誤読注意!「偉丈夫」ってなんと読む?「えらじょうぶ」ではありません!
明日・12月23日は、東京のランドマークのひとつ『東京タワー』が完成した日です。1958 (昭和33)年の完成当時は、333mのこの電波塔は、世界でもっとも高い建物として、日本の建築技術の高さを世界に知らしめたシンボルでもありました。現在は電波塔としての役目を東京スカイツリーに移譲しておりますが、観光名所としての人気は健在ですよね。この年末も、前衛芸術家の第一人者・草間彌生さんと『ルイ・ヴィトン』のコラボ・インスタレーションの舞台となっており、港区のプリンス芝公園に設置されたアート・オブジェのバックに、『ルイ・ヴィトン』のロゴマークがライトアップされた東京タワーが大変映える夜景だということで話題になっています。
ということで本日は、東京タワーの高さ333mにちなんで、3文字熟語の日本語クイズをお送りします。
【問題1】「偉丈夫」ってなんと読む?
「偉丈夫」という日本語の正しい読み方をお答えください。
ヒント:男性に対する誉め言葉で、「立派な体躯の男性。また、人格のすぐれている男性」を意味する言葉です。
<使用例>
「先日、ご子息さまをお見かけしましたが、すばらしい偉丈夫でいらっしゃいますね」
…さて、正解は?
※「?」画像をスクロールすると、正解が出てまいります。
正解は… 偉丈夫(いじょうぶ/いじょうふ)です。
「偉丈夫(いじょうぶ/いじょうふ)」は、男性の誉め言葉の定番のひとつですが、先日、恐らくこの言葉を誤読した方が「えらじょうぶ」とおっしゃるシーンに遭遇しました。誉め言葉のバリエーションは大いに越したことがございませんが、間違った言葉を使っては台無しですね。「偉丈夫(いじょうぶ/いじょうふ)」、正確に覚えて使いこなしたい言葉です。
さて、2問目にまいりましょう。
【問題2】「埴猪口」ってなんと読む?
「埴猪口」という日本語の正しい読み方をお答えください。
ヒント:「未熟な人や役に立たない人をあざけって言う言葉」です。
<使用例>
「私、よくしっかり者に見られるけれど、意外と埴猪口なのよ…」
…さて、正解は?
※「?」画像をスクロールすると、正解が出てまいります。
正解は… 埴猪口(へなちょこ)です。
「埴猪口(へなちょこ)」の語源は「埴土(へなつち…ねばりけのある黒い土)」で作った、粗末な「猪口(ちょこ…日本酒用の酒器)」を意味している、という説が有力です。お猪口と言えば、宴席では立派な絵や金彩のほどこされた徳利(とっくり)と対で、その美しさも、お酒とともに楽しもう…という趣向もございます。土を焼いただけのシンプルな「埴猪口(へなちょこ)」ではふさわしくない、というシーンもあるでしょう。そのような、無粋な状況を、人の未熟さにたとえる言葉なのですね。
日本語には、いかにも口語と思われるものにも、「なるほど!」と膝を打つような意味のある言葉が多く、興味深いですね。
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本日は、12月23日、『東京タワー』が完成した日にちなんで、3文字熟語の中から、
・偉丈夫(いじょうぶ/いじょうふ)
・埴猪口(へなちょこ)
などの読み方をおさらいいたしました。
- TEXT :
- Precious.jp編集部
- BY :
- 参考資料:『精選版日本国語大辞典』『デジタル大辞泉』(株式会社小学館)/『東京タワー』ウェブサイト/東京新聞TOKYO Web(2022年12月6日)
- ILLUSTRATION :
- 小出 真朱