雑誌『Precious』では「My Action for SDGs 続ける未来のために、私がしていること」と題して、持続可能なよりよい世界を目指す人たちの活動に注目し、連載しています。

今回は、「Closiist.com」オーナー、ジュリー・ティバウルト・デュリーさんの活動をご紹介します。

ジュリー・ティバウルト・デュリーさん
「Closiist.com」オーナー
フランス・ニースから家族3人でN.Y.へ移住。’21年にオンラインショッピングサイト「Closiist.com」を立ち上げる。自宅兼オフィスはマンハッタンのオフィスビル群を望む人工ビーチから徒歩5分のところにある。

近所の、よいものを、環境に優しい配送で。SDGsなショッピングサイトを運営

世界中から望みのものを消費者の元に届けるショッピングサイト。しかし、それはどうしても環境への負荷とのセットになる。実際、世界のCO2排出量の10%は輸送と物流によるもの。それをなんとかしたいと思ったジュリーさんが立ち上げたのがショッピングサイト「クロージスト」だ。

「サイト名は、『Close=近く』に、主義者を意味する『ist』を加えた造語です。全米のショップを北東部、中西部、南部、西部の州ごとに分けて掲載することで、『近くの店でよいものを買う』という地産地消をオンラインショッピングで実現しています」

扱う製品は衣食住の多岐にわたり、オーガニックや、リサイクル材料でつくられたもの、ハンドメイドのもの、遺伝子組み換えでないもの、少量生産のものなど、環境に優しいものであることが大前提。そしてそれは配送も然り。

「配達に関して『環境に優しい』というのは、達成するのが難しい目標です。私たちは綿密な調査を行い、最終的にアメリカでは初の100%カーボンニュートラルな運送業者(※)を見つけました」

かつて、レストランのオープンを目指してフランス・ニースからN.Y.へ家族で移住してきたジュリーさん。コロナ禍によりその夢は一度絶たれたが、第二子の妊娠を機に、改めて環境保全を念頭に行動を開始した。環境に対する人々の意識を高めるべくYouTubeチャンネルも開設、参加者もどんどん増えているという。

「私たちは数か月で世界を変えることができるとは考えていません。でも、「買う」ということも含めて、私たちがとるあらゆる行動は、よりよい未来への貢献につながっていくと信じています」

【SDGsの現場から】

●商品を紹介するポップアップイベントも

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自宅の近くの人工ビーチにあるレストランで、商品紹介のポップアップイベントを行うことも。写真/Marie Gentine

●サステイナブルなネットショッピングを啓蒙中

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YouTubeチャンネル「Green for the Blue by Closiist」を主宰。消費者の意識を高めている。

※100%カーボンニュートラルな運送とは…トラック輸送などの際に発生する空きスペースを買い取り活用することで、運送による二酸化炭素の純排出量をゼロにするスタイル。

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PHOTO :
Hiroshi Abe
WRITING :
剣持亜弥(HATSU)
EDIT :
正木 爽(HATSU)、喜多容子(Precious)
取材 :
Junko Takaku