「春アウター」と聞いて、まず思い浮かぶのは「トレンチコート」。この永遠不滅のベーシックアイテムは、まとうだけで大人の女性を凛々しく、知的に見せてくれます。でも、一方で、まじめすぎる、無個性である…という弱点も。そこで、最先端のモードを発信する最愛ブランドのなかから、新作コートをピックアップ! ブランドの個性やこだわりが色濃く表現された「進化系トレンチ」は、ベーシックだからこその、遊び心が満載です。
各ブランドのこだわりが光る、4つの「進化系トレンチコート」
■1:ニュアンスベージュを重ねた異素材コンビの「セリーヌ」
凛々しさとしなやかさ。その相反するふたつの要素を両立させることが、大人が目指すおしゃれの理想…。それを見事に体現しているのが、セリーヌのトレンチコートです。トップ部分は、カーキがかったベージュのダブルフェースコットン。エポーレットやガンフラップなど、典型的なトレンチのディテールを踏襲。それに対し、下部分は、落ち感のあるビスコース。わずかに艶のあるピンクベージュが流れるようなドレープを生み、全体から見ると、まるでドレスの上にコートを重ねているかのよう。異素材を合わせることで、甘辛バランスを極めた理想の美人コートです。
セリーヌのトレンチのディティールは…
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■2:風をまとうような軽やかさが自慢の「ボッテガ・ヴェネタ」
春の訪れが待ち遠しい今、「風をまとう…」という響きは、とても素敵に感じられませんか? ボッテガ ヴェネタから登場した春トレンチは、贅沢なシルク素材。極細の上質な糸を緻密に織っているために、驚くほど薄くて、軽やか、まさに風をまとっているかのような着心地が自慢です。オーバーサイズのたっぷりとしたシルエットを、体になめらかに沿わせつつ、クシャクシャさせたり、ふんわりはおったり、むしろ無造作に着くずすのがおしゃれ! そして、シルクならではの艶を湛えたコクのあるキャメルも魅力。余裕のある大人の女性に似合う、春トレンチの名品です。
ボッテガ・ヴェネタのトレンチのディティールは…
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■3:アシンメトリーなサイドプリーツでモードに仕上げた「ジル・サンダー」
定番的なトレンチコートに物足りなさを感じているならば、ジル・サンダーの進化系トレンチがおすすめです。雨や風を通さないコットンのボンディングクロスは、かなりタフでカジュアル。この質感が、凛とした印象のこのコートを、より構築的に見せてくれるのです。デザインの大きな特徴は、左サイドから背中側にかけてアシンメトリーに配されたプリーツ! 何本も縦に走るラインによって動きが生まれ、さらにすっきり見せるのにも効果的です。ダブル合わせやステッチワークなどのトレンチの要素を備えつつ、モードに進化した、着るだけで絵になるコートです。
ジル・サンダーのトレンチのディティールは…
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■4:コンパクトなトップ×マキシ丈がスタイリッシュな「ヴァレンティノ」
一見、オーセンティックなトレンチコート。でも、よく見ると、肩の部分が開いていたり、袖のベルトが二重巻きだったり…、細部にまでこだわった「遊び感覚」は、ヴァレンティノの真骨頂です。上半身は華奢な肩が印象的なコンパクトなつくりで、なんと隠しボタンによって、上下別々に切り離すことが可能。そして、高めのウエスト位置からストンと落ちる、足首がスレスレ見えるくらいのマキシ丈は圧巻です。色はグレーがかったドライなベージュ。ベルトをキュッと結んでタイトに着るもよし、フロントを開けてスポーティにはおるのもよし。着ていて楽しくなる一着です。
ヴァレンティノのトレンチのディティールは…
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各ブランドのこだわりが満載の、「進化系」トレンチコート。春先にありがちな、周りとの「コーデかぶり」対策としてもおすすめしたい、さりげない個性を与えてくれる名品です。
※掲載した商品はすべて税抜です。
- PHOTO :
- 小池紀行(パイルドライバー)
- STYLIST :
- 白井艶美
- EDIT&WRITING :
- 廣田沙羅・竹市莉子(HATSU)、喜多容子(Precious)
- RECONSTRUCT :
- 難波寛彦