「和む」ってなんと読む?「わむ」ではありませんよ!
明日、8月6日は『平和記念日』です。1945(昭和20)年のこの日、広島に原子爆弾が投下され、約14万人もの命が奪われました。この歴史的悲劇に目をそむけることなく、犠牲となった人々の霊を慰め、世界平和を祈る日、と、広島市が提唱している記念日です。
本日は「平」「和」という字に関する日本語クイズをお送りします。
【問題1】「平す」ってなんと読む?
「平す」という日本語の正しい読み方をお答えください。
ヒント:「高低・凹凸をなくして平ら(たいら)にする」「平均する」という意味の言葉です。
<使用例>
「昨夜の雨で玄関前がぬかるんだから、掃除して平しておきましょう」
…さて、正解は?
※「?」画像をスクロールすると、正解が出てまいります。
正解は… 平す(ならす) です。
「平す(ならす)」という読み方は、漢字辞典の「平」の項には掲載されていませんが、国語辞典には「均す」という表記と並んで「ならす」の項に掲載されている、慣例的な読み方です。意味合い的には納得ですね。大人の知識として覚えておきましょう。
さて、2問目にまいりましょう。
【問題2】「和らぐ」ってなんと読む?
「和らぐ」という日本語の正しい読み方をお答えください。
ヒント:中学校で習う常用漢字の読み方です。
<使用例>
「子どもたちの楽しそうな様子には、見ている方も気持ちが和らぐわね」
…さて、正解は?
※「?」画像をスクロールすると、正解が出てまいります。
正解は… 和らぐ(やわらぐ) です。
「和らぐ(やわらぐ)」という言葉、「柔らか」「軟らか」などの字でも良いのでは? と思ってしまいそうですが、これらの字で「やわらぐ」という言葉を表記するのは、誤用です。
「和らぐ(やわらぐ)」という言葉の意味は、「程度の甚だしかったものが穏やかな状態になる」「なごやかになる」「打ち解けてむつまじくなる」「柔らかくなる。しなやかになる」などで、物理的に柔らかくなることだけでなく、感情が凪いでいく様子を広く表現する言葉です。一方、「柔」は、物理的に柔らかいことと、もともと穏やかなこと、または弱いことを意味する字で、「軟」は物理的に軟らかいことと、弱いことを意味する字です。「和らぐ(やわらぐ)」は、甚だしい状態から穏やかに変化する一連の変化を意味する言葉なので、「柔」「軟」は使わないのです。
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本日は、8月6日『平和記念日』にちなんで、「平」「和」という字の入った日本語から、
・平す(ならす)
・和らぐ(やわらぐ)
の読み方をおさらいいたしました。
- TEXT :
- Precious.jp編集部
- BY :
- 参考資料:『精選版 日本国語大辞典』『デジタル大辞泉』(株式会社小学館)/一般社団法人日本記念日協会ウェブサイト/『漢字ペディア』(公益財団法人日本漢字能力検定協会)
- ILLUSTRATION :
- 小出 真朱