「不本意」という言葉は、ビジネスのさまざまなシーンで用いられています。「不本意ながら、今回のお申し出は辞退させていただきます」「部長の決断が不本意であることは明らかだ」といった例文を見ても、ポジティブワードではないことがわかりますね。今回はこの「不本意」について学びましょう。

【目次】

「送付させていただきます」より「送付いたします」が正解?
「不本意」や「理不尽」は人生につきもの…「次っ!」と切り替えていきましょう!

【「不本意」の基礎知識】

■読み方

「不本意」で「ふほんい」と読みます。

■意味

本意に反すること、自分の望むところでないこと、またそのさまを表す形容動詞です。断りや謝罪のシーン、行動の停止を余儀なくされた場合などに使います。

■使い方

ビジネスシーンでは、自分の望みや理想とは違う場合に、「不本意だったが承諾するしかなかった」「不本意ながらこういう事態とあいなりました」というように使います。ややかしこまった言い方で、やわらかいニュアンスもあり、礼儀を感じさせるので、「不服」「拒絶」を伝える際のエレガントな表現として覚えておくと便利です。ただし、「不本意ながらお断りします」といったことが続けば、相手は「不本意なら断らないでよ」と感じる場合も。軽々しく使うことは控えるべき言葉だということも覚えておきましょう。


【ビジネスでの「不本意」の使い方がわかる「例文」5選

■:「誠に不本意ではございますが、今回は不採用とさせていただきます」

■:「長引く天候不良につき、不本意ながらイベントは中止といたします」

■:「不本意な結果となりましたが、皆様のご尽力には大変感謝しております」

■:「不本意ながら、今回のプロジェクトから外れることになった」

■:「その日は出張中のため、誠に不本意でございますが参加することができません」


【「不本意」を言い換えると?】

■心ならずも

■意に反して

■やむを得ず、やむなく

■仕方なく

■心外

■納得いかない

■じくじたる思い

いずれも、悔しさや、心残りであることがわかる表現ですね。「不」が付く単語や熟語はたくさんありますが、ネガティブワードは視覚的な印象もよくありません。メールや手紙などでは「不本意」ではなく、言い換えフレーズを用いるのもいいかもしれませんね。


【英語で「不本意」はどう表現する?】

「不本意」は[unwillingness]や[reluctance]となります。そして、「不本意ながら」は[reluctantly][unwillingly][against one's will]です。

・He went out with his father reluctantly.(彼は不本意ながら父親と出かけた)

また、[I am very sorry, but~]は、「大変残念ではございますが~」という意味となり、「まことに不本意ですが」という気持ちを伝えたいときに使えます。

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たとえ「不本意」な業務や作業であっても、やり遂げればプラスになることがきっとあるはずです。経験は何よりの財産です。さぁ、今日も頑張りましょう!

この記事の執筆者
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参考資料:『日本国語大辞典』(小学館)/『デジタル大辞泉』(小学館)/『使い方のわかる 類語例解辞典』小学館/『プログレッシブ英和中辞典』(小学館) :