「ろうろう」と読む畳語、あなたはどの字をイメージしますか?
明日・6月2日は、6を「ロー」と読む語呂合わせにより、『ロープの日』『ローズの日』など、複数の記念日に制定されています。『ロープの日』は、ワイヤロープ業界の認知度向上と安全の啓蒙を目的とする記念日、『ローズの日』は、バラの産地として名高いブルガリアの風習にちなんだ記念日です。…日本でも、この時期は各地でバラが美しい季節ですので、鑑賞や撮影でお出かけするのも楽しそうですね。ということで、本日は「ロー(ろう)」と読む字の入った日本語クイズをお送りします。
【問題1】「ろうろう」と読む熟語はどれ?
次の選択肢の中から、「ろうろう」と読む熟語として成立しているものを、すべて選んでください。
1:朗朗
2:浪浪
3:老老
4:朧朧
…さて、正解は?
※「?」画像をスクロールすると、正解が出てまいります。
正解は… 1、2、3、4すべて です。
「朗朗(ろうろう)」は「音声が澄んでよく通るさま」という意味で、「朗朗とした声」「朗朗と挨拶する」のように使います。「浪浪(ろうろう)」は「さまよい歩くこと。仕える主人のないこと」「水や涙など、液体の流れるさま」という意味で、「現在は浪浪の身」「川は今日も浪浪と流れ…」のように使います。
「老老(ろうろう)」は「非常に年老いたさま」と、「老いていること」を強調する言葉です。昨今、社会問題となっている「老老介護」などに使われる「老人が老人を」「両方とも老人なのに」というニュアンスでの使い方は、現代的な造語です。もともとある一般名詞「老老」の意味とは異なります。「朧朧(ろうろう)」は「おぼろにかすんださま。かすかに明るいさま」という意味で、「朧朧とした月明りでは、光源としてたよりない」というように使います。
さて、2問目も「ろう」と読む字の入ったクイズです。
【問題2】「牢籠」ってなんと読む?
「牢籠」という日本語の正しい読み方をお答えください。
ヒント:「引きこもること」「苦境に立つこと」「言いくるめ、術中にはめること」などの意味をもつ言葉です。
<使用例>
「職を離れて1か月休む…ということは珍しくないけれど、休みをエンジョイせずに牢籠生活、というのは、ちょっと気になるわね」
…さて、正解は?
※「?」画像をスクロールすると、正解が出てまいります。
正解は… 牢籠(ろうろう) です。
「牢籠(ろうろう)」という熟語に使われている「牢」は常用漢字ではありませんが、「牢獄」「堅牢」など、ポピュラーな熟語に使う字ですので、常識の範囲で読めますね。一見難しい「籠」のほうは、実は常用漢字で「ロウ」「かご」「こ(もる)」などと読む字です。複数の読み方があるので、こちらのほうがどう読むかで迷いますが、「牢籠(ろうろう)」が正解でした。ちなみに、似たような「ひきこもる」というイメージのある「籠城(ろうじょう)」という熟語は、もともと「敵に囲まれて、城に立てこもる」という意味ですので「こもった人にとって、外に敵しかいない」というニュアンスをもつ言葉です。
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本日は、6月2日『ロープの日』『ローズの日』にちなみ、「ロー(ろう)」と読む字の入った日本語から、
・朗朗(ろうろう)
・浪浪(ろうろう)
・老老(ろうろう)
・朧朧(ろうろう)
・牢籠(ろうろう)
の読み方、言葉の背景などをおさらいいたしました。
- TEXT :
- Precious.jp編集部
- BY :
- 参考資料:『精選版 日本国語大辞典』『デジタル大辞泉』(株式会社小学館)/一般社団法人日本記念日協会ウェブサイト/ 『漢字ペディア』(公益財団法人日本漢字能力検定協会)
- ILLUSTRATION :
- 小出 真朱