今、個性あふれる日本のホテルが面白い!今訪れたい、「デスティネーション・ホテル」|この秋は、自分の希望がかたちになった場所へ

あぁ、旅に出たい。やっと自由にどこへでも行ける、という解放感と共にこの秋、旅への熱は、ますます高まっているのではないでしょうか。

日本の風土を味わう一棟貸しや、地域密着型リゾート、心躍る体験型施設や日本初上陸のラグジュアリーホテルまで。今、世界が注目する「デスティネーション=目的地」は日本のホテル、といっても過言ではありません。豊かな自然や絶景を堪能しに、そこでしか味わえない食を求めて、アートや建築を愛でに、ひとり静かな時間を過ごしに…。

今回はそのなかから、瀬戸内海の海辺に今年4月にオープンした、美術館と10棟のヴィラ、レストランからなるアート複合施設「SIMOSE(シモセ)」をご紹介します。

広島・大竹「SIMOSE」の海を望むヴィラと美術館|アート、建築、絶景まとめて楽しむ極上ステイ

今年4月、瀬戸内海の海辺に、美術館と10棟のヴィラ、レストランからなる「アート複合施設SIMOSE(シモセ)」がオープンしました。

注目すべきは、水盤に並ぶカラフルな8つのキューブ。こちらは可動式の展示室で、なんと美術館。さらに、水辺と森、異なるロケーションでこの地の自然を楽しめるヴィラは、いずれも建築家・坂茂(ばんしげる)氏が設計を手掛けています。

広島・大竹のホテル「SIMONE」
 

なんとこちら、可動式の美術館です! エミール・ガレの作品に登場する色からインスピレーションを得たという、8色のカラーガラスに覆われた可動展示室。水盤に映る姿も美しくまるで一枚の絵画のよう。

広島・大竹のアート複合施設「SIMONE」
巨大な柱と梁が大迫力の美術館のエントランス棟。キューブとは渡り廊下でつながっている。

「アートの中でアートを観る。」がコンセプトの下瀬美術館では、京人形からエミール・ガレの西洋工芸、マティスやシャガールまで幅広いコレクションを所蔵。

アートのような可動展示室でじっくり作品を鑑賞したら、名作建築を楽しむべく、いざ、ヴィラへ! 自然と共生する居心地のよい空間づくりに定評のある坂氏の名作住宅「紙の家」や「壁のない家」を再現したヴィラに泊まれるとは、建築好きにはたまらない体験です。

レストランでは地元の食材を使ったフレンチで舌鼓。海に面した美術館でアートを楽しみ、絶景の中で建築を楽しむ。旅の目的地にふさわしいホテルです。

広島・大竹のアート複合施設「SIMONE」
 

周囲の景色を映し出す、ミラーガラスに覆われたエントランス棟の外観。

広島・大竹のアート複合施設「SIMONE」
 

水辺のヴィラ5棟の総称は「キールステックの家」。すべてテラス付きの木造平屋で、内装は部屋ごとに異なる。

広島・大竹のアート複合施設「SIMONE」
 

木立の中に点在する森のヴィラのひとつ、1990年代に坂氏が手掛けた代表作、実験住宅「紙の家」をホテル仕様に変え、再現したヴィラ。森のヴィラには、新作の「十字壁の家」にも宿泊できる。全ヴィラ制覇したくなること、間違いなし。


【DATA】広島・大竹「SIMOSE」

住所/広島県大竹市晴海2丁目10-50<Simose Art Garden Villa>
TEL:0120-907-090
水辺のヴィラ¥130,000〜、森のヴィラ¥150,000〜(1泊2食付き1棟料金、2名使用、税・サ込み)

●おすすめの過ごし方
美術館のチケットや、客室内のドリンク、ラウンジでの飲食などを含むオールインクルーシブ。美術館と絶景と、坂建築を思う存分、堪能して。

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EDIT&WRITING :
田中美保、古里典子(Precious)