身長156cmのインテリアエディターDが、おすすめのアイテムを実際に体験しながらレポートする本連載。今回注目したのは、デンマークではとてもポピュラーな家具ブランド「スカゲラック バイ フリッツ・ハンセン」。その特徴は、シンプルで飽きのこないデザインにあります。なかでも、ベンチにもラウンジチェアにもベッドにもなる可変式アウトドア家具『リビエラ ラウンジ』は、これからの季節にぴったりのアイテム。

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京都の町家のディテールを思わせる佇まい。地面に落ちる格子模様の影も美しい。

美しい格子が日本の住宅ともなじみやすく、置くだけでかつて多くの家にあった縁側のような「家の中と外を緩やかに繋いでくれるスペース」を作ってくれる『リビエラ ラウンジ』。デンマーク製なのでプロポーションやディテールの効果で“和”に傾きすぎることなく、現代の暮らしに取り入れやすいシックな佇まいも嬉しいところ。その魅力や使い方をご紹介します。

スマートなデンマークデザインのアウトドア家具で暮らしをアップデート!

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【ブランド】スカゲラック バイ フリッツ・ハンセン 【商品名】リビエラ ラウンジ 【価格】¥438,900 【サイズ】幅2030×奥行き675〜1176×高さ330、座面高330(mm) 【材質】チーク材、ステンレススチール

コロナ禍を経てインテリア業界には空前のアウトドア家具ブームが訪れています。けれども、どれを選んだらいいのか違いがよくわからない、ほしいものが何なのかぼんやりしている…。実は私もそんな風に感じていました。

そんななか、訪れたのは「ニコライバーグマン 箱根 ガーデンズ」。この夏にデンマークを思いっきり楽しめる企画の一環で、庭園内に「スカゲラック バイ フリッツ・ハンセン」の家具が期間限定で設置されていると聞き、出かけてきました。

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左/散策路にあったのは経年変化が美しい無垢のチーク材のベンチ。右/気取らない丸脚の家具が自然の風景となじみます。

そこで発見したのは、屋外用も屋内用も同じ世界観でデザインしている「スカゲラック バイ フリッツ・ハンセン」の魅力。屋外用にデザインされたアイテムは、天然オイルを多く含むので耐久性が高く、重くて硬いチーク材を使用。屋内にはオーク材や真鍮など、用途に合わせて使用する素材を変えることで屋内外空間を曖昧に繋いでくれます。

「スカゲラック バイ フリッツ・ハンセン」では木材の93%がFSC認証(※1)を取得しており、2025年までにこの数字を100%にすることを目標としているのだとか。

※1:「FSC 認証」とは、認定されている第三者機関の審査を受け「適切に管理された森林でできた木材・製品に与えられるもの。

屋外家具なのにどこかシックでモダン、屋内家具なのにエレガントすぎなくて肩の力が抜けている。その絶妙なさじ加減が、たっぷりの植栽やお花と引き立て合うインテリアを作り出しています。こんなにも自然となじむインテリアスタイルの選択肢があるとは、とても新鮮な発見でした。シャビーシックなロマンチックさとは対極の、マスキュリンな魅力溢れる半屋外空間を「スカゲラック バイ フリッツ・ハンセン」なら演出できます。

簡単な操作で多様な過ごし方を演出してくれる『リビエラ ラウンジ』

なかでも『リビエラ ラウンジ』は、日本の住宅に無理なく取り入れやすいデザインなのも大きな魅力。というのも、防犯用の格子窓や縁側といった日本人にもなじみ深い格子状のディテールをしているから、等身大のまま、加えるだけで暮らしをアップデートできるのです。

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置き式の縁側のように設置すれば、これからの季節夕涼みやお風呂上がりなどに心地よい時間を過ごせそうです。
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左/背中を立ち上げればラウンジチェア仕様に。多機能な過ごし方のできる縁台のよう。右/奥行きを揃え、読書をしたい人と日光浴を楽しみたい人が並んでそれぞれの角度で過ごすことも可能。
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調節する際には少し持ち上げて引き出すのがコツ。女性一人でもスムーズに動かせました。
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左/角度調節は4段階とフルフラット。右/ロゴのメタルプレート。

最大限に広げても、一番荷重のかかる部分は格子が重なりしっかりとした強度を保つので、布団などを敷いてベッドとして利用することも可能です。テラスやお庭で手軽にグランピング気分を味わえ、星空を見ながら眠りにつくというのも素敵ですよね。また、家の中に入れて急なゲストのエキストラベッドにするもよし。普段の生活にちょっとしたレジャー感を気軽に取り入れることができる家具です。

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最大幅は1176mm。シングルやワイドシングルサイズのマットレスが置けます。

誠実な職人技と、環境への配慮という価値観に基づいたものづくりを徹底するデンマークブランド

1976年にデンマークで創業した「スカゲラック」は、デンマークではとてもポピュラーなデザインブランドです。その製品は、素材と美しさの両方の視点から、何世代にもわたって使える高品質で持続可能な家具として評価されています。数十年前に誕生したロングセラーもあれば、未来のデザイン史にその名を刻む新しいアイテムもあります。

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ブランド名は、拠点であるデンマーク北部とデンマークと北欧諸国を結ぶ「スカゲラック海峡」に由来。

2017年には「B Corp認証」(※2)を取得。さらにFSC認証を取得した木材を使用するなど、さまざまなデザイナーと共にサステナブルな家具を作り続けています。壊れた部材のみを交換するなどのメンテナンス対応も万全。パッケージにおいても使用する原料の量をできるだけ減らし、製品の輸送には飛行機よりも船や鉄道、トラックを積極的に使用しています。

※2:「B Corp認証」とは、公益性が高く、サステナブルで「良い企業」を認証する制度 。200の質問のうち80点以上を獲得する必要がある(一般的な企業の平均値は約50点)。2017年の最初の評価では、スカゲラックは87.2を取得。2020年は102.2点までスコアを伸ばしている。

 2022年に「フリッツ・ハンセン」の傘下に入り「スカゲラック バイ フリッツ・ハンセン」として新たなスタートを切りました。


今回は、「スカゲラック バイ フリッツ・ハンセン」のアウトドア家具、『リビエラ ラウンジ』をご紹介しました。

格子のディテールが京都の町家を思わせ、ノスタルジーと共に現代の暮らしに必要な余白を生活に作り出してくれる『リビエラ ラウンジ』。経年変化を愛でるデンマークの美意識は、私たち日本人にもなじみ深いものですよね。ぜひ、箱根で開催中のイベント「SKAGERAK SUMMER ESCAPE AT NICOLAI BERGMANN HAKONE GARDENS」やショールームで実物をご覧になってみてください。

※掲載商品の価格は、税込みです。

「SKAGERAK SUMMER ESCAPE AT NICOLAI BERGMANN HAKONE GARDENS」概要

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この記事の執筆者
イデーに5年間(1997年~2002年)所属し、定番家具の開発や「東京デザイナーズブロック2001」の実行委員長、ロンドン・ミラノ・NYで発表されたブランド「SPUTNIK」の立ち上げに関わる。 2012年より「Design life with kids interior workshop」主宰。モンテッソーリ教育の視点を取り入れた、自身デザインの、“時計の読めない子が読みたくなる”アナログ時計『fun pun clock(ふんぷんクロック)』が、グッドデザイン賞2017を受賞。現在は、フリーランスのデザイナー・インテリアエディターとして「豊かな暮らし」について、プロダクトやコーディネート、ライティングを通して情報発信をしている。
公式サイト:YOKODOBASHI.COM