「書肆」ってなんと読む?「しょながつ」ではありません!
明日・10月4日は『古書の日』です。これは全国古書籍商組合連合会が制定した記念日で、日付は、古書の「古」という字が「十と口」に分解できること、ふたつの文字を重ねると「田」となり、4冊の本のように見える…という理由で選ばれました。10月は1か月を通して「古書月間」ともされており、古書に親しむためのさまざまなイベントが催されるようです。
「古書」は、古書業界的には、「絶版など、希少価値の高い古本」というイメージで、一般の古本とは区別されているようです。新刊の電子書籍の手軽さも魅力的ですが、書籍の文化を感じるため、素敵な装丁の一冊を見つけに古書店めぐり…という秋の過ごし方も、素敵ではないでしょうか? ということで本日は「古」「書」という字の入った日本語のクイズをお送りします。
【問題1】「古諺」ってなんと読む?
「古諺」という日本語の正しい読み方をお答えください。
ヒント:「昔からの古いことわざ」という意味の言葉です。
<使用例>
「『情けは人の為ならず』という古諺は、解釈を間違えている人も多いのよね」
…さて、正解は?
※「?」画像をスクロールすると、正解が出てまいります。
正解は… 古諺(こげん) です。
「俗諺(ぞくげん)」などの熟語にも、「諺」の音読みが使われています。ちなみに、例文でとりあげた「情けは人の為ならず」という「古諺(こげん)」の本来の解釈は、「人に対して情けをかけておけば、巡り巡って自分に良い報いが返ってくる」です。文化庁の「国語に関する世論調査(平成22年度版)」でも、「情けをかけると、その人のためにならない」という意味だと勘違いしているケースが、全体の半数近くある…というデータが出ておりました。お気をつけくださいね。
さて、2問目にまいりましょう。
【問題2】「書肆」ってなんと読む?
「書肆」という日本語の正しい読み方をお答えください。
ヒント:「書物を出版したり、また、売ったりする店。書店」という意味の言葉です。
<使用例>
「古書街では特に『○○書肆』という店名を見かけることがあるわね」
…さて、正解は?
※「?」画像をスクロールすると、正解が出てまいります。
正解は… 書肆(しょし) です。
吾峠呼世晴さんの大ヒット漫画コンテンツ『鬼滅の刃』(集英社)で、上位の鬼の目に漢数字のナンバリングがふられておりますので、お子さんでもこの「肆( =4)」の字を知っているかもしれません。この字は訓読みでは「みせ」とも読み、「書肆(しょし)」は「書店(出版をする稼業、という意味も含む)」という意味になります。古書店の店名や、古い出版社名にも使われている表現ですので、読み方と意味を理解しておきましょう。
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本日は、10月4日『古書の日』にちなんで、「古」「書」という字の入った日本語から、
・古諺(こげん)
・書肆(しょし)
の読み方をおさらいいたしました。
- TEXT :
- Precious.jp編集部
- BY :
- 参考資料:『精選版 日本国語大辞典』『デジタル大辞泉』(株式会社小学館)/『日本の古本屋』ウェブサイト(東京都古書籍商業協同組合)/文化庁ウェブサイト/『漢字ペディア』(公益財団法人日本漢字能力検定協会)
- ILLUSTRATION :
- 小出 真朱