「図体」ってなんと読む?「ずたい」ではありませんよ!
明日・5月25日は『納本制度の日』です。「納本制度」とは国内の出版物を国の公的機関に納入することを義務付ける制度のことで、その受付を開始した1948(昭和23)年5月25日にちなんで制定されました。納本の多くは国立国会図書館で閲覧することができますが、みなさま、国立国会図書館の所蔵点数、何点くらいかご存じでしょうか? 最新の令和3年度版の『国立国会図書館年報』によれば、なんと4621万7530点!…とてつもない数ですね。
国立国会図書館は、現在、全国に3か所で開架されており、東京本館(東京都千代田区)、関西館(京都府相良郡)、国際子ども図書館(東京都台東区)がございます。来館しての閲覧のほか、昨今では、データ化した蔵書へのデジタルでのアクセスや、複写などのサービスも受け付けています。現代は、ネット上で多くの情報を得られる時代ですが、即時性が高い情報というのは、真贋の吟味が十分ではありません。確実な情報を求めている場合は、校正等を経て世に出されている出版物から検索する…という方法はとても有効です。こうした国のサービス、ぜひ活用いたしましょう。本日はまず「図書」の「図」という字の入った日本語クイズからお送りします。
【問題1】「図体」ってなんと読む?
「図体」という日本語の正しい読み方をお答えください。
ヒント:「人や動物のからだ。体格」という意味の言葉で、一般的に「大きなからだ」の意味を込めて用いられます。また、建造物などを指すこともあります。
<使用例>
「まあまあ、この図書館は、さすがの図体ねえ…!」
…さて、正解は?
※「?」画像をスクロールすると、正解が出てまいります。
正解は… 図体(ずうたい) です。
「図体(ずうたい)」という読み方は、漢字の組成から考えると「図」を変則的に読んだ形になりますが、この言葉は「胴体(どうたい)」が音変化した言い回しだという説が有力です。例文の「この図書館は、さすがの図体ねえ」という言い回しは、「この図書館は、大変立派で面積の広い、大きな建物ですね」と、「広く大きな建物=図体」に感嘆した様子を意味しています。「図体(ずうたい)」は、人や動物に使う場合も、一般に「大きな体格」を表現します。
さて、2問目は、『納本制度』が「知的活動の記録の継承」であることから、「継」という字の入ったクイズです。
【問題2】「継粉」ってなんと読む?
「継粉」という日本語の正しい読み方をお答えください。
ヒント:「粉を水などでこねるとき、こなれないで粉末のまま固まった部分。だま」のことです。
<使用例>
「お出汁たっぷりのたこ焼き作りに挑戦しているんだけど、生地に継粉ができやすくて、難しいわ」
…さて、正解は?
※「?」画像をスクロールすると、正解が出てまいります。
正解は… 継粉(ままこ) です。
粉類を加工する際の「だま」に、こんな正式名称(?)があること、みなさま、ご存じでしたか? 日本語は、本当に表現の幅の広い言語ですね。『納本制度』は「知的活動の記録の継承」ですが、さまざまな日本語の表現を知り、使いこなすことは、私たち一人一人でも行える「文化の継承」になるのではないでしょうか?より多くの日本語を、素敵に使いこなせる、語彙力の高い大人を目指してまいりましょう!
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本日は、5月25日『納本制度の日』にちなんで、「図」「継」という字をピックアップし、
・図体(ずうたい)
・継粉(ままこ)
の日本語の読み方をおさらいいたしました。
- TEXT :
- Precious.jp編集部
- BY :
- 参考資料:『精選版 日本国語大辞典』『デジタル大辞泉』(株式会社小学館)/国立国会図書館ウェブサイト/『国立国会図書館年報(令和3年度版)』/ 『漢字ペディア』(公益財団法人日本漢字能力検定協会)
- ILLUSTRATION :
- 小出 真朱