「花押」ってなんと読む?「はなおし」ではありません!
明日・12月12日は『ダズンローズデー』です。「ダズンローズ」は「12本のバラの花束」を意味する言葉で、ヨーロッパのプロポーズに関連する風習にもとづいています。12本の薔薇にはそれぞれ、感謝・誠実・幸福・信頼・希望・愛情・情熱・真実・尊敬・栄光・努力…の意味が込められており、最近では、結婚式での演出としても人気を集めているとか。12月12日を「ダズンローズデー」に、と提唱したのは、ブライダルファッションデザイナーの桂由美さん、健康アドバイザーの内田和子さんらで、年末のこの日、パートナーにダズンローズを送って、ぜひ愛情を伝えましょう…とすすめられています。せわしない時期ですので、こうしたロマンティックな風習を借りて、ふだん言葉で感謝を伝えにくい大切な人をねぎらう…というのも、すてきだと思いますよ。
本日は「花」という字の入った日本語クイズをお送りします。
【問題1】「花押」ってなんと読む?
「花押」という日本語の正しい読み方をお答えください。
ヒント:「書判(かきはん)」とも言い、日本古来の「文書の署名代わりに使用する、その人独自の、統一デザインによるサイン」のことです。
<使用例>
「この石碑には、武将の家紋と花押が刻まれているのね」
…さて、正解は?
※「?」画像をスクロールすると、正解が出てまいります。
正解は… 花押(かおう)です。
「花押(かおう)」は日本古来の「署名」とともに文書に記すサインです。その人の名前に関わる字を美しく図案化するので、「美しいもの」というニュアンスで「花」の字が入っているのかもしれません。昨今では、この「花押(かおう)」に注目し、その人だけのデザインやスタンプ作成などを請け負う業者が出てきているようです。書類の電子化が進む昨今、印章業は打撃を受けそうですが、「花押(かおう)」のような日本古来の文化を、みなが愛し楽しむ…という形が新たな活路となると、とてもすてきですね。
さて、2問目にまいりましょう。
【問題2】「花蕊」ってなんと読む?
「花蕊」という日本語の正しい読み方をお答えください。
ヒント:「花のおしべとめしべの総称」です。
<使用例>
「このバラはよく開くと花蕊まで見えて、美しいというよりかわいらしいイメージです」
…さて、正解は?
※「?」画像をスクロールすると、正解が出てまいります。
正解は… 花蕊(かずい/はなしべ)です。
「蕊」は「しべ」「ズイ」と読みます。「心」が3つも重なるこの字、「とっても大切な部分」をよく表現していますね。年末年始は式典などでお花を扱う機会も多いと思いますが、百合など、届いたあとでの花粉の処理が必要な際、「めしべを処理しましょう」と言うより、「花粉が散らないように、花蕊(かずい)を処理しましょう」と表現できたほうが、さりげなくも大人らしい表現になりますね。
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本日は、12月12日『ダズンローズデー』にちなんで、「花」という字の入った日本語から、
・花押(かおう)
・花蕊(かずい/はなしべ)
の読み方をおさらいいたしました。
- TEXT :
- Precious.jp編集部
- BY :
- 参考資料:photoAC/『精選版日本国語大辞典』『デジタル大辞泉』(株式会社小学館)/一般社団法人日本記念日協会ウェブサイト/『漢字ペディア』(公益財団法人日本漢字能力検定協会)/一般社団法人日本花押協会ウェブサイト/足利花押ウェブサイト
- ILLUSTRATION :
- 小出 真朱