「閨秀」ってなんと読む?「もんしゅう」ではありません!
明日、5月12日は『看護の日』です。これは「多くの人に看護についての理解を深めてもらう」という目的で制定された記念日で、この日を中心に、看護についての啓発イベントなども行われるようです。日付は、1820年の同日、フローレンス・ナイチンゲールの誕生日にちなんでおり、この日は、国際看護師協会の定めた『国際看護の日』でもあります。
ナイチンゲールといえば、「クリミアの天使」と呼ばれるなど、優しく慈愛に満ちたイメージをお持ちの方が多いと思いますが、それだけではない、大変優秀で革新的な考え方をもった人でもありました。イタリアの名家に生まれたナイチンゲールは、当時は身分の低い人々の職業と考えられていた看護の仕事に、家族の大反対を押し切って従事し、戦地での看護の経験をもとに、統計データなども用いて、看護の専門家の育成や、公衆衛生学の発展に寄与した、大変な偉人です。
本日は、ナイチンゲールを思わせるような「褒め言葉」に関連した日本語クイズをお送りします。
【問題1】「閨秀」ってなんと読む?
「閨秀」という日本語の正しい読み方をお答えください。
ヒント:「学問や芸術などに優れた女性。才能豊かな婦人」を意味する言葉です。
<使用例>
「ナイチンゲールは、ノブレス・オブリージュの精神を体現した閨秀だったのね」
…さて、正解は?
※「?」画像をスクロールすると、正解が出てまいります。
正解は… 閨秀(けいしゅう) です。
褒め言葉のバリエーションは、大人の会話の大切)なエッセンスとなりますので、覚えておきたいですね。例文に「ノブレス・オブリージュ(noblesse oblige)」という言葉が登場しましたが、こちらはフランスで生まれた言葉で「身分の高いものはそれに応じて果たさねばならぬ社会的責任と義務がある」という、欧米社会における基本的な道徳感をあらわす言い回しです。ナイチンゲールは名家の出身であったことから、王族に招かれて戦地の看護の現状を王族に報告するなどの機会も駆使し、まさに「ノブレスオブリージュ」を体現した人物でもありました。
…さて、2問目にまいりましょう。
【問題2】「恬淡」ってなんと読む?
「恬淡」という日本語の正しい読み方をお答えください。
ヒント:「欲がなく、ものごとに執着しないこと。また、そのさま」という意味の言葉です。
<使用例>
「ナイチンゲールは、大変な名家に生まれながら、地位や名誉には恬淡な人物だったのね」
…さて、正解は?
※「?」画像をスクロールすると、正解が出てまいります。
正解は… 恬淡(てんたん) です。
ナイチンゲールの生まれたころは、富裕層の婦人は、ほどこしはしても、自らが身分の低い人々のために現場で働く…という事が考えられないような時代でした。そうした常識をくつがえし、本当の意味で社会のために奉仕した、革新的で勇気ある偉人だったのです。
***
本日は、5月12日『看護の日』にちなんで、フローレンス・ナイチンゲールの逸話とからめた「誉め言葉」から、
・閨秀(けいしゅう)
・恬淡(てんたん)
の日本語の読み方をおさらいいたしました。
- TEXT :
- Precious.jp編集部
- BY :
- 参考資料:『精選版 日本国語大辞典』『デジタル大辞泉』(株式会社小学館)/公益社団法人日本看護協会ウェブサイト/『学習漫画人物館ナイチンゲール』(株式会社小学館)/『漢字ペディア』(公益財団法人日本漢字能力検定協会)
- ILLUSTRATION :
- 小出 真朱