人生いろいろ♪ と歌った演歌歌手もいたけれど……私の人生もほんといろいろ。実は今年から9年ぶりのひとり暮らしに戻りました。そもそも私ごときがひとりでorふたりで暮らしていようが、Precious読者のみなさまにおかれましては何のご関心も持てないことかもしれませんが、それにしても9年ぶりのひとり暮らしはいろいろ心身にこたえます。

朝起きてさびしい。お茶淹れてさびしい。ごはん作る前にさびしい、というか作る気力が乏しい。食べてさびしい。夜寝る前にさびしい。という具合にほぼ1日中さびしい。おかげで仕事をする時間は多く取れますが、メンタルの基本がローなので、書く気力を奮い立たせることもなかなかひと苦労でして。

と、愚痴ばかり言っていても仕方ないか。休日も予定がなければ1日ソファでNetflixを見ながらぼーっとしてしまうため、これではいかん! と吉方位を取りに出かけることにしました。行先は、私の自宅から北東の方位で100キロ以上離れた場所……うん、日光に決めた。

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日光のパワースポットといえば、まず「日光東照宮」ですよね。

この“方位取り”とはなにか。私はまったくの素人ですので、あまり真に受けないでいただきたいのですが、まず「九星気学にもとづいて、自分にとっての良い方角へ引っ越したり、旅することで開運を導くこと」だそうです。ただ、旅するだけではなく、その土地のお水を飲んだり、温泉につかったり、お金を使うとより良いと言うことですが、その辺りは比較的得意なジャンル(笑)。まずはパワースポットとして名高い「日光東照宮」を参拝後、まだ一度も伺えていなかった「ザ・リッツ・カールトン日光」へ投宿することにしました。

「ザ・リッツ・カールトン日光」

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「奥日光の自然と調和する邸宅」をデザインコンセプトとした「ザ・リッツ・カールトン日光」

「ザ・リッツ・カールトン日光」は20年7月に開業。コロナ禍中でのオープンだったため、私はまだ伺えていなかったんですね。日光と言っても、いろは坂を上っていった中禅寺湖畔にひっそりと佇んでいるため、東照宮辺りの喧騒とは無縁です。私はバスで行ったのですが、バス停を降りた瞬間に、下界とは空気が違うことに気づきました。

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夕陽が沈む中禅寺湖。
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私が宿泊した中禅寺湖ビュースイートの客室。

低層階の客室は中禅寺湖へ向けて大きく窓を開いており、ナチュラルモダンなテイストのインテリアは居心地よし。バスルームからも中禅寺湖が見えて、洗面スペースも大きく、客室は私的に100点満点でした。でも、それ以上に心躍ったのがお食事でして……。

「奥日光カリナリージャーニー」

この日行われていたのは「奥日光カリナリージャーニー」。国内外のトップシェフを招いて、奥日光を舞台に特別なひとときを紡ぐ食のコラボレーションイベントということですが、なんとそこにいたのは「ARMANI / RISTORANTE」(東京・銀座)のカルミネ・アマランテシェフでした。このカルミネさんとは、国産サフラン「AKAITO」の産地である佐賀県鹿島市を一緒に旅したことがある旧知の仲。彼のお料理のファンでもある私にはラッキーな出来事でした。

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カルミネシェフ、イケメンなのに下向きの写真しかなくてごめんなさい。
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「卵 ペコリーノのエスプーマ ドライキャビア」
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「リソディセモラ“GENTILE” サフラン」(ミラノ風リゾットのようなお料理でした)に使われたサフランはもちろん「AKAITO」。

2日間に渡って行われたこのイベントの初日は鉄板焼きがテーマ。2日めは正統派のイタリアンということでしたが、私は2日めだったよう。クラシカルなイタリア料理が、カルミネさんの若々しい感性で解釈されたお料理はどれもすばらしいものでした。

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カルミネさんの故郷であるナポリの伝統的なスイーツ「ババ ナポレターノ」。

現在「ARMANI / RISTORANTE」では夏のコースを展開中ですので、ご興味ある方はぜひ銀座までお出かけください。

吉方位で新たな出会い⁉

さて、食べてばかりではなく、吉方位を取るための努力もしなくては。えっと……お水を飲んで、温泉につかるんでしたね。

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マリオットインターナショナルのカクテルコンペで優勝した「こまちのにわ」。

まずはバーで「雪化粧した男体山や中禅寺湖など、奥日光の冬景色が織りなす世界観」を表現したというカクテルを飲み、SPAで温泉につかったのち、フェイシャルトリートメント「モイスト・パール・フェイシャル」を受けました。お水(お酒だけど)を飲んで、温泉につかるというミッション、これでコンプリートです。楽勝だな(笑)。

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風呂敷にハンドルを組み合わせることで簡易な館内バッグの出来上がり。こちらに必要なものを入れてSPAに出かけました。

あ、そうそう。「MIKIMOTO」の真珠粉入りスキンケアでトリートメントしてくれる「モイスト・パール・フェイシャル」、これが本当に素晴らしかったです。施術後、1週間ほどモチモチ肌が持続しました。

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「ザ・リッツ・カールトン日光」の朝食。私は洋朝食をチョイスしました。

さて、顔はふわふわモチモチになったし、あとは朝食を食べてチェックアウトするか。施術後のぼんやりした頭でひとりエッグベネディクトをほおばっていたら……「都さん?」と隣のテーブルから声をかけられて、飛び上がりました。

そこにいたのは、以前カルミネシェフとご一緒した佐賀への旅で出会ったワタナベケンさん(嘘のような本名)ではありませんか。すっぴんでお会いしたのが痛恨ではありましたが、私もひとり、彼もひとりということでしばしコーヒーチャットを楽しみました。佐賀で始まった出会いが、日光で展じ、次はどこへつながるのかな。もしこの細い糸がこれからもつながっていくのであれば、この場でご報告させていただきます(笑)。

【施設情報】

ザ・リッツ・カールトン日光
TEL:0288-25-6666
URL:www.ritzcarlton.com/jp/nikko
住所:栃木県日光市中宮祠2482

問い合わせ先

ザ・リッツ・カールトン日光

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女性ファッション誌や富裕層向けライフスタイル誌、グルメマガジンの編集長を歴任後、アマゾンジャパンを経て独立。得意なジャンルに食、酒、旅、ファッション、犬と馬。
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秋山 都
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秋山 都