【目次】

若林ってどこにあるの?「場所」

若林の中心あたりを南北に環状七号線が通っています。若林の東西を走る東急世田谷線と環状七号線がクロスするあたりに若林駅があります。
若林の東西を走る東急世田谷線と環状7号線がクロスするあたりに若林駅があります。

東京都世田谷区若林は1丁目から5丁目まであって、世田谷区内でも広い町です。若林は、東急世田谷線の若林駅を中心に、西は同じく世田谷区の世田谷、東は太子堂、北は代田、南は三軒茶屋に接しています。

若林から徒歩数分程度の距離にある三軒茶屋周辺はとても賑わっている印象がありますが、若林は静かな住宅地。ファミリー層にも人気が高いエリアです。

三軒茶屋交差点からスタートして、若林エリアの南側を東西に通っているのが世田谷通りです。この通りの周辺には寺社が多く、カフェも点在していて落ち着いた雰囲気があります。
三軒茶屋交差点からスタートして、若林エリアの南側を東西に通っているのが世田谷通りです。この通りの周辺には寺社が多く、おしゃれなカフェも点在。ゆったりとした空気感があります。

若林の「最寄り駅」

写真は、東急世田谷線の三軒茶屋駅です。東急世田谷線の改札は、東急田園都市線から少し離れていて、キャロットタワー近くにあります。
写真は、東急世田谷線の三軒茶屋駅。東急世田谷線の三軒茶屋駅の改札は東急田園都市線から少し離れていて、キャロットタワー近くにあります。

世田谷区若林エリアの最寄り駅は 東急世田谷線の若林駅です。東急世田谷線は世田谷区内を走る2両編成の路面電車で、三軒茶屋駅と下高井戸駅を結んでいます。若林駅から三軒茶屋駅まではとても近くて、2駅4分程度。若林から三軒茶屋駅までは徒歩で15分程度なので、「混雑する通勤時などは三軒茶屋駅まで歩く」という人も多いんです。

そして、三軒茶屋駅から渋谷駅までは東急田園都市線で2駅4分程度。ファミリーにも人気の高い二子玉川駅までは東急田園都市線で4駅10分程度です。東急田園都市線は東京メトロ半蔵門線と直通運転をしているので、表参道や大手町に出るのにも便利。三軒茶屋周辺はバスも充実していて、世田谷区周辺を移動するにはバスもおすすめです。

若林の「地図」

若林の「歴史」と「由来」

活気のある商店街が話題の松陰神社前駅があるのも世田谷区若林です。松陰神社周辺は大きな公園もあり、人気の高い住宅地です。
活気のある商店街が話題の松陰神社前駅があるのも世田谷区若林です。松陰神社周辺は大きな公園もあり、人気の高い住宅地です。

世田谷区初の鉄道「玉川電気鉄道(玉電)」が開業したのが明治40(1907)年。まずは渋谷から三軒茶屋を通って玉川(現在の二子玉川)までが開通しました。玉電は多摩川の砂利を輸送する手段としても利用され、「ジャリ電」とも呼ばれていました。

都心に甚大な被害をもたらした大正12(1923)年の関東大震災は、郊外へ移り住む人を増加させました。玉電が通る三軒茶屋周辺も住宅地として人気が集まり、玉電の路線も延長します。玉電は大正13(1924)年に玉川~砧間(砧線)、大正14(1925)年に三軒茶屋~下高井戸間(現在の世田谷線)、昭和2(1927)年に玉川~溝ノ口間を開業させました。これにより世田谷線沿線は大幅に人口が増え、若林周辺も住宅地となります。

玉電が東京横浜電鉄(現在の東急電鉄)に合併されたのは、昭和13(1938)年のこと。路面電車として親しまれていた玉電ですが、やがて急増する自動車に行く手を阻まれるように…。現在残っているのは、三軒茶屋から下高井戸間を走る世田谷線のみです。

若林の「由来」とは?

烏山川は暗渠化されています。川が流れていた場所は、千歳台から三宿あたりまで7kmほどある緑道になっています。この緑道に沿って、太子堂八幡神社や若林稲荷神社、松陰神社、勝国寺、豪徳寺、世田谷城址公園など歴史のある神社仏閣が点在しています。
烏山川は暗渠化されています。くねくねとした川が流れていた場所は、千歳台から三宿あたりまで7kmほどある緑道になっています。この緑道に沿って、太子堂八幡神社や若林稲荷神社、松陰神社、勝国寺、豪徳寺、世田谷城址公園など歴史のある神社仏閣が点在しています。

「若林」とは、現在は暗渠化された烏山川流域にあった新田の古い表現だといわれています。植林された若い木の並んでいるところを意味しているようです。現在は烏山川に沿って緑道が整備され、近隣住民たちの散歩道になっています。緑道の周辺は閑静な住宅地です。ところどころに子供用の遊具や健康遊具なども設置され、木や花が植えられていて緑の多い通りになっています。

若林の3つの「魅力」

■1:人気の高い三軒茶屋駅が近い

三軒茶屋駅のランドマークとなっているのがキャロットタワー。スーパーマーケットや劇場、オフィスなどが入る複合施設です。
三軒茶屋駅のランドマークとなっているのが「キャロットタワー」。スーパーマーケットや劇場、オフィスなどが入る複合施設です。

渋谷駅まですぐに出られる三軒茶屋駅は、アクセスのよい住みやすい街として評判です。三軒茶屋駅前の「キャロットタワー」内には「世田谷パブリックシアター」や「シアタートラム」といった劇場があります。それも理由となって、多くの芸能人や著名人も三軒茶屋周辺に住んでいます。また、三軒茶屋駅周辺には「三茶しゃれなあど」や「三軒茶屋栄通り商店街」といった商店街があるほか、24時間営業のスーパーマーケットやドラッグストア、ファミリーレストランなども充実しています。ちょっと路地裏に入ると、賑わいのある個性的な居酒屋が。仕事で遅くなった日に立ち寄れる飲食店などがあるのはうれしいですね。

そして、こだわりのスイーツが食べられたり、リモートワークなどができるといったカフェも充実しています。生活に便利なお店や施設がそろっている街なので、一度住んだらこの周辺エリアから出たくないと虜になる人も多いようです。

■2:繁華街に近いのに静か

都心により近い三軒茶屋周辺は緑が少ないですが、若林駅周辺まで進むとぐっと緑が増えます。時折、タヌキも出るそう。
都心により近い三軒茶屋周辺は緑が少ないですが、若林まで進むとぐっと緑が増えます。時折、タヌキも出るそう!

なんでも揃う三軒茶屋には魅力を感じているけれど、もう少し静かなエリアに住みたいという方におすすめなのが若林です。賑やかな三軒茶屋駅周辺を抜けると、たちまち静かな住宅地に。若林辺りまで来ると自然も寺社も増えてさらに穏やかな雰囲気に変わります。

太子堂八幡神社の歴史は古く、平安時代までさかのぼります。源頼義と義家親子が豪族・安倍氏の征伐に向かう途中、鎌倉道に面したこの神社で戦勝を祈願して杯を交わしたと伝えられているのだとか。
「ウサギ神社」として知られる「太子堂八幡神社」の歴史は古く、平安時代までさかのぼります。源頼義と義家親子が陸奥の豪族安倍氏の反乱の征伐に向かう途中、鎌倉道に面したこの神社で戦勝を祈願して杯を交わし休憩したと伝えられているのだとか。

「太子堂八幡神社」は若林と三軒茶屋の間、世田谷区太子堂にあります。三軒茶屋駅から徒歩10分ほどの距離ですが、この周辺はのどかな住宅街です。境内には児童公園があり、ウサギも飼われています。地元の人の憩いの場として愛されている神社で、カラフルでかわいい御朱印が人気です。

■3:お隣の世田谷駅では冬の風物詩「ボロ市」が開催

代官屋敷
東京都の史跡「世田谷代官屋敷」は、江戸時代中期から明治維新に至るまで伊井家彦根藩の世田谷領代官職を務めてきた大場家の役宅です。大場家は、室町時代には世田谷吉良氏に仕え、吉良氏が従っていた北条氏が滅亡したのちは仏門に帰し、土着の郷士として帰農しました。

東京都の指定無形民俗文化財になっている「ボロ市」。これが世田谷区世田谷にある「世田谷代官屋敷」前のボロ市通り周辺で、12月と1月の年2回、2日間ずつ開催され、1日に20万人もの人で賑わいます。

「ボロ市」の始まりは、 天正6(1578)年、安土桃山時代です。関東地方を支配していた小田原城主北条氏政が吉良氏の領地であった世田谷に宿場を作り、この宿場を発展させて楽市を開きました。楽市とは、市場税を免除して自由な行商販売を認められた市のこと。この楽市が形式を変えながらも現在に伝わっているのが「ボロ市」です。明治20年代になって古着やボロ布の扱いが主流となり、「ボロ市」と呼ばれるようになったそう。

世田谷城跡
世田谷区豪徳寺に「世田谷城跡」が残されています。世田谷城は室町時代にこの地域を支配していた吉良氏が築城したと言われている城です。この周辺には、随所に吉良氏のゆかりの地が存在します。

また、東急世田谷線沿線には、「世田谷代官屋敷」や「世田谷城跡」など、歴史を感じることができるスポットが点在していて散歩の楽しいエリアです。そのほかにも、彦根藩井伊家の菩提寺「豪徳寺」や吉田松陰を祀る「松陰神社」なども有名です。

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劇場や話題の飲食店などが揃う三軒茶屋駅はとても魅力的な駅です。その魅力的な駅から少し離れると落ち着きのある静かな住宅街が広がっていることに驚きました。若林周辺は歴史のある寺社も豊富。室町時代から幕末までの長い歴史を感じるこのエリアで当時のことに思いを馳せながら暮らす楽しみを味わってみたくなりました。

参考:世田谷デジタルミュージアム
     太子堂八幡神社ホームページ
   世田谷区の歴史と文化(世田谷区郷土資料館 展示ガイドブック)
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PHOTO :
柳堀栄子
WRITING :
柳堀栄子