「ミーティングで丁々発止にやり合っちゃって…」「丁々発止に議論を交わした」のように使われる「丁々発止」について解説します。「意味はなんとなくわかるけど、自分では使ったことがない」という人も多いのでは? ビジネスシーンでの使用例なども見ていきましょう。
【目次】
【「丁々発止」とは?「読み方」「意味」「由来」 】
■読み方
「丁々発止」は「ちょうちょうはっし」と読みます。「丁丁発止」と書くこともあります。
■意味
丁々発止とは、激しく議論を交わすさまを表す副詞です。互いに負けじと熱く議論を戦わせる様子を示します。
■由来
「丁々発止」は四字熟語。ですが、「丁々」も「発止」もなじみがない言葉ですよね。「丁々」は、金属などがぶつかり合うかん高い音が、続いて響くさまを表わす語。また、勢いよく打ち続けたり、切り続けたりするさまにもいいます。「発止」は、堅い物同士がぶつかることやその音を表すので、「丁々発止」で「刀と刀がぶつかり合うような激しいさま」となり、議論が白熱することを示す四字熟語になりました。ちなみに「発止」には「言い方が的確なさま。はきはき」という意味も。
■「丁々発矢」「打々発止」も正解
ちなみに、同じ意味で「丁々発矢」、「丁々発止」と書いて「ちょうちょうはっし」と読むことも。
【ビジネスシーンでの「使い方」がわかる「例文」3選】
■1:「会議でふたりが丁々発止にやり合った」
■2:「丁々発止の議論を戦わせてこそ、新たな展開も見えてくる」
■3:「丁々発止のやり取りが続いたため、予定時間を大幅に過ぎてしまった」
議論が「丁々発止」に発展しない会議は眠くてつらいけれど、「これいつ終わるの?」というくらい白熱した「丁々発止」も勘弁してほしいところですね。
【同じ意味の「四字熟語」は?「類語」「言い換え」「関連語」表現】
「丁々発止」の意味や使い方がわかったところで、同じような意味の熟語や言い換え表現、関連語を見てみましょう。
■談論風発(だんろんふうはつ)
談話や議論が活発に行なわれること。「談論風発する」のように使います。「風発」には「風が吹き起こること」や「勢いの激しく盛んなこと。特に、弁論などが勢いよく口をついて出ること」という意味があります。
■侃々諤々(かんかんがくがく)
遠慮することなく盛んに議論するさま。正しいと思うことを堂々と主張するさま。難しい漢字を使用する四字熟語ですが、「けんけんがくがくだっけ? けんけんごうごうだっけ?」とわからなくなることはありませんか? それは、侃々諤々と、「まとまとまりがなく、ただがやがやとやかましい」という意味の喧々囂々(けんけんごうごう)が混同された誤用です。
■議論百出(ぎろんひゃくしゅつ)
たくさんのさまざまな意見が出ること。熟語や慣用句での「百」や「千」などは数を表すのではなく「たくさん」という意味で使われます。
■甲論乙駁(こうろんおつばく)
互いに論じあい、反駁(はんばく)し合って議論がまとまらないこと。
■熱弁の応酬
議論を熱く交わすこと。
■火花を散らす
互いに激しく争うさま。これも刀に由来した慣用句。鋼を打ちつけて出る際の火花をイメージしています。
【「丁々発止」を英語で言える?】
「やかましい口論」や「口喧嘩」などを[get into a row]といいますが、転じて「丁々発止」と同じような意味でも使われます。
・They got into a big row at the meeting.(会議で丁々発止の議論となった)
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「丁々発止」とはいささか古くさい熟語でしょうか? 目上の方との会話などに使ってみてくださいね。
- TEXT :
- Precious.jp編集部
- 参考資料:『デジタル大辞泉』(小学館)/『角川類似新語辞典』(KADOKAWA)/『プログレッシブ英和中辞典』(小学館) :