「滞る」ってなんと読む?「たいる」ではありませんよ!
明日・3月5日は、日本で初めてスクランブル交差点が誕生した日です。スクランブル交差点といえば、渋谷を思い浮かべる方が多いと思いますが、日本で初めてスクランブル交差点ができた場所は、なんと熊本県でした。1969(昭和44)年3月5日、熊本県熊本市に設置された「子飼(こかい)交差点」は、交通量が大変多く、渋滞や事故が起きやすかったこの地域の交通整備に、大きな成果をあげました。渋谷の駅前の交差点がスクランブル化されたのは、その約4年後のこと。今では、日本全国に800か所以上のスクランブル交差点が設置され、渋滞の解消や交通整備にひと役買っています。ということで、本日は「渋」「滞」という字の入った日本語クイズをお送りします。
【問題1】「渋面」ってなんと読む?
「渋面」という日本語の正しい読み方をお答えください。
ヒント:「しぶいものをなめたような、にがにがしい顔つき」という意味の言葉です。
<使用例>
「彼女が明るい話題をふってくれたから、部長の渋面が少し和らいだわ」
…さて、正解は?
※「?」画像をスクロールすると、正解が出てまいります。
正解は… 「渋面(じゅうめん/しぶつら/しぶっつら/しぶめん)」 です。
「しぶつら」「しぶっつら」「じゅうめん」…耳で聞いたときは、前後の文脈から「渋面」という表記の熟語であることはわかるけれど、「正式な正解は?」と問われたら自信が持てない、どれかは慣例的な言い方で、「意味がわかるから、まあいいわ」とスルーしていた…という方も多いかと思います。実は「渋面」、辞書には「じゅうめん/しぶつら/しぶっつら/しぶめん」と、4通りもの読み方が掲載されており、どれも同じ意味です。
正解、という意味では4通りのどれで読んでも良いと思いますが、文書を読み下す際や、ややフォーマルな場所では「じゅうめん」、友人同士などの他愛ない会話の場合は、語感でもっともわかりやすい「しぶっつら」など、使い分けると良さそうです。それにしても「しぶめん」という湯桶読み(ゆとうよみ。熟語の先の字を訓読み、後の字を音読みにする、変則的な読み方)まで正解とは、意外ですよね。
さて、2問目にまいりましょう。
【問題2】「滞る」ってなんと読む?
「滞る」という日本語の正しい読み方をお答えください。
ヒント:「物事が順調に運ばない」「流れがとまる」などの意味をもつ言葉です。
<使用例>
「今日はなんだか気が散って、仕事が滞りがちだわ…」
…さて、正解は?
※「?」画像をスクロールすると、正解が出てまいります。
正解は… 滞(とどこお)るです。
「滞(とどこお)る」は、中学校で履修する常用漢字です。度忘れしていたり、「ここまで出てるのに…なんだったかしら?」という方、いらっしゃいませんでしたか?手書きよりもデジタル変換で文書作成することが当たり前の昨今ですので、読めて当たり前レベルの漢字を忘れてしまうことのないよう、時々おさらいしてまいりましょうね。
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本日は、3月6日、日本初のスクランブル交差点が誕生した日のトリビアと、「渋」「滞」という字の入った日本語から、
・渋面(じゅうめん/しぶつら/しぶっつら/しぶめん)
・滞る(とどこおる)
の読み方についておさらいいたしました。
- TEXT :
- Precious.jp編集部
- BY :
- 参考資料:『精選版日本国語大辞典』『デジタル大辞泉』(株式会社小学館)/『NHK放送史』(NHKウェブサイト)/『日本経済新聞』(2018年4月5日)/『漢字ペディア』(公益財団法人日本漢字能力検定協会)
- ILLUSTRATION :
- 小出 真朱