東京・目黒で90年以上の歴史を歩んできた「ホテル雅叙園東京」。今なお大切に受け継がれている日本画や美術工芸品は、実に2,500点にもおよびます。
1FにあるPATISSERIE「栞杏1928」では、スイーツでも日本の伝統美を表現したいというペストリー料理長の想いから、趣向を凝らした数多くの作品が販売されています。
2023年6月14日(水)には新商品として、天井画ショコラ「八景」を販売開始。本記事では8種類のショコラを実食し、そのお味をご紹介します。
2023年6月14日(水)販売開始!天井画ショコラ「八景」
“持ち帰れるアート”をコンセプトととした、天井画ショコラ「八景」。ホテルの天井や壁を彩る花鳥画や美人画、江戸時代の参勤交代をモチーフとした彫刻からのひとコマを切り取った武士など、8つの景色をショコラに写し取った作品です。
鮮やかな色彩で繊細な絵が描かれたショコラは、ひとつひとつが本物の美術品のよう。質感のよい木箱や銀色の蓋からも、品位が感じられます。
フレーバーも全部で8種類。「ほうじ茶」「トロピカルペッパー」「紫蘇」「抹茶」「オレンジアールグレイ」「カシスフィグ」「バニラ」「山椒」と、バラエティに富んだ味わいも魅力のひとつです。
天井画ショコラ「八景」を実食レポート
■1:深みのあるお茶の香ばしさが楽しめる「ほうじ茶」
華やかな桜の絵画が描かれたこちらは「ほうじ茶」のフレーバー。マイルドなミルクチョコレートのガナッシュに、ほうじ茶を合わせたひと品です。
口いっぱいに広がる深みのあるお茶の香ばしさが、チョコレートの甘みとマッチして、とってもおいしくいただけました。濃厚な口当たりも堪能できます。
実際に桜が描かれているのは、ホテル雅叙園東京内、和室宴会会場「竹林」。日本画家である吉田登穀(とうこく)氏により、天井には36面の花卉図(かきず)が、欄間には孔雀百態図が描かれています。
天井画ショコラ「八景」では、「竹林」の天井に描かれた2つのお花がモチーフとなっており、ほうじ茶フレーバーの「桜」はそのひとつです。
■2:フルーティーな甘酸っぱさが楽しめる「トロピカルペッパー」
こちらの「菖蒲」の絵が描かれたショコラもまた、「竹林」の天井画のお花がモチーフとなったひと品です。
味わいは「トロピカルペッパー」。高カカオ分のガナッシュに、トロピカルフルーツのパートドフリュイを合わせたショコラで、フルーティーな甘酸っぱさを楽しむことができます。
粒状のピンクペッパーが加えられており、ピリッとした味わいや舌触りがアクセントになっています。甘さ、酸味、辛みのバランスも◎。トロピカルフルーツの味わいは、夏らしさを感じられました。
■3:しっかりと渋みや香りを楽しめる「抹茶」
江戸時代の参勤交代をモチーフとしたショコラのフレーバーは「抹茶」。ホワイトチョコレートのガナッシュに、香り高い抹茶を混ぜ込んだひと品です。
抹茶好きにはたまらない、濃厚なお茶の味わいや香りを楽しめるショコラです。なめらかでまろやかなチョコレートの口あたりの中に、しっかりと抹茶の渋みや深みも感じられます。
こちらのショコラの絵柄は、ホテル4Fにある和室宴会場玄関の天井を彩る彫刻の一部に見られます。和室宴会場玄関には旧目黒雅叙園の玄関が移築再現されており、絢爛豪華な空間が広がります。
宴席に参加する方しか入ることのできない2~4Fのバンケットエリア。天井画ショコラ「八景」では、「この特別なエリアのアートを一般のお客さまにもお披露目したい」という想いから、6つの景色をバンケットエリアの回廊からセレクトしているそうです。
■4:プチプチとした食感も楽しい「カシスフィグ」
「カシスフィグ」のおいしさにも注目です。いちじくのガナッシュに、カシスのパートドフリュイを合わせたひと品で、華やかなカシスの味わいを堪能できます。
甘みや酸味のバランスだけでなく、いちじくのつぶつぶ感やとろけるような舌触りといった食感もぜひお楽しみあれ。
こちらは大正ロマンの社交場をイメージした、4F バンケット・花苑の壁面のひとつがモチーフとなっています。お部屋の華やかな雰囲気そのものを、味わいやショコラの見た目からも感じられます。
■5:爽やかな和の味わいを堪能できる「紫蘇」
美人画の描かれたこちらのショコラのお味は「紫蘇」。ビターなガナッシュに大葉がさわやかに香るひと品です。
今までに味わったことのない味わいで、驚きも楽しめました。ふわっと香る紫蘇の風味は決してショコラのおいしさを損なうことはありません。甘みにうまくマッチして、調和のとれたおいしいショコラでした。
美人画はバンケットエリアの4F、回廊の天井に施されています。人物の表情や衣装まで再現されたショコラの繊細さには、思わず感嘆の声を挙げてしまいそう。
■6:アマレットをしのばせた「バニラ」
こちらは「バニラ」。濃厚なバニラ風味のミルクガナッシュの隠し味はアマレットです。なめらかなくちどけの中に、どこかナッツのようなコクのある味わいや奥行きが感じられます。
こちらの図柄は、同じくバンケットエリア・回廊で見ることができます。回廊には階数によって違ったデザインが施されており、2Fには四季の花々、鳥、風景、3Fには花鳥画、4Fには美人画を見ることができます。
■7:清涼感ある後味が特徴的な「山椒」
「山椒」フレーバーのショコラです。こちらの図柄もバンケットエリア・回廊にて見ることができます。
ビターなガナッシュに山椒を混ぜ込むことで、カカオのうま味を引き出したひと品。甘さ控えめのショコラに、ピリッとした山椒の辛みやプチプチとした山椒の実の食感を楽しむことができます。ㇲッと清涼感ある後味が特徴的でした。
■8:2層のガナッシュがおいしい「オレンジアールグレイ」
「オレンジアールグレイ」は、アールグレイのミルクチョコレートと、グランマルニエを効かせたオレンジの2層のガナッシュからなるショコラです。
ショコラの中にふんわりとアールグレイが香り、一方で柑橘の苦みや甘酸っぱさを感じられる楽しいショコラでした。濃厚ながら、すっきりとした後味も特徴のひとつです。
こちらの扇の図柄も、バンケットエリア・回廊にて見ることができます。
12種類のフレーバーが楽しめるクッキー缶も同時発売!
ホテル内の美術品の数々から印象的な作品をモチーフにしたデザイン缶の中に、食感や味わいの異なるクッキーをぎっしりと詰め合せた「クッキー缶」も同時発売。
フレーバーはごま、バター、ココア、きなこ、焼きショコラレモン、和三盆、いちご、焼きショコラミルク、山椒ココア、抹茶、キャラメル&ヘーゼルナッツ、紅茶と、和洋さまざまな味わいが楽しめる12種類です。
食べたあともとっておきたくなるような美しい缶のデザインは、種類違いで欲しくなりそうですね。
8種類の異なる味わいと、異なる図柄の描かれた天井画ショコラ「八景」。
「トロピカルペッパー」や「カシスフィグ」など、プティガトーのような華やかさが込められたショコラから、「山椒」「ほうじ茶」「紫蘇」など和素材を取り入れたショコラまで、パティシエのこだわりが詰まった、まさに宝石箱のようなショコラボックスです。
「クッキー缶」とともにご自宅で楽しむのはもちろんのこと、手土産や、目上の方への贈り物にも好適です。ぜひ「ホテル雅叙園東京」の実際の天井画や壁画を楽しむとともに、美しいショコラを手に取ってみてはいかがでしょうか。
問い合わせ先
- ホテル雅叙園東京 PATISSERIE「栞杏1928」
- 営業時間/11:00~20:00
- TEL:03-5434-5230(11:00~20:00)
- 住所/東京都目黒区下目黒1-8-1 ホテル雅叙園東京1F
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- TEXT :
- 伊東ししゃも 編集者・ライター
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- EDIT :
- 小林麻美