手のひらの上で愛でたい、それはもうアート【和菓子の小宇宙】
その歴史は、縄文時代までさかのぼるとされる和菓子。脈々と受け継がれた伝統や技術、日本の四季や風土を映す心を継承しながら、多様な素材やデザインを取り入れ、和菓子は今も、日々進化し続けています。
このうえない口福と美しい佇まいで、至福の時をもたらしてくれる麗しき和菓子たちを、その世界観と共にお楽しみください。
東京・赤坂「とらや」の『千里の風(せんりのかぜ)』
疾走する虎の躍動感を職人の手技で意匠化
東京・赤坂に店を構える「とらや」。入り口の真っ白いのれんには、「とらや」という文字と、「千里起風」「御菓子調進所」「黒川」の3つの朱印がある。「御菓子調進所」は菓子をつくっている店、「黒川」は代々店主の名字だが、「千里起風」とは、虎は一日に千里を走り、吠えると風が起こるということわざから生まれた造語と考えられている。
創業約500年、まさに風を切って走る虎のごとく進化してきた「とらや」には、屋号の「虎」にちなんだ知る人ぞ知る名品がある。それが『千里の風(せんりのかぜ)』。
黄と黒の虎斑(とらふ)模様を意匠化した躍動感溢れる美しい羊羹は、まさに勇猛果敢に疾走する虎の姿そのもの! 1994年、社内コンテストから誕生し、当初は模様の複雑さから「実現は無理」とされたものの、熟練の職人が試行錯誤を重ね、新たな技法を生み出し、ついに商品化にいたったのだとか。
白餡ベースの黄煉羊羹に黒煉羊羹の虎斑が躍る模様は、すべて職人の手作業。「とらや」の技術と表現力の結晶というべき羊羹は、特別な日にこそ、ぜひ。
※掲載商品の価格は、税込みです。
◇お店DATA
住所/東京都港区赤坂4-9-22
営業時間/9:00〜18:00、土・日曜・祝日は9:30〜18:00
休み/毎月6日(12月を除く)
問い合わせ先
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- PHOTO :
- 川上輝明(bean)
- EDIT&WRITING :
- 田中美保、古里典子(Precious)
- スタイリング :
- Chizu