜂蜜やバナナのような香りとともに、繊細なパンのイーストのような香りも感じられます。手前のMirabella Franciacorta EDEA Blanc de Blancs Brutは、シャルドネ80%にピノ・ビアンコが20%ブレンドされた、ブラン・ド・ブラン。程よい酸味をが心地よいスッキリしてバランスがとれた味わいです。

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■3:「マイオリーニ」

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マイオリーニの“M”が会場でもひときわ印象的なワイナリー。フランチャコルタの北東部の街オーメに、マイオリーニのワイナリーがあります。 メドーロと呼ばれる純粋な石灰岩質の地層が、この地に生育するブドウに豊富なミネラルを与え、いきいきと生命力に富んだワインを産出。元々の名前の由来は、土着の黒ブドウ“マイオリーナ”から来たのだとか。
会場には、イエローのラベルのフランチャコルタ・ブリュットNV Mラベルが。まず立ちのぼる、爽やかな黄色いリンゴを思わせる香りが印象的な一本。淡いゴールドの色調、きわめて優雅な細かい泡立ち、飲み口はドライ。柑橘の爽やかさの後は、きちんとしたミネラル感も。パスタやリゾットと合わせたブランチにもお勧めです。
一方の、陽光やトロピカルフルーツを思わせるオレンジのラベルのフランチャコルタ・パドセは、シャルドネ100%に加糖をしないノンドサージュの辛口。カリッ、パリッとした食感によく合うのでフリットや天ぷらにぜひ。この爽快感を味わってみてください。

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■4:「ベルルッキ グイド」

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フランチャコルタのパイオニアとも呼べる「ベルルッキ」。1961年に醸造家フランコ・ジリ アーニ氏が貴族のグイド・ベルルッキとともにこの地方で初めて、瓶内二次発酵(トラディショナル製法)でスパークリングワイン「フランチャコルタ」を醸造したのこの銘柄。
「フランチャコルタの奇跡」と呼ばれるほど、イタ リアでは高級ワインの名声を得て高く評価されています。イタリアのグルメガイド『ガンベロ・ロッソ』誌でもイタリア全16万件のワイナリーの中から、“winery of the year2022”を獲得しています。
今回会場で秀逸だった一本は、berlucchi '61 de satèn。シャルドネ100%のサテンは、キメ細かくクリーミーな泡が持続。トロピカルフルーツから砂糖漬けの柑橘系の香りへ移行するさまは、本当に豊潤でエレガント。アペリティフから、寿司や天ぷらなどの日本食とのペアリングもぜひ。

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■5:「ベラヴィスタ」

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ベラヴィスタは、フランチャコルタを牽引してきたビッグネームのひとつ。ミラノ・スカラ座の公式サプライヤーにも選ばれています。フランチャコルタの全生産地のうち7%を占める約200haにも及ぶ広大な自社畑を所有しています。優雅でモダンなアーティスティックなボトルデザインからもその自信のほどが。

今回彼らが持ち込んだのは、オレンジ色のエチケットが印象的な、ワイナリーを代表するフランチャコルタ・グランデ・キュヴェ・アルマ・ブリュット。ベラヴィスタの最もスタンダードなキュヴェです。“アルマ”は“愛情がこもった”という意味だそう。約70種以上ものワインを巧みに組み合わせたテロワールを活かした味わいとする、ワイナリーならではの技術の粋がここに詰まっています。泡、果実味、美しい酸…とバランスの良さは抜群。

また一方の、フランチャコルタ・グランデ・キュヴェ・アルマ・ノン・ドサートは、生成過程で加糖がされていない辛口。2019年にリリースされてからいきなり、『ガンベロロッソ』で賞を獲得するなど、キレとバランスよさで高い評価を得ています。

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■6:「バローネ ピッツィーニ」

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1870年から長い歴史をもつワイナリーのバローネ・ピッツィーニ。近年ではオーガニック認証をすべての畑で取得、環境にも配慮したワイン造りで知られています。
また、フランチャコルタでゴルフ場をピッツィーニ家が設立したことを記念して“フランチャコルタブリュットゴルフ”とその名を冠したワインも有名です。

今回は、フランチャコルタ DOCG ブリュット アニマンテ NV と フランチャコルタ DOCG ロゼが会場にお目見え。
フランチャコルタ DOCG ブリュット アニマンテ NVは高い酸味と糖度が特徴の古代自生のブドウの品種である“エルバマット”を使用した初のフランチャコルタ。フランチャコルタの歴史を切り開いてきたワイナリーならではの、自信作だそう。“アニマンテ”はアニマ(=魂)を表すネーミング。20か月以上の瓶熟成を経て出荷された味わいは、はちみつや、アプリコット、ドライフルーツなどのフローラルさとクリーミーさが。

またピノ・ネロ80%のロゼは、ブルーベリーやスグリ、バラの花びらのようなリッチなアロマ。ぜひその香りを体感してみてください。

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■7:「ヴィッラ フランチャコルタ」


 

自社畑100%ビオのフランチャコルタがこの「ヴィッラ フランチャコルタ」の特徴です。小さな家族経営のワイナリーは、東フランチャコルタに位置しています。香りを大切に、ピノ・ビアンコを多めにアッサンブラージュしています。

特にロゼのFranciacorta Brut Rose “Boke”は印象的。80%がモストのみのピノ・ネロ、20%が10日間マセラシオンした赤ワインのピノ・ネロで36か月もの長さで熟成されています。“ボケ”という名前は赤い珊瑚を意味するイタリア語。その名の通り透かして見ると美しさ際立つロゼです。

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■8:ラ・モンティーナ

 

 

葡萄の圧搾にはイタリア国内でも珍しい垂直式圧搾機を使用する伝統的な手法で造られたフランチャコルタ。

ワイナリーを代表する、FRANCIACORTA BRUTは、フレッシュな洋梨やフローラルな香りに溢れ、きめ細やかな泡がはじける爽快感が。ピュアな果実味がバランスが良く、洗練された味わいに。

一方のFRANCIACORTA ROSE DEMI SEC はピンク色のエチケットのイメージそのままに、チャーミングでフルーティ。フランチャコルタならではの酸味が甘すぎず、飲み心地のよいまさに“中辛口”なロゼに仕上がっています。

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問い合わせ先

フランチャコルタ協会日本事務局

MAIL:info.japan@franciacorta.net

この記事の執筆者
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