思い切り泣くなら、このドラマ&映画の名シーンを見逃すな!|ドラマ&映画好きの賢者が「涙のスイッチ」を熱血プレゼンします

小説家、アナウンサー、産婦人科医に経済学者など、さまざまなフィールドで活躍する著名人たちが、数あるドラマや映画のなかから一作品を厳選し、自分にとっての「涙のスイッチ」を熱く語ります! 

夫婦の絆、余命わずかな男の人生、不条理な社会に抗う人たち、最愛の人との別れ…。ひと言では言い表せない、複雑な大人ならではといった泣きのツボが満載です。

中山治美さん
映画ジャーナリスト
(なかやま はるみ)スポーツ紙記者を経て、フリーの映画ジャーナリストに。1994年に初めてカンヌ国際映画祭参加以降、国内外の撮影スタジオや映画祭を回ることがライフワーク。「障がいをギフテッドとして描いた韓国ドラマ『ウ・ヨンウ弁護士は天才肌』も泣けた」

映画ジャーナリスト・中山治美さんの “涙のスイッチ”|アジアの映画賞を賑わせた中国映画『少年の君』

映画『少年の君』イラスト
 

若いふたりが社会に抗う姿に胸がぎゅっと締めつけられる

「学校でひどいいじめに遭うチェンは、現実から抜け出そうと必死に勉強し、大学進学を目指します。そんなときに出会ったのが不良少年・シャオベイ。一見対極的な環境にいるふたりですが、頼れる大人がいない者同士、身を寄せ合うように。ある日、ケガをして帰ってきたシャオベイにチェンが『痛い?』と聞くのですが、初めて人に心配をしてもらったと静かに涙を流すシャオベイに母性本能をくすぐられ、ぐっときてしまいました。

自分のおかれた環境とか、理不尽な社会に必死に抗う人間を描いた作品が私の涙のスイッチのよう。本作でチェンはよく泣きます。でも感情を押し殺して、決して声を上げません。そんなチェンが、最後に堰を切ったように泣くシーンは、もらい泣きすること必須です」

【STORY】

映画『少年の君』
(C)2019 Shooting Pictures Ltd., China (Shenzhen) Wit Media. Co., Ltd., Tianjin XIRON Entertainment Co., Ltd., We Pictures Ltd., Kashi J.Q. Culture and Media Company Limited, The Alliance of Gods Pictures (Tianjin) Co., Ltd.,

いじめを苦に自殺した同級生に代わって標的となったチェン(チョウ・ドンユイ)。暴行を受ける少年を救ったことから、彼との交流が始まる。アジアの映画賞を賑わせた中国映画。’19年、公開。/「U-NEXT」ほかで配信中

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ILLUSTRATION :
北住ユキ
EDIT&WRITING :
正木 爽・宮田典子・剣持亜弥(HATSU)、喜多容子(Precious)