プレシャス世代のトップキャリアから落語家、フリーアナウンサーなど、さまざまな分野で活躍するマンガ好きたちの、人生に影響を与えた一冊をうかがいました。昔懐かしい名作マンガから今をときめく作家の話題作まで、それぞれの心にどう響いたか…興味深いエピソードが満載です。

今回は、移動式本屋「BOOK TRUCK」主宰・三田修平さんの推薦する『東京ヒゴロ』についてお届けします。

三田 修平さん
移動式本屋「BOOK TRUCK」主宰
(みた・しゅうへい)移動式本屋「BOOK TRUCK」店主。そのほか飲食店などのブックセレクト、電子書籍ストア「Reader Store」のサポートなども行う。マンガは月に30冊以上読む。

【移動式本屋「BOOK TRUCK」主宰・三田修平さんの推薦】

卓越した表現力と画力で描くマンガ界を舞台にした群像ドラマ|『東京ヒゴロ』著=松本大洋

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(C)松本大洋/小学館ビッグコミックオリジナル

「松本大洋の作品は昔から好きです。大手出版社を退職したマンガ編集者が理想のマンガ雑誌をつくるために奔走する様子を描く本作でも、表現力と絵の力が圧倒的でした。

例えば、主人公が会社を辞めて大好きな仕事を諦めようとしていた帰り道、傘が手から離れて飛んでいってしまう場面。絵だけで表現されたこのシーンは想像力をかき立てられます。

また、主人公がものすごくまじめで真摯に漫画に向き合っている人で、その人柄に周囲のマンガ家たちも協力したくなってしまう。そういった仕事に対する姿勢というものも、この作品から影響を受けました」

〈『東京ヒゴロ』作品詳細〉

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『東京ヒゴロ』¥1,500〜1,650、著=松本大洋、小学館、既刊2巻

マンガ編集者として働いていた塩澤は、自身が創刊したマンガ雑誌が売れなかった責任をとり大手出版社を退職。それでも仕事を諦めきれなかった塩澤は、再び理想のマンガ雑誌をつくるべく、自身が信頼をおく旧知のマンガ家たちのもとを訪ねて連載を依頼しに回るが…。

松本大洋が初めてマンガの世界を描いた最新作には、著者の創作の哲学が存分に詰まっている。

※掲載商品の価格は、税込みです。

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EDIT&WRITING :
正木 爽・宮田典子・剣持亜弥(HATSU)、喜多容子(Precious)
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