「至極」ってなんと読む?「しきょく」ではありませんよ!
明日、12月14日は『南極の日』です。1911(明治44)年のこの日、ノルウェーの探検家、ロアール・アムンセンが人類で初めて南極点に到達しました。この偉業を成しえる前、実は、アムンセンは北極点到達を目指していました。しかし、アメリカの探検家、ロバート・ピアリーに先を越されてしまったことで目標を南極点に変更。新たな挑戦をして見事成功した…という経緯がございます。挑戦の勇気をもらえるエピソードですね。ということで、本日は「南」「極」という字の入った日本語クイズをお送りします。
【問題1】「図南」ってなんと読む?
「図南」という日本語の正しい読み方をお答えください。
ヒント:「大事業を計画する」という意味の言葉です。
<使用例>
「アムンセンは一度苦汁を飲んだのちに、南極点到達を図南した…というわけね」
…さて、正解は?
※「?」画像をスクロールすると、正解が出てまいります。
正解は… 図南(となん) です。
「図南(となん)」は、中国の古書『荘子』に登場する「伝説の巨鳥・鵬(おおとり)が、はるか南に向けて飛び立とうとする」というエピソードにちなんだ言葉で、「(大志を抱いて)大事業を計画する」というニュアンスをもつ言葉です。教養を感じさせ、かつ、お相手を立てるイメージがさりげなく入った美しい言葉ですので「図南(となん)」、大人の語彙としてぜひインプットしておきましょう。
さて、2問目にまいりましょう。
【問題2】「至極」ってなんと読む?
「至極」という日本語の正しい読み方をお答えください。
ヒント:「極限・極致に達していること」「極めて道理にかなっていること」「納得」などの意味をもつ言葉です。
<使用例>
「悔しさを晴らすために次の挑戦を…という決意は、彼にとって至極当然の決断だったのね」
…さて、正解は?
※「?」画像をスクロールすると、正解が出てまいります。
正解は… 至極(しごく) です。
「至極(しごく)」は、例文のように「至極当然」や「至極、理に適った」などの使われ方もします。たまにこれを形容詞「すごい」の連用形である副詞「すごく」と混同している方がいらっしゃるようです。「至極(しごく)」という熟語と「すごく」は、別の言葉です。ご注意を。
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本日は12月14日『南極の日』にちなんで、「南」「極」という字の入った日本語から、
・図南(となん)
・至極(しごく)
の読み方をおさらいいたしました。
- TEXT :
- Precious.jp編集部
- BY :
- 参考資料:『日本大百科全書(ニッポニカ)』『精選版日本国語大辞典』『デジタル大辞泉』(株式会社小学館)/『ようこそ!国立極地研究所南極・北極科学館へ』ウェブサイト/『漢字ペディア』(公益財団法人日本漢字能力検定協会)
- ILLUSTRATION :
- 小出 真朱