今、20代の部下を持つ、30~40代の女性リーダーの方は、どのようなお悩みを持っていますか? 部下たちの少し理解できない行動や言動に直面すると、「今どきの若手社員は…」と愚痴りたくなっているかもしれません。

そんなときには、「今どきの…」と言わずに生産性を上げるためにも、まず若手社員の傾向を押さえ、どのように指導していけばいいのか、その解決策を考えていきましょう。

作業中の若い男性
作業中の若い男性

今どきの若手社員の傾向

まずは若手社員の傾向から知っておきましょう。よくいわれるのが、今の20代は「ゆとり世代」に相当するということです。

●「バブル世代」1965年~1970年生まれ(2018年時点で48~53歳)

●「ロスジェネ」1970年~1982年生まれ(2018年時点で36~48歳)

●「ゆとり世代」1987年~2004年生まれ(2018年時点で14~31歳)

ゆとり世代とは、学習指導要領の中の「ゆとり教育」を受けた世代で、幼少時代からインターネットが存在していたのが特徴です。

そして世間一般に、ゆとり世代の特徴としてよくいわれるのが、「打たれ弱い」「主体性がない」「消極的でやる気が低い」といったことです。上司がちょっと強い口調でものを言うと「すぐに退職を考える」といった傾向もあるともいわれています。

また、毎年、公益財団法人 日本生産性本部が発表している「新入社員の特徴とタイプ」によると、平成29年度は「キャラクター捕獲ゲーム型」というタイプで、「はじめは熱中して取り組むが、飽きやすい傾向も(早期離職)ある」と特徴づけられています。

研修開発担当者に聞く!若手の傾向は?

この「ゆとり世代」に相当する若手社員の特徴をさらに知るべく、現場の声を探ってみましょう。

今回は、社会人研修を中心に、社会課題解決サービスを提供する株式会社インソースの担当者さんに、若手社員の傾向や指導のポイントを伺いました。

今の若手社員には、次の4つの傾向があるそうです。

■A:まじめで素直

「新人研修に登壇した講師からよく聞かれたワードです。本来、いい意味のはずの言葉ですが、ここでは残念な意味合いです。言ったことはしっかりとまじめにやってくれるものの、言わないとまったくしないといったところがあるようです」

■B:打たれ弱い

「叱られた経験が少ない(無い)からか、こちらが思うよりも落ち込んだり、ショックを受けていたりするようです」

■C:合理性を重視

「自分で考えたり、手を動かしたりというよりも、正解に最短距離でたどり着くことを求める傾向があるようです。すぐに検索しようとするところもあります」

■D:他者と競争する意識が低め

「意欲そのものが低いわけではないのですが、他者と競争する意識は高くなく、同期は『ライバル<仲間』という傾向があります」


女性リーダーが知っておきたい今どき若手社員の指導法5つ

そこで研修開発担当者さんに、女性リーダーがすぐに実践できる今どき若手社員の指導法を5つ挙げていただきました!

資料を用意する若い男性
資料を用意する若い男性

■1:どんな仕事も、本当にやりたい仕事につながることを意識させる

「希望した仕事に携われないと、すぐに転職を考え始めることに対しては、本当にやりたい仕事とのつながりを意識させ、仕事の意義を理解させることがポイントです。例えば、雑用をやりたくないというのであれば、一緒に工程を細分化し、それぞれの意義を考えてみましょう。やりたい仕事とのつながりに気づけ、モチベーション向上が期待できます」

■2:挫折を経験させ免疫をつけさせる

「自信家のわりに、すぐに挫折してくじけることに対しては、早い段階で、小さな挫折を経験させることで免疫をつけさせることです。また、リーダー自身が挫折した経験を話し、『たいしたことではない』と考えを切り替えられるように促すのもポイントです」

■3:失敗しても怒らないと約束してチャレンジさせる

「失敗することを極度に恐れることに対しては、失敗してもいい、怒らないことを約束した上で、チャレンジさせることがポイントです」

■4:ほかのメンバーがどう思うか?を想像させる

「忙しい時期に残業を拒否し、有休を取ろうとするなどの自分本位な行動に対しては、他のメンバーがどう思うかを想像してもらう、公私をうまく両立させる方法を考えさせることなどがあります」

■5:途中経過を報告させて次のアクションを考えさせる

「やり方も含めて若手社員に任せると、途中で手が止まってしまうこともあるでしょう。その場合は任せっきりにせず、途中経過を報告させ、ヒントを与えながら次のアクションを考えさせるといったことも大切です」

上司にとっては「当たり前」のことであっても、若手社員にとっては迷うこともあります。ひとつずつ細かく丁寧に見てあげる、指導してあげることがポイントといえそうです。

取材協力
株式会社インソース
廉価で高品質な研修を年間17,182回(2016年10月~2017年9月)実施。今後は採用支援サービス「らしく」を大きく展開。
http://www.insource.co.jp/
この記事の執筆者
Precious.jp編集部は、使える実用的なラグジュアリー情報をお届けするデジタル&エディトリアル集団です。ファッション、美容、お出かけ、ライフスタイル、カルチャー、ブランドなどの厳選された情報を、ていねいな解説と上質で美しいビジュアルでお伝えします。
WRITING :
石原亜香利