「東京芸術祭2022」で11月に上演され、最大の注目作品となった舞台『守銭奴 ザ・マネー・クレイジー』で主演を務めた佐々木蔵之介さん。Precious.jpでは佐々木さんの”生の声”をインタビュー。作品の面白さや演劇の楽しみ方、舞台後の息抜き方法など、舞台・演劇にかける思いを伺いました。2022年11月にお届けした、全3回のオリジナルインタビューをまとめて振り返ってみましょう!
当たり前の概念を、ことごとく覆されます
「プルカレーテさんの演出はとにかく面白い。まず、役者だったら考える当たり前の概念を、ことごとく覆されるんです。たとえば、舞台の上で演じるものだと思い込んでいる場面も、袖から話す設定になったり、背中を向けて語るということもあり。かと思えば、急に音楽が入ってきて転換したり。稽古中に、通りがかりの男性の服を真似て取り入れたいと言い出したこともありました(笑)。まったく想像がつかないことばかり。幕が開くまで、いや開いてからも、どうなるかわかりません。いっぺんやったことでも、次の日にはガラっと変わることもあるんですから」
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演劇は、何にも制限されることなく思い切り楽しむ場所
「プルカレーテさん(演出家)の住むルーマニアでは、昔から劇場は盛んだったそうです。政治的制約や背景があったからこそ、劇場にいる時間が唯一、自由な時間なのだと、どこかで聞いたことがあります。きっと、劇場だけが発言も考えも制限されない貴重な場所だったのでしょう。そして、みんなが思い切り楽しむ場所だったのでしょう」
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けれど演劇だけは、こうして続いている
「僕には趣味がなくて、飽きっぽいし、ひとつのことを長く続けられるタイプではありません。けれど演劇だけは、こうして続いている。学生のときに演劇サークルに入って、役者だけでなく音響から照明、小道具づくり、チラシづくり…。いろいろな作業を仲間と一緒にやってきたのは、今につながる貴重な体験です。とはいえ、最初から役者になりたかったわけではなくて、家業の酒蔵を継ぐときに人前で話すことも役に立つだろうと始めただけで。それでも、一緒に舞台をつくる仲間がいる。それが、原動力かもしれません」
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※この記事は11月21日〜11月23日の記事を再掲載したものです。
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- TEXT :
- Precious.jp編集部
- PHOTO :
- 中田陽子(MAETTICO)
- STYLIST :
- 勝見宜人( Koa Hole inc. )
- HAIR MAKE :
- 晋一朗(IKEDAYA TOKYO)
- WRITING :
- 南ゆかり