目周りの2大型崩れ悩みの治療法を知っておく|失敗しない美容医療のための必須ステップ
正しい診断に基づく初回の手術こそが一番大切です。この先に後悔しないためには、断片的な情報に飛びつくのではなく、考えられる選択肢を、俯瞰して考えることがポイントです。ベストな選択をするために、役立ててください。
照射から本格的な外科手術まで
今すぐ外科的な治療をしたいのか、両目か片目だけなのかでも、ベストな選択は異なります。相談に行く前に、まずは知識を身につけて。
また、なかでも挙筋腱膜前転法と挙筋短縮術は、医師の技量が問われる治療法です。執刀医は慎重に選んでください。
◇眼瞼下垂症の治療には4つの選択肢がある
1.たるみまぶたの引き締め「まぶたの照射治療」
【こんな人へ】
●見た目や機能に差し迫った不具合はないが、眼瞼下垂の進行をできるかぎり遅らせたい。
●額のシワが気になりだした。
【治療内容】…目周りにハイフやラジオ波を照射することで、たるんで伸びた皮膚を引き締める。ウルトラフォーマⅢによるハイフアイシャワーは1か月ごとを目安に3~5回、高周波のボルニューマは6か月から12か月ごとを目安に行うことが推奨されている。
●費用の目安 ¥35,090(ハイフアイシャワーの場合)
2.通称 切らない眼瞼下垂治療「埋没法」
【こんな人へ】
●比較的軽度で、できれば切らずに治療したい。
●まずは片目だけ治療したい。
●できるだけダウンタイムを短くしたい。
●5~10年程度で、治療効果が薄まっても問題ない。
【治療内容】…皮膚を切らずにまぶたの裏から、糸の操作だけで、伸びた挙筋腱膜やミュラー筋を縫い縮めて固定する。二重にする埋没法と同様に、数年程度で元に戻る可能性があるなど効果には期限がある。
●費用の目安 ¥55,000(片目)、¥88,000(両目)
3.通称 まぶた切開「挙膜腱膜前転法」「挙膜短縮術」「ミュラー筋タッキング法」「上眼瞼形成術」
【こんな人へ】
●下垂レベルが中度から重度。
●ぱっちりとした二重になりたい。
●もともと一重の場合二重になっても問題がない。
【治療内容】…筋の動きなど機能面を修正する方法と、余った皮膚を切り取る方法があり、単独で、あるいは組み合わせて手術を行い、まぶたの開きを改善させる。保険適用になることが多い。
●費用の目安 ¥385,000(両目)
4.通称 眉下切開「眉毛下切開術」
【こんな人へ】
●上まぶたの皮膚の余剰レベルは重度で、なるべく目の印象を変えたくない。
●二重になるのは困る。
●一重など、まぶたがもともと腫れぼったいほうだ。
【治療内容】…眉毛のすぐ下の皮膚を切開して、余った皮膚の切除や脂肪を除去する術式。目尻を覆う伸びた皮膚を含め、切除する皮膚の面積や、取り除く脂肪の量の調節ができるため、希望に近いであろう、自然な仕上がりが期待できる。
●費用の目安 ¥253,000(片目)、¥385,000(両目)
後悔しないためにも慎重な検討が必要
ここ数年、SNSで頻繁に目にする機会が増えたのが、下まぶたのふくらみの治療である経結膜脱脂術です。対応できる医師が多く、比較的経済的という意味でメリットがあるのは確かです。とはいえ、他の治療法があることも知ったうえで、選択しましょう。
◇下まぶたのふくらみの治療法は、3つ
1.経結膜的眼窩脂肪移動術「裏ハムラ法」
【こんな人へ】
●クマが気になる。
●下まぶたが凸凹になっている。
●目周りがややたるんでいる。
●上まぶたがややたるんでいる。
【治療内容】…難易度が高い治療法で、まぶたの裏側から下まぶたのふくらみの原因である眼窩脂肪をふくらみの下の凹んでいる部分へ移動し、下まぶたの凹凸を治療する。まぶたの裏側にある結膜を切開するので、見える傷は残らない。
●費用の目安 ¥330,000
2.眼窩脂肪移動術+皮膚切除「表ハムラ法」
【こんな人へ】
●クマが気になる。
●下まぶたが凸凹になっている。
●目周りがたるんでいる。
●涙袋がなくなっても気にならない。
●上まぶたがくぼんでいる。
【治療内容】…下まぶたの表側を切開し、眼窩脂肪をふくらみの下の凹んでいる部分へ移動することで、凹凸を治療する。余剰な皮膚を切り取ることもできるので、たるみが大きい場合でも美しく仕上がる。
●費用の目安 ¥380,000
3.比較的若い人向き 通称 切らないクマ取り、下まぶたの脂肪取り「下眼瞼脱脂術」
【こんな人へ】
●クマが気になる。
●ふくらみは気になるが、たるみはそれほどでもない。
●仕上がりよりも予算を優先したい。
【治療内容】…まぶたの裏側の結膜を切開し、眼窩脂肪を切除する。見える傷は残らない。凹みやシワが目立つと困る場合は、別の場所から採取した脂肪注入手術を加える。
●費用の目安¥275,000(脂肪吸引、注入の場合の費用別)
ひと足お先に、すませています! 眼瞼下垂治療、経験談
オペは怖いしダウンタイムは嫌、というのが正直なところ。とはいえ「病」ゆえに、放置もできないというものです。眼瞼下垂治療を経験ずみのふたりのレポートを参考にしてください。
◆5年前にまぶた切開をした桑田圭子さん(54歳)
顔形の変化はないがつねに半分しか目が開かないため、キリリとしたキツネ顔がたぬき顔に。美容のかかりつけ医の紹介で専門医に相談し、二重のラインを切るまぶた切開を選択。ダウンタイムは約3週間あったがメガネ着用で乗り切れる程度。大満足のキツネ顔から約5年が経過し、残念ながら再びたぬき化が進行。今回の眼瞼下垂の原因は目尻の皮膚のたるみ。眉下切開のタイミングを検討中です。
◆半年前に切らない眼瞼下垂治療をした三谷杏里さん(57歳)
片側のまぶたが、突然落ちてきたため皮膚科系かかりつけ医の紹介で専門医を受診。比較的軽いのと片眼なので、切らない埋没法をすすめられオペを決行。簡単&費用は控えめで、左右対称の目に戻り大満足。10年待たずに再手術となる可能性が高いのは了承ずみ。その頃はまぶたの皮膚がさらに伸び、目尻を覆っているはずなので、眉下切開で皮膚を切り取ってもらう予定。
※掲載商品の価格は、すべて税込みです。
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- 鈴木 宏(人物)
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- EDIT&WRITING :
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