健康や美容にさまざまな効能があるとされる温泉。日増しに強まる紫外線や花粉などの影響で肌にゆらぎが生じやすい春こそ湯旅に出かけ、疲れた体や肌に自然の恵みをチャージしてみてはいかがでしょうか。そこで、本連載では温泉ジャーナリストの植竹深雪さんに、美肌の湯が自慢の温泉宿をピックアップしてもらいました。今回ご紹介するのは、群馬県にある「四万(しま)温泉 柏屋旅館」です。
公式サイト
沁み渡るような硫酸塩泉が美肌に導く!
群馬県の北西部に位置し、「4万種類の病を癒す」名湯として知られる四万温泉。 その温泉街の中心部から少し離れたところに佇む「柏屋旅館」は、全14室のこぢんまりした湯宿です。レトロモダンな雰囲気が女性に人気のこちらの宿の美肌ポイントについて、植竹さんはこう話します。
「四万温泉の泉質は、ナトリウム・カルシウムー塩化物・硫酸塩泉。硫酸塩泉はいわゆる美人の湯のひとつで、セラミドを整えて保湿したり、肌のハリを高めたり、血流を促進してトーンを明るくしたりするなどの効果が期待できるとされています。今回、私がここ柏屋旅館を美肌の湯宿として推したのは、その四万温泉の名湯を大浴場や貸切露天風呂で思う存分満喫できるから。実際に浸かってみたところ、肌にぐいぐいと効くような感覚があり、硫酸イオンの濃さと力強さが身に沁みました。
ちなみに、ここの湯温は42~43度ほどなのですが、大浴場に居合わせたお客様からは『ここの湯、すごく熱くない?』との声も。たまたまその方がそう感じただけという可能性もありますが、実際の湯温よりも熱々に感じられるのは、湯力の強さも影響しているかもしれません」(植竹さん)
「温泉は男女別の大浴場に、貸切露天風呂が3つ。3つの貸切露天風呂(楓乃湯、櫻乃湯、月乃湯)は予約不要で、先客がいなければ30分を目安にいつでも何度でも利用できるスタイルです。なかでも人気なのは、樽型の露天風呂の『月乃湯』。源泉かけ流しで、湯のよさを最もダイレクトに感じられるのはここだと思います」(植竹さん)
「『月乃湯』以外もそれぞれ雰囲気がよく、湯巡り気分を味わうのにももってこい。大浴場は、ヒノキ貼りの壁面とやまゆりのステンドグラスが素敵ですし、楓乃湯は岩組み、櫻乃湯は木の組み方が美しく、目でも楽しませてくれます。小規模な宿で収容客数が少ないため混み合うこともありませんし、ゆったりのんびり湯に向き合いながらリフレッシュできること請け合いです」(植竹さん)
女性に人気なのも納得!おもてなしが刺さる上質な宿でとことん寛ぐ
柏屋旅館の開業は昭和51年(1976年)ですが、2021年3月にリニューアルしたばかり。ノスタルジックな雰囲気も残しつつ、随所でセンスの光るインテリアも目を引きます。
「温泉で寛いだ後は、ぜひ湯上りライブラリーにもお立ち寄りを。ここでセルフで飲める無料のコーヒーが絶品なんです。あくまでサブのサービスながら、湯上りライブラリーのコーヒーは、系列の人気店『柏屋カフェ』で自家焙煎したこだわりの豆を使った本格仕様。こんな細部に至るまでお客様にとことん寛いでほしいという配慮が行き届いているのがうかがえます」(植竹さん)
「地元の旬の食材を駆使したお食事の評判も上々。創作料理のメニューは月替わりですが、名物は花豆と刺身こんにゃくです。かたさと甘さが絶妙な花豆の煮物は女将さんの手作りで、ここでしか味わえない逸品。また、刺身こんにゃくは群馬県の定番料理ながら、柏屋旅館では盛り付けの美しさから特別なごちそう感があります。
ほかにも、ギンヒカリ(群馬県産の最高級ニジマス)を洋風にアレンジした料理や、石焼きで自分で焼き加減を調整できる上州和牛のステーキなどが印象的。ただ食材をそのまま出すのではなく、どの料理もより食事を楽しめるように一工夫された感があり、ハートフルなおもてなしにお腹も心も満たされました」(植竹さん)
以上、「四万温泉 柏屋旅館」をご紹介しました。硫酸塩泉ならではの湯上がり肌を実感したい人は、次の旅先候補のひとつに加えてみてはいかがでしょうか?
※外出時には新型コロナウィルスの感染対策を十分に講じ、最新情報は公式HPなどでご確認ください。
問い合わせ先
- 四万温泉 柏屋旅館
- 住所/群馬県吾妻郡中之条町四万3829
客室数/全14室
料金/1名 ¥20,000~(税込)
TEL:0279-64-2255
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- WRITING :
- 中田綾美
- EDIT :
- 谷 花生