「功名」ってなんと読む?「こうみょう」?それとも「こうめい」?
明日、5月5日は『こどもの日』。子どもの人格を重んじ、幸福を図る「国民の祝日」ですが、もとは、みなさまご存じ『端午の節句』として、日本古来、男の子の成長を願う行事の日だったことに由来します。「鯉のぼり」は『こどもの日』を象徴するアイコンのひとつですが、端午の節句に鯉のぼりを飾る風習は、故事成語「登竜門」にちなんでいます。これは、「急流を上って竜門にたどりついた鯉は、竜に出世する」──というお話で、「鯉のぼり」は、「子どもが将来、立派に出世しますように」という願いを込めて飾るのです。ということで本日は「出世」という意味をもつ日本語のクイズをお送りします。1問目は、おなじみのこの言葉から。
【問題1】「功名」ってなんと読む?
「功名」という日本語の読み方として正しいものを、以下の選択肢の中から選んでください。
1:こうみょう
2:こうめい
…さて、正解は?
※「?」画像をスクロールすると、正解が出てまいります。
正解は… 1:こうみょう 2:こうめい の両方 です。
「功名」という熟語の意味は「功績と名声=てがらをたてて、名をあげること」です。「功名」という熟語そのものの読み方は「こうみょう」でも「こうめい」でも正解です。しかし、慣用句に慣用句に「けがの功名(こうみょう)=過失や災難と思われたことが、思いがけなく好結果をもたらすこと」があり、こちらでは「こうみょう」という読み方をするのが慣例になっています。また、2006年に大河ドラマのタイトルにもなった『功名が辻(こうみょうがつじ)』は、もとは司馬遼太郎作の小説のタイトルで、「その後、出世する人の人生の分岐点」というような意味合いです。ちなみに、この小説は、妻の内助の功によって出世したとされる武将・山之内一豊とその妻、千代の夫婦愛を描いた歴史小説です。
改めて「功名」という熟語の話題に戻しますと、熟語としては「こうみょう/こうめい」どちらで読んでも正解です。さて、2問目にまいりましょう。
【問題2】「経上る」ってなんと読む?
「経上る」という日本語の正しい読み方をお答えください。
ヒント:「下位から出世する。成りあがる」「多くの年をへる」「うえにのぼる」などの意味をもつ言葉です。
<使用例>
「今回の人事で、部長は一気に理事長に経上ったのよ!」
…さて、正解は?
※「?」画像をスクロールすると、正解が出てまいります。
正解は… 経上る(へあがる) です。
「経(へ)る」と「上(あ)がる」が合体した言葉で、「低い身分から成り上がる」という意味でも使用される言葉です。「あがる」という言葉の表記は通常「上がる」と、送り仮名2文字で表記しますが、この言葉に関しては慣例的に「経上る(へあがる)」という表記もあり、この表記が国語辞典にも掲載されています。ポイントは「へのぼる」とは読まない、というところで、「経上(へあが)る)」と、ひとつながりで覚えて使うべき言葉です。
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本日は、5月5日『こどもの日』『端午の節句』にちなんで、「出世」という意味をもつ日本語から、
・功名(こうみょう/こうめい)
・経上る(へあがる)
の読み方をおさらいいたしました。
- TEXT :
- Precious.jp編集部
- BY :
- 参考資料:『精選版 日本国語大辞典』『デジタル大辞泉』(株式会社小学館)/一般社団法人日本記念日協会ウェブサイト/『漢字ペディア』(公益財団法人日本漢字能力検定協会)
- ILLUSTRATION :
- 小出 真朱