【目次】

自由が丘ってどこにあるの?「場所」

自由が丘「女神通り」にある子供服の「プチバトー」路面店。自由が丘周辺の通りの名は、そのほかに「マリクレールストリート」、「メイプルストリート」、「ヒルサイドストリート」など個性的でおしゃれな名称だ。
自由が丘駅からほど近い「女神通り」にある「プチバトー」路面店。自由が丘駅周辺の通りの名は、そのほかに「マリ・クレールストリート」、「メイプルストリート」、「ヒルサイドストリート」など、個性的でおしゃれな名称が付いている。

おしゃれな高級住宅街として人気の高い自由が丘があるのは目黒区の南端。東急東横線と東急大井町線が交差する所で、南側は世田谷区に接しています。自由が丘駅周辺には、人気アパレルショップや雑貨店、レストランなどの個性的な路面店が連なるストリートが広がっていて、ショッピングの楽しい街です。

自由が丘の高級住宅街。低層住宅が並ぶ。
自由が丘の高級住宅街。豪邸、と呼ぶにふさわしい住宅が並ぶ。

自由が丘駅から5分ほど歩くと一戸建ての多い閑静な住宅街になります。高級住宅街の辺りは上りと下りの坂が連続する凸凹した地形が特徴的です。

自由が丘の「最寄り駅」

自由が丘駅前広場にある自由の女神像「あをそら」。街のシンボルだ。
自由が丘駅前広場にある自由の女神像「あをそら」はこの街のシンボル。

自由が丘エリアの最寄り駅はズバリ自由が丘駅で、東急東横線と東急大井町線の2路線が通っています。東急東横線は渋谷駅と横浜駅を走る電車で、みなとみらい線や、東京メトロ副都心線と相互直通運転をしています。さらに東京メトロ副都心線は、東武東上線や西武池袋線と相互直通運転をしているため、自由が丘駅にはさまざまな車両が通過します。横浜方面から埼玉方面までアクセスが便利な駅です。東急大井町線は、大井町駅から二子玉川駅を通って溝の口駅を結んでいます。

自由が丘の「地図」

自由が丘の「歴史」と「由来」

「学園通り」という名前の通り。「自由ヶ丘学園高等学校」前の通りだ。写真左手には「SHIRO」があり、カフェが併設されていて人気が高い。
「自由ヶ丘学園高等学校」に面する「学園通り」。写真左手は人気コスメショップ「SHIRO」の路面店で、カフェが併設されていて人気が高い。

自由が丘や、隣の緑が丘一帯は、江戸時代以来の字名「谷畑(やばた)」と呼ばれ、竹やぶや畑などがある農村地帯でした。

この地域は、大正時代の末から耕地開拓が進みます。昭和2(1927)年に東横線が開通し、自由が丘にできた駅は、現在は隣の駅名である「九品仏駅」と名付けられました。 そして 翌年の昭和3年に「自由ヶ丘学園」が開校。創設者の手塚岸衛氏が、自由主義教育を掲げて幼稚園から旧制の小学校と中学校までの学園をこのエリアにつくりました。昭和4年に大井町線が大岡山から二子玉川まで延長されるにあたり、 「 九品仏駅」が実際の寺のある表参道口に設けられることになります。そのため、駅名を変更する必要がありました。そこで採用されたのが、「自由ヶ丘」の名前です。

自由が丘1丁目にある熊野神社。この地域の氏神さまで「谷畑の権現さま」と呼ばれ親しまれている。木々に囲まれた場所だ。
自由が丘1丁目にある熊野神社。この地域の氏神様で「谷畑の権現様」と呼ばれ親しまれている。

「自由が丘」の名前の由来にも関連している現在の「自由ヶ丘学園高等学校」は手塚岸衛氏が幼稚園、小学校、そして旧制中学校からなる「自由ヶ丘学園」を創設したのが始まり。その後、昭和34年に中学校を休校とし、校名が「自由ヶ丘学園高等学校」となります。ずっと男子校でしたが、令和5年度から共学になりました。一方、幼稚園と小学校は、昭和12年に、リトミック教育の第一人者である小林宗作氏が引き取る形で幼小一貫教育の「トモエ学園」となります。世界的な大ベストセラーとして知られる黒柳徹子さんの自伝的著書『窓ぎわのトットちゃん』のトットちゃんが通っていた学校としても有名です。昭和38年から休校、昭和53年に廃園となりましたが、同窓生などの有志によって昭和63年にその跡地である自由が丘2丁目のピーコップストア 自由が丘店の店頭に記念碑が建てられました。現在は、自由が丘商店街振興組合が管理、維持をしています。

写真右側の「自由が丘デパート」は、駅前ロータリー広場の横にある。左側のビルは現在工事中で新しい建物ができるようだ。
写真右側は駅前ロータリー広場の横にある「自由が丘デパート」。左側のビルは現在工事中でリニューアルされる。

戦後の自由が丘の復興は闇市に始まります。穀物や野菜、果物などを売る露天商が軒を連ね、周辺地域からは物資を求めてたくさんの人が自由が丘にやって来ました。当時の闇市があった場所には現在は「自由が丘デパート」があります。開業は昭和27年。約100店舗の小さな店がたくさん集まった商店街のような建物です。

自由が丘の「由来」とは?

栗山久次郎翁の銅像。熊野神社参道の木立の中に建っている。
栗山久次郎翁の銅像。自由が丘・緑が丘熊野神社参道の木立の中に建っている。

「自由が丘」という町名表記になったのは昭和40年の住居表示実施のとき。その前までは「自由ヶ丘」と、「が」は「ヶ」でした。この「自由ヶ丘」という地名は、前出の「自由ヶ丘学園」が由来です。駅の名前にも「自由ヶ丘」が採用されると、この周辺に住む人が郵便物の住所表記に「自由ヶ丘」を使うようになり地名化します。

「自由ヶ丘」を町名にするために努力したのが、上の写真の栗山久次郎翁です。 自由が丘周辺の大地主でもあります。元碑衾村村長の久次郎翁は、東横線の敷設時には駅を誘致し、衾西部耕地整理組合長となってこの地域の開発に貢献しました。そして昭和7(1932)年、地域の発展を願う住民の意をもとにに地名が「碑衾町大字自由ヶ丘」と改名されました。

自由が丘の3つの「魅力」

■1:自由が丘駅周辺は買い物が楽しい場所です

自由が丘駅周辺の小径。石畳の小道などがあって風情がある。
自由が丘駅周辺の小径。石畳で風情がある。

自由が丘駅周辺は小径が多くあります。ヨーロッパを思わせる石畳の小径には、雑貨屋や子供服のお店、カフェなどが並んでいて、ショッピングの楽しい場所です。

ヴェネチアの街並を再現した「ラ・ヴィータ」。
べネチアの街並を再現した「ラ・ヴィータ」。

自由が丘は洋菓子店が集結したスイーツの激戦区としても知られるようになりました。老舗は、昭和20(1945)年に自由が丘にお店をオープンさせた洋菓子店「モンブラン」、昭和13(1938)年に自由が丘で創業した和菓子店「亀屋万年堂」です。1998年にはパティシエ・辻口博啓氏の洋菓子店「モンサンクレール」がオープンしました。そのほか、韓国で人気のスイーツを集めた「自由が丘スイーツフォレスト」や、スイーツ店の集まる「ラ・ヴィータ」も人気があります。マカロンで知られるパリの「ダロワイヨ」が海外進出の1号店を出したのも自由が丘。1982年の時で自由が丘駅前に店舗があります。

■2:街並みがきれいに整っています

九品仏川緑道。道の両側にはアパレルショップなどの商業施設が並んでいます。
九品仏川緑道。道の両側にはアパレルショップなどの商業施設が並んでいる。

自由が丘には、町会や商店会、街づくり活動団体などの多様な構成員による自由が丘の街づくり会社「株式会社ジェイ・スピリット」があります。この会社は、自由が丘らしい住宅ゾーン指針や商業ゾーン指針などを示した「自由が丘地区街並み形成指針」を定めています。自由が丘はそういった地元の人々の努力もあり、低層の建物が並んだとても居心地のよい空間をつくり出しています。また、平成24年度には「都市景観大賞 空間部門」を受賞しました。

自由が丘駅の南側には「九品仏川緑道」があります。この緑道は世田谷区の九品仏浄真寺付近を流れる九品仏川を昭和49(1974)年に暗渠化してつくられました。現在はきれいに整備されて、幅の広い通りの中央にはベンチが置かれ、自由が丘を訪れた人の憩いの場になっています。

■3:二子玉川や渋谷にアクセスしやすい場所にあります

自由が丘駅前ロータリー広場にはバスも豊富に通っている。駅前ロータリー広場は2011年にバリアフリー化され歩きやすくなった。
自由が丘駅前にはバスも豊富に通っている。駅前ロータリー広場は2011年にバリアフリー化され歩きやすくなった。

自由が丘駅から、巨大なショッピングモールなどがある子育て世代にも人気の「二子玉川駅」までは電車で8分程度です。ターミナル駅の「渋谷駅」までは、13分程度で到着できます。また、東急東横線は東京メトロ副都心線にも乗り入れをしているため、「新宿三丁目駅」までも15分程度、「池袋駅」までは20分程度です。みなとみらい線にも乗り入れをしているので、横浜の「みなとみらい駅」までは25分程度です。バスの路線も充実しており、東京医療センターや田園調布駅などに行くときはバスの利用も便利です。

***

自由が丘はスイーツの街、ショッピングの街の印象がありました。ですが店舗が並ぶ通りを抜けるとすぐに閑静な住宅街が広がり、至るところに緑もあり、とても心地よく生活ができそうな場所だと感じました。スーパーマーケットも複数あります。渋谷や横浜、二子玉川にアクセスがしやすいのも魅力的。ここに住んだら楽しい時間が過ごせそうです。

参考:目黒区ホームページ
   自由ヶ丘学園高等学校ホームページ
   亀屋万年堂ホームページ
     モンサンクレールホームページ
   モンブランホームページ
   自由が丘デパートホームページ
   株式会社 ジェイ・スピリットホームページ
この記事の執筆者
Precious.jp編集部は、使える実用的なラグジュアリー情報をお届けするデジタル&エディトリアル集団です。ファッション、美容、お出かけ、ライフスタイル、カルチャー、ブランドなどの厳選された情報を、ていねいな解説と上質で美しいビジュアルでお伝えします。
PHOTO :
AC,柳堀栄子
WRITING :
柳堀栄子