「探梅」ってなんと読む?「さぐりうめ」ではありませんよ!
明日・1月20日から、令和5年の「大寒(だいかん)」に入ります。春夏秋冬の時節で区分した「二十四節気」の最後の節気で、この「大寒」の時期を過ぎると「立春」、次の春夏秋冬の最初の節気に入るのです。「大寒」の時期は、この前の「小寒」との時期とあわせて「寒(かん)」と呼ばれます。「寒中見舞い」を贈るのも、この期間内になります。「寒(かん)」は、冬を初冬、仲冬、晩冬の3つに区分した際の晩冬に重なっておりますので、本日は「晩冬」にまつわる日本語クイズをお送りします。
【問題1】「寒卵」ってなんと読む?
「寒卵」という日本語の正しい読み方をお答えください。
ヒント:「鶏が、寒(かん)の期間に産んだ卵」という意味の言葉です。
<使用例>
「明朝の献立は、寒卵の入ったおかゆで栄養をつけましょうか?」
…さて、正解は?
※「?」画像をスクロールすると、正解が出てまいります。
正解は… 寒卵(かんたまご)です。
「寒卵(かんたまご)」は、昔からの通説で「厳しい寒さの中で産みおとされたので、ほかの時期の卵よりも栄養素を多く含み、長く保存がきく」と言われ、特に珍重されました。なかでも「大寒」の間にうまれた卵を「大寒卵(だいかんたまご)」とも呼びます。鶏卵は身近な食材のひとつですが、こうしたものにも、細やかな季節感を感じる言語表現があるところに、四季がある国・日本ならではのおもむきを感じさせますね。
さて、2問目にまいりましょう。
【問題2】「探梅」ってなんと読む?
「探梅」という日本語の正しい読み方をお答えください。
ヒント:「梅の花を求めて、たずね歩くこと。梅見に行くこと」という意味の言葉です。
<使用例>
「来週末に探梅に…というのは、まだ気が早いかしら?」
…さて、正解は?
※「?」画像をスクロールすると、正解が出てまいります。
正解は… 探梅(たんばい)です。
日本では通常「花見」といえば、春の「桜を見ること」を指しますね。しかしその前の時期に愛らしい花を咲かせる梅も、日本古来、愛され、めでられています。「探梅(たんばい)」は、「花見」の梅バージョン、というニュアンスの言葉で「梅見(うめみ)」「観梅(かんばい)」と同義語です。「探梅(たんばい)」という熟語が存在するところ、これが季語とされているところに、梅の花がいかに愛されてきたか、という文化が透けて見えますね。大人として身に着けたい、使いこなしたい語彙です。ちなみに「探梅(たんばい)」は梅の花に関する独特の言い方のようで、「紅葉」や「桜」には、同じような組成の「探○」という言い回しは、辞書には掲載されておりません。
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本日は、1月20日、令和5年の「大寒」に入る日にちなんで、「晩冬」を表す季語から、
・寒卵(かんたまご)
・探梅(たんばい)
の読み方、言葉の背景についておさらいいたしました。
- TEXT :
- Precious.jp編集部
- BY :
- 参考資料:『精選版日本国語大辞典』『デジタル大辞泉』(株式会社小学館)/『漢字ペディア』(公益財団法人日本漢字能力検定協会)/『きごさい歳時記』ウェブサイト(NPO法人季語と歳時記の会)/一般社団法人日本記念日協会ウェブサイト/国立天文台ウェブサイト
- ILLUSTRATION :
- 小出 真朱