旅の行き先ランキングで1、2を争う人気の北海道。本州とはスケールの異なる雄大な自然や、ご当地グルメなどさまざまな魅力に溢れますが、実は日本で一番、温泉地が多いスポットでもあるのをご存知でしょうか。旅行の際は、北の大地から湧き出た湯のよさもたっぷり堪能したいところです。
そこで、温泉ジャーナリストの植竹深雪さんに、北海道の名湯をピックアップしてもらいました。今回ご紹介するのは、札幌市南区にある「厨翠山(くりやすいざん)」です。
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食事までの時間は、大自然に包まれながらの湯めぐりがおすすめ!
札幌の中心部から車で1時間ほど。道外からも比較的アクセスしやすく、北の大地の魅力に気軽に触れられるとして人気の定山渓(じょうざんけい)温泉。そのなかで、温泉好きだけでなく美食家にもおすすめしたい宿として、植竹さんが今回ピックアップしてくれたのが「厨翠山」です。
「厨翠山は、“食を愉しむ”をテーマとする全13室の旅館。北海道屈指の美食の宿であることに加え、自家源泉3本をブレンドした極上湯を堪能することができます。泉質は、ナトリウム-塩化物泉。ほかほかと温まり、肌なじみがよい湯です。
まず、露天風呂は檜造りと石造りの2タイプ。森林に包まれた環境で川のせせらぎに耳を傾けながらの湯浴みは至福のひとときです。さらに、滞在中は、エリア内にある系列の湯処も利用可能とサービス満点。湯めぐり気分も味わえて、温泉好きにはたまりません」(植竹さん)
「後述のようにラウンジなどの居心地がよいので、つい宿におこもりしたくなりますが、厨翠山から車で1~2分ほどの場所にある定山渓第一寶亭留(ほてる)翠山亭の離れの湯屋『森の湯』にはぜひ足を運びたいところ。飛び石の置かれた日本庭園を通って湯殿に向かうという演出も素敵で、道中でおのずと旅の気分も盛り上がります。
古き良き湯治場テイストの内湯も、野趣溢れる岩露天風呂も雰囲気がよく、この『森の湯』だけでも定山渓を訪れた甲斐があったな…と満足度大です」(植竹さん)
ラウンジサービスもライブキッチンも…こだわり尽くしの美食に感動
「当館へは、少しお腹をすかせてお越しくださいませ」。そんなメッセージを掲げる厨翠山では、どんな美食ワールドが展開されているのでしょうか。
「まず、チェックイン時に目をひいたのは、棚にずらりと並べられた塩の瓶。あとで食事の際にわかったことなのですが、厨翠山では20種類以上の塩を厨房に常備しており、お品書きで各料理にどの塩が使われているのか明記されています。もし気に入った風味のものがあれば購入可能なシステムなんです。これまで料理自慢の宿は数多く訪問してきましたが、ここまで塩ひとつに徹底的にこだわるところは類を見ません」(植竹さん)
「また、チェックイン後の充実したラウンジサービスもお楽しみのひとつ。15時から20時半まではフィーカタイム(北欧のティータイムの呼称)、20時半から23時半はバータイム、22時からは夜食タイムとなっており、さまざまな軽食やドリンクがセルフサービスで提供されます。手作りスイーツが日替わりなど、たとえ無料であってもとことん料理でお客様をもてなそうとする姿勢に脱帽です」(植竹さん)
「夕食は、中央にオープン厨房が設置されたダイニングで。目の前で調理が繰り広げられ、北海道はもちろんのこと、全国から取り寄せた旬の食材を駆使した料理を出来立ての状態でいただくことができます。
印象に残っているのはお凌ぎで出てきたお寿司。ふっくら肉厚のホッキ貝がバター醤油で味付けされており、“寿司=酢”という固定観念を覆してくれた逸品です。しかもメインではなく、お凌ぎなのに素材も技術もアイディアも一切妥協のないところに、宿名に“厨”を掲げる美食宿のプライドを感じました」(植竹さん)
以上、「厨翠山」をご紹介しました。定山渓の極上の湯とこだわりの料理によるおもてなしで最高に贅沢な時間を過ごしたい人は、次の旅先候補のひとつに加えてみてはいかがでしょうか。
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- WRITING :
- 中田綾美
- EDIT :
- 谷 花生