「言葉の末」ってなんと読む?「ことばのまつ」と読んでいない?
明日から、8月最後の週末ですね。児童生徒の夏休みも、この週末でおしまい、週明けに始業式…という地域も多いようです。全国的に漂う夏休みムードも、そろそろ終末、というところでしょうか? ということで本日は「末」という字の入った日本語クイズをお送りします。
【問題1】「言葉の末」ってなんと読む?
「言葉の末」という日本語の正しい読み方をお答えください。
ヒント:「口走った、ちょっとした言葉」という意味です。
<使用例>
「あの人は理屈っぽくて、言葉の末をいちいちとらえて、絡んでくるようなところがあるのよね」
・・・さて、正解は?
※「?」画像をスクロールすると、正解が出てまいります。
正解は… 「ことばのすえ」 です。
「言葉の末」は、「言葉尻(ことばじり)」や「言葉の端(はし)」と同義語で、「話の主体ではない、ちょっと口走った程度の言葉」を意味します。「言葉の末」という複合語として辞書にも掲載される慣用的な言い回しですので、「末」を「マツ」と読むのは間違いです。お気をつけください。
さて、2問目は難問ですよ!
【問題2】「末生」ってなんと読む?
「末生」という日本語の詠み仮名として正しくなるよう、「う○○○」の○の中にそれそれ1文字ずつ入るひらがなをお答えください。
ヒント:「植物の結実の時期が遅くなって、蔓(つる)などの末のほうに実がなること。また、その実」「顔が長く青白くて元気のない人」などの意味をもつ言葉です。
<使用例>
「私は、どちらかと言えばマッチョより、むしろ末生っぽい静かな男性が好きだわ」
…さて、正解は?
※「?」画像をスクロールすると、正解が出てまいります。
正解は… 末生(うらなり) です。
以前、「末成り(うらな)り」という表記でも扱いましたが、「末」という字の「うら」という読み方や、現在も使われる「うらなり」という言葉の意味をおさらいするためにも、いま一度出題しました。同じ読み、意味で「末生り」「末成」などの表記もございます。
エンタメ・コンテンツなどのキャラクター解説で「うらなりのメガネくん」「うらなりの優等生」などの表現を見かけることがございますね。あの「うらなり」とは「青白い顔色で細身、おとなしいタイプ」というような意味なのです。「うらなり」は、もともと、蔓(つる)で伸びる植物の実を言う言葉で、日本の歴史上、蔓植物の代表とも言える「瓜」には、「瓜実顔(うりざねがお=色白、中高でややおもながの顔。美人の一典型)」という表現もございます。「末生(うらなり)」は、健康的な「瓜実顔」よりもさらに細長く青白い…というイメージですので、その昔は「不健康」の象徴だったと思われますが、現代的には「そういうタイプが、むしろ好み」とう方も少なくないでしょう。
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本日は、8月の最後の週末、夏休みシーズンの終末の時期にちなんで、「末」という字の入った日本語から、
・言葉の末(ことばのすえ)
・末生(うらなり)
という日本語の読み方、言葉の背景などをおさらいいたしました。
- TEXT :
- Precious.jp編集部
- BY :
- 参考資料:『精選版 日本国語大辞典』『デジタル大辞泉』『日本大百科全書(ニッポニカ)』(株式会社小学館)/『漢字ペディア』(公益財団法人日本漢字能力検定協会)
- ILLUSTRATION :
- 小出 真朱