「腹黒い」は心の中で悪巧みを図っている人を指して使う言葉です。善良そうに見えて、あるいは優しそうに見えて、実はお腹の中に黒いもの(悪)を抱えている…、そんな人を「腹黒い」と言うのです。近くに寄りたくないですね! 今回は「腹黒い」の意味や使い方、「腹黒い人」への対処法を解説します。

【目次】

少々古風な響きの言葉です。
少々古風な響きの言葉です。

【「腹黒い」を正しく理解するための「基礎知識」】

■意味

「腹黒い」は「心に何か悪巧みをもっている」、「陰険で意地が悪い」という意味の言葉です。人は一見するだけではお腹の中まで見通せませんから、「腹黒い人」はすぐに見分けられません。疑い深くはなりたくないですが、注意が必要です。


体的な「特徴」は?】

ぱっと見の印象ではわからない、「腹黒い人」の特徴を挙げてみましょう。「腹黒い人」を回避するヒントになるかもしれません。

■相手によって態度を変える。

■お世辞がうまく、本音は明かさない。

■自分に不利な状況になるといつの間にかいなくなる。

■狡猾で計算高い。

■出世欲など上昇志向が強い。

■噂の「出所」になることがある。

■プライドは高いが、実は小心者。

■自分のことは話さない割に詮索好き。


【「使い方」がわかる「例文」4選】

「腹黒い」はネガティブな意味で使われることが多い言葉です。

■1:「助けると見せかけて最後に梯子(はしご)を外すとは、いかにも彼らしい、腹黒いやり方だ」

■2:「彼女は善良そうに見えて実は腹黒いから注意したほうがいいよ」

■3:「政治家は腹黒いというのが一般に広がるイメージだ」

■4:「部長はもう失脚確定ねと優しく微笑む彼女の片えくぼを見つめながら、私は腹黒い人とはこの人のこと…と背筋が寒くなった」


【「腹黒い」の「類語」「言い換え」表現】

■悪賢い

■ずる賢い

■小賢(こざか)しい

■狡猾(こうかつ)

この4つの言葉と「腹黒い」に共通する意味は、「悪いところなどによく知恵が回る様子」です。違いは、「腹黒い」が腹の中で何やら企んだりよからぬことを考えていたりするさまを表すのに対して、「悪賢い」「ずる賢い」「小賢しい」は、本人に知恵があるものの、その知恵が悪いことに使われるさまを表しているところです。「狡猾」は、悪賢くてずるいさまを表します。

■陰険

「陰険」は、「上辺はよさそうでも内心はねじけていること」。「知恵が回る」という意味は含んでいません。


【「腹黒い」の「対義語」は?】

心の中が清く正直であることを表す「腹白(はらじろ)」という言葉があります。そのほかに、「善良」や「真面目」「誠実」なども、「腹黒い」の対義語と言えるでしょう。


【「腹黒い」人の「対処法」は?ビジネスでの付き合い方】

腹黒い人に弱みを見せてしまうと、ビジネスで足を引っ張られる可能性があります。親身になってくれる人、味方になってくれる人は大切にしたいものですが、もし、「この人、腹黒いかも…」という思いが1度でもよぎったら、その時点からでも適度な距離感を保つのがベター。「最低限の仕事だけの付き合い」にとどめ、相手の愚痴や悪口に乗って調子を合わせたりすることがないよう、注意深く接しましょう。

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「腹黒い」はごく稀に「要領がいい」といった意味でポジティブに使われることもあります。とはいえ、「腹黒い」を褒め言葉と捉える人はまずいませんから、人を評価するとき使う際には、くれぐれも注意してください。

この記事の執筆者
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