「洒涙雨」ってなんと読む?「しゃるいう」ではありませんよ!
明日は7月7日、七夕ですね。…ということで本日は、「七夕」をキーワードにした日本語クイズをお送りします。
【問題1】「洗車雨」ってなんと読む?
「洗車雨」という日本語の正しい読み方をお答えください。
ヒント:「七夕の前日に降る雨」という意味の言葉です。
<使用例>
「洗車雨に濡れる、というのも風流だけれど、体調を崩さないようにね!」
…さて、正解は?
※「?」画像をスクロールすると、正解が出てまいります。
正解は… 洗車雨(せんしゃう) です。
七夕の前日に降る雨を「洗車雨(せんしゃう)」と呼ぶのは、牽牛(彦星)が織女(織姫)との1年に1度の逢瀬にそなえ、牛車を洗っている水が雨となって降ってくる…という、なんとも愉快な解釈があるからです。現代風に言うならば「気合の入ったデートの前にマイカーをウキウキと洗ってる牽牛くんのホースからのこぼれ雨」というところでしょうか?
さて、2問目は、七夕当日に雨が降った場合の呼び名です。
【問題2】「洒涙雨」ってなんと読む?
「洒涙雨」という日本語の正しい読み方をお答えください。
ヒント:「七夕に降る雨」を差す言葉です。
<使用例>
「あいにくの洒涙雨だけど、晴れた場所もあるから、恋人たちの逢瀬はかなったかしらね」
…さて、正解は?
※「?」画像をスクロールすると、正解が出てまいります。
正解は… 洒涙雨(さいるいう) です。
「洒涙雨(さいるいう)」は、ウキウキした雨ではなく、七夕当日に天の川が氾濫して恋人たちの逢瀬をさまたげる年の涙雨、または、恋人たちが別れを惜しむ涙雨、などと言われております。いずれにしても悲しい雨、という形ですが、世界規模で見れば、雨の降っていない地域もあるでしょうから、そこで牽牛と織女が無事に会えた、と考えると良いかもしれません(笑)。
ちなみに、有名な仙台の七夕まつりなど、七夕を陰暦で行う地域も多々、ございます。「洗車雨(せんしゃう)」「洒涙雨(さいるいう)」とも、季語としては「陰暦の七夕」を基準に「秋の季語」とする場合もありますが、言葉は時代に即して理解するものでもありますので、お住いの地域の慣習に併せて「七夕に関する言葉」という理解で問題ないでしょう。
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本日は、「七夕」にちなんだ日本語から、
・洗車雨(せんしゃう)
・洒涙雨(さいるいう)
などの読み方をおさらいいたしました。
- TEXT :
- Precious.jp編集部
- BY :
- 参考資料:『精選版 日本国語大辞典』『デジタル大辞泉』(株式会社小学館)/一般社団法人日本記念日協会ウェブサイト/貴船神社FACEBOOK/『佐賀新聞ウェブ版』(2021年7月5日)/『漢字ペディア』(公益財団法人日本漢字能力検定協会)
- ILLUSTRATION :
- 小出 真朱