「春アウター」と聞いて、まず思い浮かぶのは「トレンチコート」。この永遠不滅のベーシックアイテムは、まとうだけで大人の女性を凛々しく、知的に見せてくれます。でも、一方で、まじめすぎる、無個性である…という弱点も。そこで、最先端のモードを発信する最愛ブランドのなかから、新作コートをピックアップ! ブランドの個性やこだわりが色濃く表現された「進化系トレンチ」は、ベーシックだからこその、遊び心が満載です。

各ブランドのこだわりが光る、4つの「進化系トレンチコート」

■1:ニュアンスベージュを重ねた異素材コンビの「セリーヌ」

コート¥390,000(セリーヌ ジャパン)

凛々しさとしなやかさ。その相反するふたつの要素を両立させることが、大人が目指すおしゃれの理想…。それを見事に体現しているのが、セリーヌのトレンチコートです。トップ部分は、カーキがかったベージュのダブルフェースコットン。エポーレットやガンフラップなど、典型的なトレンチのディテールを踏襲。それに対し、下部分は、落ち感のあるビスコース。わずかに艶のあるピンクベージュが流れるようなドレープを生み、全体から見ると、まるでドレスの上にコートを重ねているかのよう。異素材を合わせることで、甘辛バランスを極めた理想の美人コートです。

セリーヌのトレンチのディティールは…

  • 背中側には深いプリーツが入っており、実際に着用すると、コンパクトなショートコートを合わせているように見える。肩から背中は、ビスコース生地との二重構造に。
  • ライニングは背中の部分(背抜き)と、滑りをよくするため袖の部分の内側のみ。フロントの合わせにはボタンのないラップタイプ。さっとはおれる軽快な着心地が魅力に。

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■2:風をまとうような軽やかさが自慢の「ボッテガ・ヴェネタ」

コート¥295,000・ベルト¥75,000(ボッテガ・ヴェネタ ジャパン)

春の訪れが待ち遠しい今、「風をまとう…」という響きは、とても素敵に感じられませんか? ボッテガ ヴェネタから登場した春トレンチは、贅沢なシルク素材。極細の上質な糸を緻密に織っているために、驚くほど薄くて、軽やか、まさに風をまとっているかのような着心地が自慢です。オーバーサイズのたっぷりとしたシルエットを、体になめらかに沿わせつつ、クシャクシャさせたり、ふんわりはおったり、むしろ無造作に着くずすのがおしゃれ! そして、シルクならではの艶を湛えたコクのあるキャメルも魅力。余裕のある大人の女性に似合う、春トレンチの名品です。

ボッテガ・ヴェネタのトレンチのディティールは…

  • ラグランスリーブになっているため、アーム部分が広いのが特徴。インナーに、ドロップショルダーやオーバーサイズトップスなど旬のアイテムを合わせても、動かしやすい。
  • トレンチ特有のベルト飾りで、きゅっと細くなった袖口にも注目。クシュクシュと袖を上に上げ、ベルトを留めればOK。クルクルと巻くことなく、自然な着くずしがかないます。

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■3:アシンメトリーなサイドプリーツでモードに仕上げた「ジル・サンダー」

コート¥420,000(オンワードグローバルファッション〈ジル・サンダー〉)

定番的なトレンチコートに物足りなさを感じているならば、ジル・サンダーの進化系トレンチがおすすめです。雨や風を通さないコットンのボンディングクロスは、かなりタフでカジュアル。この質感が、凛とした印象のこのコートを、より構築的に見せてくれるのです。デザインの大きな特徴は、左サイドから背中側にかけてアシンメトリーに配されたプリーツ! 何本も縦に走るラインによって動きが生まれ、さらにすっきり見せるのにも効果的です。ダブル合わせやステッチワークなどのトレンチの要素を備えつつ、モードに進化した、着るだけで絵になるコートです。

ジル・サンダーのトレンチのディティールは…

  • 前と後ろ、左サイドのみに配した切りっぱなしのプリーツ。一つひとつ上からステッチをかけることで、しっかりと美しいプリーツに。ハリのある生地が直線的なラインを強調。
  • コットンの表地と裏地をポリウレタンで貼り付けたボンディングクロスを使用。雨や風をしっかりと防ぎ、見た目も頑強。裏側のライトブルーは表地のベージュとも相性抜群。

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■4:コンパクトなトップ×マキシ丈がスタイリッシュな「ヴァレンティノ」

コート¥384,000(ヴァレンティノ ジャパン〈ヴァレンティノ〉)

一見、オーセンティックなトレンチコート。でも、よく見ると、肩の部分が開いていたり、袖のベルトが二重巻きだったり…、細部にまでこだわった「遊び感覚」は、ヴァレンティノの真骨頂です。上半身は華奢な肩が印象的なコンパクトなつくりで、なんと隠しボタンによって、上下別々に切り離すことが可能。そして、高めのウエスト位置からストンと落ちる、足首がスレスレ見えるくらいのマキシ丈は圧巻です。色はグレーがかったドライなベージュ。ベルトをキュッと結んでタイトに着るもよし、フロントを開けてスポーティにはおるのもよし。着ていて楽しくなる一着です。

ヴァレンティノのトレンチのディティールは…

  • コートの後ろ身ごろはストームフラップ風の切り替えで2段に分かれており、ショートボレロを合わせたようなつくりに。上半身は、隠しボタンで下の部分と切り離せる仕組みに。
  • 背中側の中央に配した深いプリーツには、一列に並んだボタンが。ボタンを外すとスリットに。さらにウエストの両サイドにタックが入り、後ろ姿はふんわりとしたシルエットに。

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各ブランドのこだわりが満載の、「進化系」トレンチコート。春先にありがちな、周りとの「コーデかぶり」対策としてもおすすめしたい、さりげない個性を与えてくれる名品です。

※掲載した商品はすべて税抜です。

PHOTO :
小池紀行(パイルドライバー)
STYLIST :
白井艶美
EDIT&WRITING :
廣田沙羅・竹市莉子(HATSU)、喜多容子(Precious)
RECONSTRUCT :
難波寛彦